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スランプ試験の許容値は±2.5cm じゃないの?
スランプ試験ってどうやるの?
建築と土木で許容値って違うの?
本記事ではこんな悩みを解決します。
建設業界で主要な材料であるコンクリートですが、品質は現場の施工に大きく左右されます。
高品質のコンクリート構造物をつくるためにも、スランプ試験による品質の管理は必要不可欠です。
そんなスランプ試験ですが、「スランプ試験の規格値は±2.5cm」と思いがちですが、 実は配合によって規格値が異なります。
本記事では、 「土木工事の場合」 と 「建築工事の場合」 それぞれの規格値と、スランプ試験の概要について解説するので、 高品質な構造物を構築するために技術者としてしっかり理解しておきましょう。
・スランプ試験の許容値 (土木建築含む)
・スランプ試験のやり方 頻度
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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コンクリートのスランプ試験の許容値は±2.5cm ですよね?
設計のスランプ値によって、 許容誤差は変わるので注意してください
スランプ試験の許容値を、 まさか一律±2.5cm と思っていませんか?
土木と建築で基準は異なりますが、 スランプ試験の規格値は配合によって異なります。
正確にはスランプの値によって、規格値が異なります
スランプの許容値は、スランプの値によって異なる
土木と建築工事の場合に分けて、それぞれ詳しく解説しますね。
土木工事の場合、土木学会コンクリート標準示方書にスランプ値の許容値が定められています。
スランプ試験の許容値を表にしました。
土木の工事におけるスランプの許容値
スランプ値 (cm) | 許容差 (cm) |
---|---|
2.5 | ±1 |
5および 6.5 | ±1.5 |
8以上18 以下 | ±2.5 |
21 以上 | ±1.5 |
土木の工事で使う配合は、”スランプ8cmや12cm”の配合のコンクリートを使用する工事がほとんどです。
なので、 先ほどの表からわかるようにほとんどの土木工事で使用する生コンは、スランプの許容誤差が±2.5cmになります。
これがスランプの許容誤差が±2.5cm だと思い込んでいる人が多い理由です。
なお、表を見て分かるとおり、スランプが大きいからと言って、許容値が広くなるわけではないので注意してください。
建築工事の場合、 スランプ試験の許容値を定めている公共建築工事標準仕様書を例に解説します。
建築工事の場合は以下のスランプ試験の許容値は以下のとおりです。
スランプの許容値
スランプ値 (cm) | 許容差 (cm) |
---|---|
8cm 未満 | ±1.5cm |
8cm以上18cm 以下 | ±2.5cm |
18cmを超える | ±1.5cm |
通常の建築工事であれば、”スランプは15cmや18cm”の配合のコンクリートが用いられます。
なので、建築でも一般的にはスランプの許容値は±2.5cmを用いるのが一般的。
そのため、 土木同様にスランプ試験の許容差は±2.5cmだと認識している多いのです。
スランプ試験の許容値がわかりました
復習として、スランプ試験について解説しますね
この記事を読んでいる方は、スランプ試験については理解しているとは思いますが、ここで一度スランプ試験について解説します。
そんなの知ってるよ
って方は読み飛ばしていただいて構いません。
ですが、ド忘れや知らなくて恥ずかしい想いをする前に、たった数分で読めるので、再確認しておくことをオススメします。
スランプ試験は、JISにより試験の方法が定められています。
使用機器
・平板
・スランプコーン
・突き棒
スランプコーンは、金属製の筒のようなもので、下の穴の直径は200mm、上の穴の直径は100mm、高さは30cm です。
スランプ試験はJISで定められていて、手順は以下のとおりです。
スランプ試験の方法
・スランプコーンを平らな平板の上にのせる
・コンクリートを1/3ほど入れて。 突き棒で1周あたり5箇所×計5周(合計25回) 突く
・3回繰り返し、一番上までコンクリートを充填させる
・スランプコーンを静かに 2~3秒間かけて上に引き上げる
・0.5cm 単位で結果を読みとります
この試験は、水平をとった平板の上で行います。
なお、スランプコーンにコンクリートを詰め始めてから、スランプコーンの引き上げ終了までにかかる時間は3分以内です。
試験の様子
スランプ試験は、0.5cm 単位で試験結果を読み取り、規格値内に収まっていれば OK です。
なお、値を読み取る際に、カタチが崩れている場合は再試験が必要なので注意してください。
スランプの偏り、くずれによる再試験
(1)コンクリートがスランプコーンの中心軸に対して偏ってスランプした場合で、かつ、はっきりしたスランプコーン上面の痕跡の最高・最低の差が3cm以上の場合。
(2) スランプしたコンクリートの広がりの中央部とスランプコーンの中心軸との距離が5cm以上偏ったとき。
スランプ試験の回数や頻度は、様々な仕様書で定められています。
国土交通省 「土木工事施工管理基準及び規格値」
・20m²~150mごとに1回 (構造物の重要度により変化)
・荷卸し時に品質変化が認められた時
基本的には、荷卸し時に1回/日以上、スランプ試験をおこないます。
打設する日の最初の1台目に加えて、 打設の数量が所定量(20~150㎡) に達した際にも試験を行います。
ちなみに、荷卸し時に品質変化が認められた時とありますが、 私は何万㎡とコンクリートを打設してきた中で、 荷卸し時の品質変化はありあせんでした
ほとんどない事例だとは思いますが、 参考程度に覚えてはおきましょう。
コンクリートの品質管理試験について今一度知りたいです
主な試験は「スランプ」「空気量」「塩化物含有量」「圧縮強度」「温度及び外気温」「単位水量」 です
コンクリートの品質を確認するために、荷下ろし時点での検査は必要不可欠です。
技術者として、必ず理解しておく事項なのです、今一度確認しましょう。
コンクリートの品質管理試験
・スランプ
・空気量
・塩化物含有量
・圧縮強度
・温度及び外気温
・単位水量
スランプ試験については、本記事内で解説済みなので省略します。
空気量はコンクリートのワーカビリティー、耐久性等に大きな影響を与える要因です。
専用の計測試験機を活用して、練り上がったコンクリートの空気量の測定を行います。
JISで定められた許容値は、 設計値±1.5%です。
「コンクリートの中にどの程度、塩分を含んでいるか」を計測します。
測定器具は、公的機関又はこれに準じる期間が性能を評価したものです。
実際には、以下の計測器具を用います。
塩化物含有量測定方法
・カンタブ
・ソルコン
JISにより定められた許容値は、塩化物量 (Cl–) 量が 0.30kg/㎥以下です。
注文時の呼び強度を満たしていることを確認する試験が、圧縮強度試験です。
生コンの品新管理試験時に供試体を採取し、所定の日数で圧縮強度試験を行います。
JIS では、強度試験で以下の値であれば合格です。
・1回の強度試験の値が呼び強度の85%以上
・3回の平均が呼び強度以上
実際のJIS の記載内容は以下のとおりです。
a)1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値5)の85%以上でなければなら
JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
ない。 b) 3回の試験結果の平均値は、購入者が指定した呼び強度の強度値5)以上でなければならない。
生コンの単位水量を計測する試験が、単位水量試験です。
単位水量はコンクリートの品質に大きな影響を与えます。
昔は、シャブコンと呼ばれる加水した生コンが多く報道されたことから、建設業の信頼低下から単位水量の測定が義務となっています
平成15年10月の国交省通知 「レディーミクストコンクリートの品質確保について」により、単位水量の測定が義務付けられています。
対象としては、 1日の生コンの打設量が1日100㎡を超える場合、測定が必要です。
測定方法はいくつか種類がありますが“エアメータ法”により測定を行うのが、最も一般的測定方法となります。
なお、試験合格でそのまま打設できる基準としては、 設計配合±15kg/㎡が基準です。
コンクリートのスランプ試験に関してよくある質問をまとめました。
スランプの許容値は、スランプの設計値で決まっています。
土木の工事の場合
スランプ値(cm) | 許容値(cm) |
---|---|
2.5 | ±1 |
5および6.5 | ±1.5 |
8以上18以下 | ±2.5 |
21以下 | ±1.5 |
建築工事の場合
スランプ値(cm) | 許容値(cm) |
---|---|
8未満 | ±1.5 |
8以上18以下 | ±2.5 |
18を超える | ±1.5 |
ディーミクストコンクリートの配合を示しています。
正確な配合は、「普通 18-8-20BB」 と5種類の記号、 数字等で示されます。
普通: コンクリートの種類
18: 設計基準強度(18N/mm2
8: スランプ (8cm)
20 : 粗骨材の最大寸法 (粒径20mm)
BB : (高炉セメントB種)
コンクリートの配合について詳しい解説は、[生コンの配合や規格「18-8-20BB」 などコンクリートの呼び強度の意味や覚え方を解説]で解説しています。
コンクリートのスランプ値は施工者が打ち込み時の最小スランプを考慮して決めます。
なお、 土木の工事において一般的な鉄筋コンクリートのスランプは12cmが標準です。
スランプ値が大きいと流動性が高いコンクリートということです。
スランプ値は単位水量と相関があり、流動性が高いと作業はしやすいが、「材料分離が生じやすくなる」「乾燥収縮量が増加する」 といったことを招きやすくなるので、スランプ値はできるだけ小さい値を使用します。
スランプ試験の許容値について解説しました。
・スランプの規格値は「設計のスランプ値」を元に決まるので、一律2.5cmではない
・土木の場合はスランプ値が「2.5cmで±1cm、5および6で±1.5cm、8から18で±2.5cm、21以上で±1cm」
・建築の場合はスランプ値が「8未満で±1.5cm、8から18で±2.5cm、18を超えるときは±1cm」
スランプ試験の許容値が一律2.5cm ではないことが理解できたと思います。
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