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この記事ではコンクリート標準示方書に書かれている内容を中心にコンクリートの材料である混和材料について解説します。
混和材について
混和剤について
・つちとき管理人
・元準大手ゼネコン勤務の土木技術者
・一級土木施工管理技士
・技術士の資格取得を目指して現在勉強中
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事
混和材料はコンクリートを練り混ぜる際に用いて、硬化前や硬化後のコンクリートの性質や品質を改善するものです。
混和材はコンクリート材料の一部と考え、配合設計時にはその体積を計算に含めます。
混和剤は薬品と考え、配合設計時にはその体積を考慮しません。
混和剤として用いるAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤高性能減水剤、流動化剤および硬化促進剤はJIS A 6204 に適合したものを標準とする。
コンクリート標準示方書[施工編:施工標準]
混和剤の品質には、コンクリート試験による塩化物イオン量および全アルカリ量(Na2Oeq:0.30kg/m3)が規定されています。
種類 | 塩化物イオン(Cl⁻)量 |
---|---|
Ⅰ種 | 0.02kg/㎥以下 |
Ⅱ種 | 0.02kg/㎥を超え0.20kg/㎥以下 |
Ⅲ種 | 0.02kg/㎥を超え0.60kg/㎥以下 |
コンクリート中に多くの独立した微細な空気泡(エントレインドエア)を一様に連行し、コンクリートのワーカビリティーおよび耐凍害性を向上させるために用いる界面活性剤の一種です。
球状の独立した微細な空気泡
連行した微細な空気泡がボールベアリングの作用をすることで、ワーカビリティーが改善されます。
それにより、所要のコンシステンシーを得るための単位水量を減少させることができます。
細骨材を増すと、空気量も増加します。
細骨材のうち0.3〜0.6mmの部分が多いと空気泡は連行されやすく、0.15mm以下が多いと空気泡は入りにくくなります。
圧縮強度は空気量にほぼ比例して低下します。
一般に空気量1%の増加に対し、プレーンコンクリートと同一セメント量のとき2〜3%.同一水セメント比の場合には4〜6%、それぞれの材齢28日の圧縮強度が低下します。
減水剤を添加すると、セメント粒子は静電気的な反発作用によって分散し、セメントペーストの流動性が増大します。
所要のコンシステンシーおよび強度を得るのに必要な単位水量および単位セメント量を減少させることができる。
セメント分散作用と空気連行作用を併有しー空気泡の連行、単位水量の減少およびセメントの水和効率増大の総合効果が期待できる。
所要のコンシステンシーを得るための単位水量を、一般に減水剤で4〜6%、AE減水剤で12〜16%程度減少します。
「コンシステンシーに影響することなく単位水量を大幅に減少させるか、または単位水量に影響することなくスランプを大幅に増加させる化学混和剤」と定義されている。
減水率20〜30%の大幅な減水効果が得られます。
大量に使用しても凝結や空気量を変動しないので、高強度コンクリートの製造が容易になりました。
近年では、従来のナフタリン系からポリカルボン酸系が増加しています。
高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有し、適度な空気連行性が付加します。
一般強度のコンクリートから高強度コンクリートや高流動コンクリートまで幅広く使用されています。
高性能減水剤と同様に、セメント量が多いほど減水性や流動性が大きくなります。
単位セメント量の少ないコンクリートでは、ペーストが分離傾向を示すため使用できない。
混和材として用いるフライアッシュは、JIS A 6201に適合したものを標準とする。
コンクリート標準示方書[施工編:施工標準]
石灰火力発電所などで燃焼排ガス中に浮遊する微細な灰を電気集塵器で捕集したもの。
主な化学成分はSiO2(全体の50%〜60%)およびAl2O3(25%程度)です。
フライアッシュはポゾラン反応性を有します。
普通ポルトランドセメントから析出する水酸化カルシウムと反応して、安定したケイ酸塩として硬化する反応をポゾラン反応と言う。
フライアッシュの粒子の大部分は、表面が滑らかな球状を呈しており、コンクリートに混和するとボールベアリング作用によりコンクリートのワーカビリティーが改善され、単位水量が減少する。
項目 | フライアッシュⅠ種 | フライアッシュⅡ種 | フライアッシュⅢ種 | フライアッシュⅣ種 |
---|---|---|---|---|
二酸化ケイ素(%) | 45.0以上 | 45.0以上 | 45.0以上 | 45.0以上 |
湿分(%) | 1.0以下 | 1.0以下 | 1.0以下 | 1.0以下 |
強熱減量(%) | 3.0以下 | 5.0以下 | 8.0以下 | 5.0以下 |
密度(g/c㎥) | 1.95以上 | 1.95以上 | 1.95以上 | 1.95以上 |
粉末度(ブレーン方法)(g/c㎡) | 5000以上 | 2500以上 | 2500以上 | 1500以上 |
フロー値比(%) | 105以上 | 95以上 | 85以上 | 75以上 |
活性度指数(材齢28日) | 90以上 | 80以上 | 70以上 | 60以上 |
活性度指数(材齢91日) | 100以上 | 90以上 | 80以上 | 70以上 |
十分に湿潤養生を行うことで、長期強度の増進と水密性が向上する。
化学的な抵抗性と、海水に対する抵抗性が大きくなる。
フライアッシュの混入率が15%を超えると、アルカリシリカ反応の抑制効果が発生します。
ポゾラン反応により水酸化カルシウムが消費されることから、中性化の進行は早くなります。
混和材として用いる高炉スラグ微粉末は、JIS A 6206に適合したものを標準とする。
コンクリート標準示方書[施工編:施工標準]
高炉スラグ微粉末は、高炉から排出された溶融状態のスラグを水や空気で冷却し粉砕したものです。
品質 | 高炉スラグ微粉末 3000 | 高炉スラグ微粉末 4000 | 高炉スラグ微粉末 6000 | 高炉スラグ微粉末 8000 |
---|---|---|---|---|
密度(g/c㎥) | 2.80以上 | 2.80以上 | 2.80以上 | 2.80以上 |
比表面積(c㎡/g) | 2750以上 3500未満 | 3500以上 5000未満 | 5000以上 7000未満 | 7000以上 10000未満 |
活性度指数(材齢7日) | – | 55以上 | 75以上 | 95以上 |
活性度指数(材齢28日) | 60以上 | 75以上 | 95以上 | 105以上 |
活性度指数(材齢91日) | 80以上 | 95以上 | – | – |
フロー値比(%) | 95以上 | 95以上 | 90以上 | 85以上 |
酸化マグネシウム(%) | 10.0以下 | 10.0以下 | 10.0以下 | 10.0以下 |
三酸化硫黄(%) | 4.0以下 | 4.0以下 | 4.0以下 | 4.0以下 |
強熱減量(%) | 3.0以下 | 3.0以下 | 3.0以下 | 3.0以下 |
塩化物イオン(%) | 0.02以下 | 0.02以下 | 0.02以下 | 0.02以下 |
硫酸塩や海水に対する耐久性が向上します。
十分に湿潤養生を行うことで、長期強度が増大し、乾燥収縮が低減します。
スラグの粉末度が大きいと、自己収縮や温度応力が大きくなる恐れがあります。
高炉スラグ微粉末は、潜在水硬性を生じる混和材です。
混和材が普通ポルトランドセメントから析出する水酸化カルシウムの石灰分と反応して硬化する性質のことです。
混和材として用いる膨張材は、JIS A 6202に適合したものを標準とする。
コンクリート標準示方書[施工編:施工標準]
膨張材としてカルシウム・サルホ・アルミネート(消石灰と石こうおよびアルミナを焼成したもの)を用いると、水和作用で膨張硬化するエトリンガイトが発生します。
カルシウム・サルホ・アルミネート系はCSA系と呼ばれています。
この膨張材の利用量によって、収縮補償用やケミカルプレストレス用に分類できます。
コンクリートの乾燥収縮によるひび割れの低減を目的として、20~30kg/㎥程度使用する。
膨張剤を大量に使用し、発生する膨張を鉄筋などで拘束してケミカルプレストレスを導入する。
以上、コンクリートの材料である混和材料についてコンクリート標準示方書に書かれている内容を中心に解説しました。
『コンクリート標準示方書[施工編:施工標準]』
『ネビルのコンクリートバイブル』
『コンクリート技士・主任技士試験対策』
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