若手現場監督のための現場で使える用語集(タ行)
若手現場監督向けに現場での用語集を紹介します。
用語集(タ行)
私が工事現場で7年働いた経験から知っておいた方が良い用語を集めました。
執筆者
脱型(だっけい)
コンクリートの打設後に型枠を取り外すこと。
型枠の適切な取り外し時期は以下の表のとおり。
部材面の種類 | 例 | コンクリートの圧縮強度(N/m㎡) |
---|---|---|
厚い部材の鉛直に近い面、傾いた上面 小さいアーチの面 | フーチングの側面 | 3.5 |
薄い部材の鉛直に近い面、45°より急な傾きの下面、小さいアーチの内面 | 柱、壁、梁の側面 | 5.0 |
スラブおよび梁、45°より緩い傾きの下面 | スラブ、梁の底面、アーチの内面 | 14.0 |
タックコート
中間層や基層と、表層の間に施工する乳剤の散布のこと。
アスファルト混合物同士の付着や、継目部の付着をよくするために施工する。
アスファルト乳剤(PK-4)を用い、0.3~0.6L/㎡を均等に散布する。
建端(たっぱ)
ものの高さや身長を表す。
多能工
鉄筋や型枠、コンクリートの打設など、複数の異なる作業を1人で遂行する技能を身につけた人材のこと。
工種を入れ替える必要がないことから工期の短縮や手戻りの減少、コスト削減などの利点が挙げられる。
特に中小や中堅クラスの建設会社の生産性を高めるうえでは、有効なことから国土交通省では多能工の育成や活用の取り組みを支援する「多能工化モデル事業」を進めている。
玉掛け
クレーン等で荷を吊り上げる際た、クレーンのフックに荷を掛けたり外したりする作業のこと。
つり上げ荷重が1t未満のクレーンの玉掛を行うときは特別教育の受講が必要
つり上げ荷重が1t以上のクレーンの玉掛を行うときは技能講習の受講が必要
ここで言う「1t」というのは”吊り荷の重量”ではなく、”使用するクレーンやフックの能力”です
玉掛けワイヤー
玉掛けの際に使われワイヤーロープのこと。
クレーン等安全規則により点検が義務付けられています。
玉掛け用ワイヤーロープの安全率は6倍です。
ワイヤーロープの径(mm)の2乗÷2÷20
12mmのワイヤーロープの例
12×12÷20=7.2t
しかし、12mmの玉掛けワイヤー1本で7.2tまで吊れるわけではありません。
基本使用荷重=切断荷重÷安全率(玉掛けワイヤーの場合は6)
12mmのワイヤーロープの例
7.2÷6=1.2t
12mmの玉掛けワイヤー1本で1.2tまで吊れます
台付ワイヤーロープは玉掛け用ワイヤーロープとして使用できないので注意!
単管
直径48.6mmの炭素鋼鋼管のこと。
段取筋
構造上は必要ないが、設計図書に記載されている鉄筋を組み立てるのに必要な鉄筋のこと。
チェーンブロック
チェーンを使って滑車とテコの原理で吊荷を上げ下げするのに使う機器のこと。
定格荷重やチェーンの長さでさまざまな種類があるので、用途にあったものを使う必要があります。
チッピング
はつり作業のこと。
コンクリートのレイタンスの除去などを行う際に使われます。
丁張(ちょうはり)
貫板と木杭を用いて、現場で構造物の"位置"、"高さ"を示す仮設の目印のこと。
- トンボ
- 法丁張
大きく分けてこの2種類に分かれます。
出来形(できがた)
工事目的物の出来上がった部分のこと。
国土交通省の『土木工事施工管理基準』で定める施工管理の一つ。
施工管理
- 工程管理
- 出来形管理
- 品質管理
若手の現場監督が管理を求められるものの一つです
鉄筋(てっきん)
土木工事になくてはならない建設資材です。
鉄筋コンクリート構造物において、引張力を受け持つ部材です。
現場でよく使われるのは以下の2種類です。
- 異形棒鋼
- 丸鋼
手元(てもと)
作業を行う際に補助する人のこと。
天端(てんば)
物や部材の上端のこと。
統括安全衛生責任者
特定元方事業者の現場において、現場の安全を統括する責任者のこと。
統括安全衛生責任者は、特定元方事業者の従業員と関係請負人の従業員の合計が50人以上の場合、労働安全衛生法施行令により選任が義務づけられています。
ずい道建設、橋梁建設など特定の仕事では30人以上です。
トータルステーション
距離を測る光波測距儀と、角度を測るセオドライトを組み合わせた測量器具のこと。
特殊車両
道路法、車両制限令で定められた「一般的制限値」と呼ばれる車両の制限値を超えた車両
道路法に基づく車両制限
幅2.5m×長さ12m×高さ3.8m
重さ 総重量20t
25tラフタークレーンも特車なんです。
特定元方事業者
元方事業者のうち、建設業、造船業の仕事を行う者のこと。
特別教育
特定の業務を行うにあたって、厚生労働省が定める教育のこと。
事業者は、厚生労働省令で定める危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、その業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないこととされています。
労働安全衛生法第59条第3項
何の作業で特別教育が必要かは労働安全衛生規則第36条に記載されています。
特別教育の内容は、安全衛生特別教育規定によって厚生労働大臣が科目や時間を定めています。
特記仕様書
その工事でのみ適応される発注者の指示事項を記した書類のこと。
建設業法で定める設計図書の一つ。
床掘(とこぼり)
構造物の築造または撤去を目的として、現地盤線または施工基面より下を掘り下げる作業のことで、埋め戻しを伴う作業のこと。
掘削とは異なる作業なので注意が必要です。
床掘については、[床掘りと掘削の違いとは?元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
土留(どどめ)
土が崩れるのを防ぐ目的で設置する構造物のこと。
土羽(どは)
盛土工におけるの法面のこと。
ドンゴロス
麻の繊維でつくられた袋のこと。
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