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ぜねた
元ゼネコンマン/1級土木施工管理技士
元準大手ゼネコン勤務の土木技術者。
一級土木施工管理技士。
ゼネコン時代は安全を第一に
現場を走り回ってました。
現場で学んだ知識や土木に関する知識を
発信しています。
技術士の資格取得を目指して現在勉強中。
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事
土木施工管理技士に関するプレミアム記事を公開中>今すぐプレミアム記事を読む

【テンプレあり】土木施工管理技士試験における経験記述講座【完全攻略】

記事内には商品のプロモーションを含む場合があります。

※閲覧注意
本記事は「経験記述」について、
まさに”講座”といえるくらい21,000字超えの大ボリュームで解説しました。
最後まで読むのに、20分はかかるので、本気で合格したい人以外は閲覧禁止です
(この記事は30時間以上かけて本気で書きました)

ブクマして何度もこの記事を読み返せる状態にしておくことを推奨します

今回の記事は、こんな悩みを持つ人のために書いています。

・経験記述をどうやって書いていったらいいかわからない・・・
・書いてみたけど、 すぐに手が止まってしまう・・・
・準備できたけど、このままでいいか不安・・・
・昨年、準備して試験に臨んだけど、合格できなかった・・・

こんな方にピッタリの記事です。

施工経験の記述って、施工管理技士にふさわしい経験を備えた人物かどうかを判断してもらう問題ですが、最大のポイントは「採点者は文章で判断する」ということです。

今まで工事を仕事にしてきた人からすると、自分の経験を文章にして人に伝えるって、あまり経験する機会がなかったと思います。私は試験を受けるまで、もちろんそんな経験はありませんでした。

毎日、 現場に出ずっぱりで、夜は書類作成や施工の段取りといった業務に追われていましたね。
なので、正直、経験記述が書けないってある意味、当然のことなんです。だって、文章にして工事の経験を伝える機会がなかったのだから。

書けないことが「恥ずかしい」わけでも、「能力がない」わけでも、「工事に対する経験が薄い」わけでも、なんでもありません。むしろ、試験に対して真剣に取り組んでいるからこそ、この記事にたどりついたと言えます。

(私の周りで落ち続けた同僚は、いっさい準備なんかしていませんでした・・・)

なので、安心してください。

この記事では、土木施工管理技士の技術検定試験において、もっとも力をいれるべき施工経験の記述問題について、試験の概要や問題に対する考え方、そして具体的な書き方といった必要な情報をすべてまとめました。

ぜねた

今回の記事は、自分でいうのもなんですがマジで凄いです

今回の記事は、

・文章の語尾は 「〜だ、〜である」にする
・技術的課題は2つ以下の絞る
・「暑中コンクリート打設時、練り混ぜ~打設完了まで 1.5時間以内に収まるように打設した」といった教科書的な回答はNG
・「現場出入口の歩行者が危険なので、誘導員をつけた」といった技術的な対策と言えない回答はNG
・一人だけで試験対策は完結できない
・令和6年度から設問が変わる可能性がある

これらの知識を一つでも知らなかった人は、 最後まで読むべき価値のある内容です。

読み飛ばしをせずに最後まで読んでいただければ、あなたの血肉になり、確実に技術者としてレベルアップできる内容になっています。

1級土木施工管理技士の試験に合格して”一人前の技術者の証”を手に入れてください。

それでは参ります。

執筆者
ぜねた

『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者

執筆者
ぜねた

『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版

目次

注意事項

施工管理技士の試験問題について、令和6年度以降の試験問題の見直しが国土交通省から発表されていることに伴い、(一財) 全国建設研修センターから 『令和6年度以降の土木施工管理技術検定試験問題の見直しについて』というタイトルで、以下のとおり発表されています。

第二次検定

受検者の経験に基づく解答を求める設問に関し、自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、 1級と2級の第2次検定においては幅広い観点から経験を確認する設問として見直しを行う。

発表のとおり、今年度は出題される内容が変わる予定です。

内容について、詳細は明らかになっておりませんが、出題形式及び、 出題内容が変更されて問われる内容がより具体的な問題になるかもしれません。

そのため、本記事で解説している経験記述の対策は、令和6年度より前の準備が中心であり、むしろ最低限のレベルだと思ってください。
(逆にこのレベルを理解できてないとヤバイです…)

実際にテンプレを書き換えて覚えるだけでは、試験に合格できない可能性が非常に高いのが令和6年度の試験です。
そのため、本記事では書き方のテンプレを公開するだけではなく、自分の経験をどのようにまとめていくのかという“考え方”を理解してもらうために解説しています。

なぜかというと、もし試験当日に問題に変更があったとしても、自分の経験をまとめていれば、十分に対応できると考えているから。

ぜひ、最後までこの記事を読んで、小手先の試験対策ではなく、本質を捉えた対策をしっかりと取りましょう。

「経験記述」 を含めて、「第二次検定試験」 は、 どれだけ事前に準備をして、 自分の言葉で書けるかが合格のポイントです。

土木施工管理技士の第二次検定

最初に土木施工管理技士の試験における第二次検定(旧実地試験)について解説します。
土木施工管理技士の試験は令和3年度の制度変更に伴い、学科試験から第二次検定に名称が変更となりました。

旧:学科試験→新:第二次検定

※そのため、本記事では第二次検定で表記を統一して解説しています

土木施工管理技士試験における第二次検定の特徴は、第一次検定の選択問題とは異なり、すべての問題が記述式であるということ。

第二次検定は出題形式2つに分かれています。

出題形式

・自身の施工経験を記述する問題
・穴埋め等の記述式問題

問題は以下のとおりです。

第二次検定

問題問題の種類
問題1施工経験の記述必須問題
問題2穴埋め問題必須問題
問題3説明記述必須問題
問題4穴埋め問題選択問題(1)
問題5穴埋め問題選択問題(1)
問題6穴埋め問題選択問題(1)
問題7穴埋め問題選択問題(1)
問題8説明記述選択問題(2)
問題9説明記述選択問題(2)
問題10説明記述選択問題(2)
問題11説明記述選択問題(2)

実際に出題された問題を交えて、それぞれ詳しく解説します。

施工経験の記述

土木施工管理技士の試験における第二次検定では、今までに経験した自身の施工管理についての問題が出題されます。
これが経験記述と呼ばれる問題です。

言葉で解説するよりも実際の問題を見ていただければ、理解が深まると思いますので、まずは問題を見てください。
例年、以下の問題が出題されています。

令和5年度 1級土木施工管理技士 第二次検定 過去問

今まで経験した工事の概要を説明し、その工事でどのような課題があり、どのような検討をして、どのような管理をして結果はどうなのか記載します。

土木施工管理技士の試験において、この「経験記述」問題が鬼門であり、合格するためには避けては通れない問題です。

その理由を解説する前に、先に経験記述以外の問題について解説します。

経験記述以外の問題

第二次検定では経験記述以外の問題については、以下のような問題が出題されます。

穴埋め問題

説明記述

第二次検定の合格率と経験記述が大事な理由

第二次検定の問題がどのような形式なのかわかったところで、次に第二次検定の合格率と、経験記述が大事な理由を解説します。

第二次検定の試験に対する理解を深めて、 試験の対策の精度を上げていきましょう。

経験記述の対策が大事な理由

第二次検定対策ということで対策を解説していきますが、そもそも「なぜ経験記述問題について力を入れて解説するのか?」そんな疑問を持っている方もいるかもしれません。

経験記述の問題をまだ勉強していない方に向けて、まずは基本的な部分から解説します。
経験記述問題について詳しく解説する理由は、経験記述の回答内容によって、それ以外の問題を見てもらえないから。

ぜねた

経験記述の出来栄え次第で、足切りがあるということです

実際の試験問題では以下のとおり、記載されています。

問題1で

①設問1の回答が無記載又は記入漏れがある場合、

②設問2の回答が無記載又は設問で求められている内容以外の記述の場合、 どちらの場合にも問題2以降は採点の対象となりません。

令和5年度 1級土木施工管理技士試験問題

経験記述作文が合格基準に達していないと、その他の問題ができていても関係なく不合格です。

そのため、経験記述の対策が、第二次検定対策の中でも非常にウェイトが大きい理由になります。

第二次検定の合格率

次に実際の合格率について解説します。

一級土木施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定で合格率が全然違います。
第二次検定の合格率は以下のとおりです。

スクロールできます
年度第二次検定(旧 実地試験)
令和5年度33.2%
令和4年度28.7%
令和3年度36.6%
令和2年度31.0%
令和元年度45.3%

平均で35.0%となっています。
現在の問題になった令和3年~令和5年に限ると32.8%です。

それに対して、第一次検定の合格率は以下のとおり。

年度第二次検定(旧 実地試験)
令和5年度49.5%
令和4年度54.6%
令和3年度60.6%
令和2年度60.1%
令和元年度54.7%

平均すると55.9%で、現行の制度に代わってからは 54.9%です。
第二次検定の合格率は第一次検定の合格率に対して、約6割の合格率となっています。

なぜ、第一次検定に比べて第二次検定の合格率が低いのかというと、理由は以下の2つです。

第二次検定の合格率が低い理由

・作文形式の問題がある
・4択ではなくすべて記述式

この2つの要因が、第二次検定の難易度を上げている理由であり、同時に土木施工管理技士の試験全体の難易度を上げている大きな理由です。

先に実際の問題を見て頂いたのでわかると思いますが、第二次検定は実力を問われる問題となっています。
特に経験記述は、事前の準備をせずに当日考えた文章では合格基準に達することはなかなか難しいです。

そのため、事前の対策が必要不可欠です。

 経験記述問題の傾向

まずは、 実際の設問を見てください。

経験した工事について、留意した管理項目が問われる問題ですが、毎年、設問と解答事項は、ほとんど同じです。
唯一違う部分が、「特に留意した〇〇管理」といった部分になります。

この項目は明確な傾向があり、事前の対策ができるのが経験記述の問題です。

ですが、令和6年度以降は今までの対策では、不十分となる可能性があります。

最初にお伝えしたとおり、試験問題が変更される可能性があることが公表されていますし、実際にどんな問題が出るのか当日までわかりません。

ですが、まずは過去の傾向に従い文章を考えましょう。

なぜかというと、本記事で解説する経験記述の対策というのは「自分の施工経験を文章で説明する」という考え方を学ぶことができるから。
この記事通りに進めていけば、例年通りの経験記述対策を行う過程で、「自分の言葉で施工の経験を解説する」という基本的な“考え方”が学べます。

なので、まずは例年通りの解答を考えて準備を進めれば、その過程が十分な対策になります。

過去の問題と出題傾向

1級2級の場合に分けて、表にしてまとめました。2級の場合は以下のとおりです。

スクロールできます
年度管理項目
令和5年度「工程管理」「安全管理」
令和4年度「工程管理」「品質管理」
令和3年度「安全管理」「品質管理」
令和2年度「安全管理」「工程管理」
令和元年度「品質管理」「工程管理」
平成30年度「品質管理」「暗然管理」

2級の場合は、管理項目が2つ出題されます。その中から1つ選んで回答する形式です。

1級の場合は以下のとおりです。

スクロールできます
年度管理項目
令和5年度安全管理
令和4年度安全管理
令和3年度品質管理
令和2年度品質管理
令和元年度品質管理
平成30年度品質管理
平成29年度安全管理
平成28年度安全管理
平成27年度品質管理
平成26年度安全管理

このように出題される管理項目というのは年によって異なりますが、出題される問題というのは、明確な傾向があります。
そのため、事前に準備をしっかりとすることで、試験の対策は十分可能です。

令和6年度に出題が予想される管理項目

過去の傾向から予想をしますと、2級は「品質管理」「安全管理」で、1級は「品質管理」か「安全管理」が出題される可能性が高いと言えます。

最低限の準備としてはこの2つに加えて、「工程」の3つを準備しましょう。

「品質」「安全」「工程」の3種類は準備が必要

私も1級を受ける際には、この3つは添削を受けて何度も書いて完璧に書けるように準備していました。

さらに、心配性な人は「施工計画」「環境」についても準備しておくことをおすすめします。

経験記述を書く方法

いよいよ本題に入っていきます。
今までは、「試験の概要」や「準備すべきこと」など、 経験記述を書くのにあたって前提となる知識といった部分でした。
これまでの知識を踏まえて、 経験記述を書くまでの大まかな流れ (全体像) を解説します。

験記述を書く際の注意点ですが、まず「いきなり文章を書いてはいけない」ということ。

文章をいきなり書いても、良い文章を書ける人もいるので、それが間違いだとは言えません。
ですが、最短最速で合格基準に達したいと思うのであれば間違いです。

経験記述において合格基準に達する文章を書くには、「読んで学ぶ」「書いてみる」「添削を受ける」の3つの順番で執筆を進めていきましょう。

経験記述を書く3STEP

・読んで学ぶ
・実際に書く
・添削を受ける

それぞれ、 詳しく解説していきます。

読んで学ぶ

まずは、 合格基準に達する経験記述の作文を何個も読みましょう。

目的: 合格できる基準を学ぶ

なぜかというと、0から文章を考えると合格基準に達するクオリティに至るまでに、多くの時間がかかってしまうから。
なので、他の人の文章を読まずに文章を0から考えるのは絶対にやめてください。

まずは、合格基準に達している文章を読むことで、「ここまで書けば合格できるのか」と基準ができます。
手間に感じるかもしれませんが、これが短時間で結果を出す秘訣です。

ちなみに、[【例文アリ】一級土木施工管理技士の経験記述!実地試験の解答例3種類] の記事では、 実際に私が作成した経験記述の例文を3つ紹介しています。

ぜねた

ある1月で7,000 名以上が参考にした大人気の記事です

✅品質、安全、工程の例文を解説

関連記事 【例文アリ】一級土木施工管理技士の経験記述!実地試験の解答例3種類

また、私の公式LINE限定で経験記述の例文をさらに5つ紹介しています。

今は公式 LINE限定で公開していますが、 情報が流出してコピペで回答する人が出てくるなどの問題が生じた場合は、すぐに非公開にする予定です。
なので、気になる方はお早めに登録しておくことをおすすめします。

実際に書いてみる

他の例文となる文章を読んでみて、文章の流れや、どこまで書かなくちゃいけないのかといった基準が分かったら、実際に文書を書いてみましょう。

さらに、詳しい書き方などは後ほど解説しますが、実際に書くうえで気をつけるポイントをまとめました。

項目記入のポイント
現場の状況と留意した課題・工事の概要
(工事の全体像はどんなプロジェクトなのか、何を造るのか、現場の状況、施工方法)
・その工事がかかえる技術上の問題点
 (例:安全「開通している高速道路のすぐ横で作業を行う現場」品質「盛土材の粒径が不ぞろいである」など)

・問題点から考えられる技術的課題
 (安全「開通している道路に影響をおよぼさないように、第三者災害を防ぐことが課題」、品質「不揃いな盛土材を使って締め固め度を確保することが課題」)
※テーマに沿った課題を書くこと
検討した項目・課題解決のために考えたこと
 検討項目、検討理由、検討内容を含めて記載する
 検討案を具体的に書く
※実施したことではない
対応処理・検討した内容に対する対応処置
 どのように現場で実施したのか
 どのような点に留意したのか
・結果
 実施した結果、課題を解決できたかどうか

「こんな内容を書くんだ」くらいの認識でいいので、まずは頭の片隅でもいいので入れておいてください。

添削してもらう

経験記述が書けたと思っても、最後にもう一つだけ大事な工程があります。それは、その文章を第三者に見てもらうということ。「添削を受ける」 という工程をかならず飛ばさないでください。

ぜねた

私の周りで試験に合格した人は、100%経験記述の添削を受けています

なぜか?
その理由は簡単です。

経験記述の文章が良いか悪いか判断をするのは、書いた本人ではなく第三者だから。
書いた文章が伝わらなければ元もこうもありません。
自分では 「完璧だー」 と満足している文章でも、別の人が見ると正しく伝わらない場合もあります。

他の人に文章を見てもらうことにより、客観的な意見をもらえるので、文章をブラッシュアップすることができます。
合格するためには、必ず添削を受けましょう。

では、どんな人に見てもらえばいいの?

添削を依頼すべき人

・プロの添削サービス
・会社の先輩・上司
・職場の同僚

優先順位として、まずは企業などが実施している添削サービスが一番おすすめです。

なぜかというと、 実際にお金をいただいて成り立っているプロの方の意見だから。
合格できる経験記述に対するノウハウを一番持っている人たちです。

ぜねた

実際に、私も当時勤めていた会社が用意してくれた添削サービスを受けました

デメリットとしては、お金がかかるということと、サービスが売り切れてしまう可能性があるということです。

次におすすめなのが、すでに資格を持っている会社の先輩や上司等です。
「お金をかけたくないな」とか、「直前過ぎて企業に頼めない」なんて方はピッタリかなと。
気軽に頼みやすい方がいるのであれば、添削をお願いしてみてはいかがでしょうか?

デメリットとしては、合格基準に達するか保証ができないということです。
いくら会社の先輩や上司が資格を持っていたとしても、実力が高いとしても、土木施工管理技士試験における添削のプロではありません。
実際、毎年何百、何千と添削を行っている方に比べると劣ってしまいます。

最後に会社の同僚です
同じ試験を受ける者同士でお互いに添削しあいましょう。
実際に添削することで、自分の文章に対する見方が変わるので、実力もつくのでおすすめです。

ただ、こちらも会社の先輩等と同じで必ずしも合格の基準に達する保証はありません。

経験記述の例文

次に、実際の例文について紹介します。

内容は1級土木の第二次検定において近年出題されている 「安全管理」「品質管理」 です。
今後、経験記述を書く際の参考にしてください。

※コピペで試験に臨むは厳禁です

安全管理

(1) 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
本工事は、 ○○県○○市の山岳部において○○高速道路を構築する新設改良工事であった。工事延長 550mにわたり、法面の段数は最大5段 橋台の裏込め盛土 5,000㎡などを施工するものであった。 掘削土量は33,000㎡であり、大型ダンプによる場外搬出を計画していた。大型ダンプによる土砂の搬出は、山岳部に構築した仮設の工事用道路を通行し、縦断勾配は最大9%で最小幅員は 3.0m、 一部は覆工板で構築されていた。 その雨天時や、冬季の朝には覆工板が滑りやすくなるので、車がスリップする可能性があった。 このため、安全なダンプの運行を確保することが安全管理上の課題であった。

(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
土砂運搬によるダンプの安全な運行のため、以下の項目を安全性の観点から検討した。
①工事用道路における接触事故の防止
仮説の工事用道路は幅員 3.0mの区間が100mにわたり、大型ダンプの車両幅2.5mであることから、離合が困難であった。
工事用道路については、ダンプ以外の工事用車両が運行するため、接触事故を防ぐための処置を検討した
②覆工板へのスリップ防止対策
急こう配の坂道によるスリップ事故の防止として、滑りにするための措置を検討
③工事用道路の点検
山岳部の仮設の工事用道路であるため、道路に陥没などの異常が生じた際のダンプの事故を防ぐため、工事用道路の点検方法や頻度について検討
④ ヒューマンエラーの防止
ダンプの運転手に対して、 安全運転の教育による安全意識向上の検討

(3) 上記検討の結果、 現場で実施した対応処置とその評価
検討した結果、以下の対策を実施した。
① 工事用道路における接触事故の防止
幅員 3.0m の区間の前後に仮設の信号を設置したことで、 3.0m 幅員の箇所による離合が生じることなく、 事故0でダンプの運行が終了できた。
②坂道のスリップ対策
急こう配の箇所に9mmの丸鋼を1m間隔で覆工板に溶接した。 その結果、 雨天時、冬季においてもスリップ事故は0であった。
③路肩の点検
作業開始前、 作業主任者による工事用道路の点検を実施した結果、 道路に対する異常を早期に発見できた。
④ ダンプ運転手の安全意識の向上
ダンプ運転手に対して、 新規入場者教育時にハザードマップによる危険箇所の周知と、月1回の安全教育に追加してダンプ運転手だけの安全運転に関する教育を月1回実施。 ヒューマンエラーによる事故は0であった。
以上の対策により、工事は事故なく無事にしゅん工した。 これらの施策は、安全管理上有効であったと評価できる。

品質管理

(1) 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
本工事は、○県○市において、県道○号線の橋梁の下部工として、高さ14m、幅15mの逆T式橋台2基を施工する工事であった。この橋台の躯体は厚みが1.5mと厚いことに加えて、幅が15mと広い構造であることから、橋台のコンクリート打設においては、マスコンクリートとしての温度ひび割れを防止などのコンクリートにおける品質確保が技術的課題であった。

(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
フーチングのコンクリートに対して、後から打設する躯体のコンクリートが収縮する際に外部拘束されることで温度ひび割れが生じてしまうことが考えられた。この理由から、マスコンクリートの温度ひび割れを防止するため、温度応力解析を行い以下の項目を検討した
① コンクリート内部の最高温度・発生する応力・ ひずみ
② リフト当たりの打設高さ
③パイプクリーリングによる温度上昇の抑制
④ 脱枠日及び養生日数

(3) 上記検討の結果、 現場で実施した対応処置とその評価
マスコンクリートにおける温度ひび割れを防止するため、検討した結果から、 以下の対応処置を実施した。
① 温度応力の解析結果を踏まえた、打設の計画の策定
② 躯体1リフトの打設高さを3m
③ 躯体内部にパイプを設置し、打設完了後から5日間通水させ、躯体の内部温度を下げる
④ 脱枠日を標準より2日長くし、脱枠後は材令28日まで保水養生シートを設置し、湿潤状態を保つ
その結果、躯体表面にひび割れが生じない高品質の橋台を構築できた。課題に対して、有効な対応処置であったと評価できる。

経験記述を書くうえで大事なポイント

次に経験記述を書く際に大事なポイントを紹介します。

これだけは、欠かせないポイントなので必ず頭に入れてください。
大事なポイントは以下の3つです。

経験記述を書く際のポイント

・最低限の文字数を満たす
・丁寧に書く
・語尾を 「だ」 「である」 で統一する

それぞれ詳しく解説します。

文字数を満たす

試験の問題を見てください。
コチラは令和5年度における1級の解答用紙です。

(試験問題のスクショ)

解答用紙はこのようになっていて、「○文字以上で解答せよ」というような明確な指示はありません。
とはいえ、合格に達する論文には、ある程度の基準があります。

よく言われる内容としては、

・8割以上の文章量
・1行の文字数は20~25文字程度

が目安です。

なので、設問2の(1)は、160文字、(2)は220 文字、(3)は220 文字が目安の文字数です。
※箇条書きする場合は、もう少し少なくなる

ぜねた

最低限、これくらいの文字数は書きましょう

丁寧に書く

第二次検定と第一次検定の大きな違いに、採点者が 「人」 なのか 「機械」なのかという点です。第二次検定は問題が記述式であり機械では採点できません。

そのため、第二次検定の採点は「人」 が実際に文章を読んで行います。

問題の性質上、どうしても人が判断しなくてはなりません。
なので、、採点者が読んでわかる文章や文字である必要があります。

とはいえ、
「私は字が汚いから・・・」と思った方がいらっしゃるかもしれません。

でも、安心してください。

字が汚いからダメ。 というわけではなく、丁寧に書けば OK です。
もちろん、キレイな文字が書けるほうがいいに越したことはありません。
ですが、 実際に字が汚ない人でも、丁寧に書くことはできます。

採点者としては 「綺麗」 や 「汚い」といった側面も重要ではあるかもしれませんが、もっと大事なのは 「丁寧か」 「丁寧でないか」です。

あなたが採点する立場だったとして、書きなぐられた文章は「読む気がおきない」というのは誰でもわかると思います。

ぜねた

当日は焦るかもしれませんが、試験の解答は丁寧に字を書きましょう

極端な例ですが、「内容は良さそうなのに、ちゃんと読めないから不合格にしよう」なんてそんな風に判断されたら、悲しすぎますよね。

採点者も同じ人です。
経験記述は採点者に読んでいただくという認識を忘れないようにしましょう。

語尾は「だ」 「である」 で統一する

経験記述を書く際には、「です」「ます」 調の表現を使わないのが一般的な記述の仕方です。

合格するためには、文章の細部までこだわりましょう。

私も「~だ。」 「~である。」といった口調で作文を記載し、合格できましたし、ほとんどの参考書でも、「である」 「だ」 を使用した例文が用いられています。
何かよほどのこだわりがある方以外は、「~である」「~だ」を使用しましょう。

改善前: 本工事は〜〜という工事です。
改善後 : 本工事は〜〜という工事である。

語尾は、統一して「~である」「~だ」で記述しましょう。

経験記述における記載例(テンプレ)

令和5年度以前(例年通り)の設問に対する解答として、テンプレを準備しました。
この流れに従って解答を準備してもらえれば、大きく間違えることはないと思います。

ですが、何度も解説していますが、令和6年度から試験問題が変わる可能性が発表されているので、ここで紹介する記載例はあくまで最低限の準備と思ってください。

このテンプレに従って解答を考えることで、試験に対する考え方を学ぶことができます。

ぜねた

試験問題が変わる可能性がありますが、このテンプレに従って準備をしてください

まずは設問1について解説し、 次に設問2について、順番に解説していきます。

設問1 (1) 工事名

工事件名は正式名称で書きましょう。
架空の工事であるとか、 本当に経験した工事なのか疑わしくなるような記述は避けるべきです。

NG例

道路工事、舗装工事、 トンネル工事 、 河川工事

正式名称で書かないと、具体性がなく信頼性が薄くなります。

OK例

国道〇号線道路改良工事、○○市道第○号線道路補修工事、国道〇号線 ○○トンネル工事、○○高速道路 〇〇川橋上部工事

土木の工事であるかどうかが、工事件名を書く際の一番の注意点です。

土木施工管理技士の試験なので、建築の工事などととらえかねない現場は極力避けましょう。

注意:土木工事と認められる現場の経験を書くこと

試験の願書を書く際に、「受検の手引き」に土木工事管理に関する実務経験として認められる工事に記載してある工事を書いてください。

設問1 (2) 工事の内容

(1) と同様に正確に記載しましょう。

自分が経験した工事であるということをアピールする場です。
説得力を増すためにも、数字などを交えてできるだけ具体的に記載していきます。

①発注者名

発注者名を正式名称で記載します。

自分の会社が下請けの場合は、自分の会社に依頼する建設会社の名称の記載となるので注意してください。
発注者の方であれば、自分が所属する団体名や会社名を記載します。

記載例

○○市、○○県庁、国土交通省 ○○地方整備局、○日本高速道路株式会社、○○建設株式会社

② 工事場所

番地まで正確に住所を記載します。
番地まで正確に記載することで、採点者は騒音・振動規制の対象範囲かどうかわかります。

記載例

○県○市○○丁目○番○番先

③工期

工事の日数ではなく、工事の期間を記載します。
和暦でも、西暦でも大丈夫ですが、日付まで記載しましょう。

NG 例

〇年〇月〇年〇月

OK例

令和○年○月○日~令和〇年〇月〇日

④主な工種

大表的な工種を数量入れて記載しましょう。
注意点としては、このあと記載する 〔設問2〕 に関する内容は必ず記載してください。

記載例

路盤工、舗装工 のり面工、 掘削工、コンクリート工、用排水工

⑤ 施工量

代表的な工種を記載します

記載例

掘削土量O㎡、盛土量O㎡、上層路盤工 (t=150)◯㎡、切削工 (t=5cm)〇m、 植生基材吹付工 (t=3cm) O㎡、深礎杭工 (Φ2000、H=15m) 2箇所、 逆T形擁壁工(H=3.0m) 10.0m、L形側溝工〇m、 ボックスカルバート (Om×0mxOm)

設問1(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場

その工事におけるあなたの立場を記載してくだい。

なお、会社の役職を記載する必要はありません。

記載例

現場監督、現場代理人、監理技術者、監理技術者補佐、主任技術者、発注者側監督員

注意: 管理している立場であることに注意

作業員や重機オペレーターなどの記載はNGです。

設問2 (1)具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

まずは、現場がかかえる課題について記載していきます。

〔設問1)で記載した内容を踏まえて、工事概要についてまとめ、その後現場特有の条件により生じている課題を記載します。

テンプレ

本工事は、「施工場所」における、「代表的な工種と数量」 の 「事業概要を踏まえた工事内容」工事である。
「課題の原因となる現場の条件) (立地、 地形、 気候、季節・・・等)
(2~3行)
「一番の課題」を防止し、「テーマに沿った内容」 (安全管理上、品質を確保するため等)、以下の項目が技術的課題となった。

具体的な現場状況と特に留意した技術的課題

記述例

本工事は県道○号線における、切土量O㎡、盛土量Om、L型擁壁工 (H=3.5m) L=28.0mの道路改良工事である。 現場打ちコンクリートによるL型擁壁工の施工時期が冬季に計画されているため、 コンクリート打設の際に、 気温が4℃以下になることが予想されていた。
そのため、L型擁壁の施工にあたり、寒中コンクリートとして、初期凍害の防止と強度の確保が品質管理上の技術的な課題であった。

最初の2~3行で、工事概要をまとめます。
メインの工事数量と、技術的課題に関係する工種も必ず記載が必要です。

次に現場固有の条件を記載します。
こちらも、技術的な課題に繋がるものを選んでください。

今回の記述例でいうと、L型擁壁工の施工時期が冬季になるということです。

ぜねた

その後に記述する検討事項や、対策を踏まえた記述が必要です

最後に、現場の条件が原因で発生する技術的な課題を記載します。

空欄が多すぎると、減点の対象となる可能性があります。
文字数を増やすなら、技術的課題に繋がる工事の状況をわかりやすく詳しく具体的に記述しましょう。

ちなみに、今回の記述例は文字数は176 字です。

ここで、 やりがちな間違いが、「検討したこと」 や 「対応処置」 について記載してしまうこと。

ここでは「検討したこと」や「実施したこと」を記入しない

検討したことや、実施したことはこの後に記述するので、絶対に記述してはいけません。

技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容

ここでは、上述した課題に対して、課題を解決するために必要なことを記載していきます。

テンプレ

「課題と起因する条件」において、 「テーマに沿った管理項目」 を達成するため、以下の検討を行った。
①「不具合が発生する理由」のため○○○を検討した
②「不具合が発生する理由」のため○○○を検討した
③「不具合が発生する理由」のため○○○を検討した

主な検討項目の例

施工計画、材料の種類、養生方法、検査・試験の頻度、施工機械、工程、点検方法

記述例

昨年度の外気温のデータから、氷点下になることが予想された。
冬季の施工において、コンクリートで所定の品質を確保するため、以下の検討を行った。
① 打設直後において、初期強度の発現を促せるようなセメントの種類を検討
② 初期凍害だけでなく、長期的な耐凍害性を高めるため、適切な混和剤の選定の検討
③ コンクリートの凍結を防ぐため保温性の高い型枠材の検討
④ 保温養生だけではコンクリート表面の温度が4℃以下になる初期凍害が懸念されるため、給熱養生の検討

ちなみに、検討事項が浮かばない場合は、次の(3)の内容から先に考えていくという方法もアリです。

実施した内容が整理できると、そのために何の検討が必要なのかを考えた方のか思い出せる場合があるので。

上記検討の結果、現場で実施した対処処置とその評価

ここでは 〔設問2〕 (1) であげた課題を解決するために、 事前に検討した内容を踏まえて、実施した結果どうなったのかを記入します。

テンプレ

対応処置として、以下の内容を実施した。

①実施した内容を数値入りで具体的に記述
②実施した内容を数値入りで具体的に記述
③実施した内容を数値入りで具体的に記述

以上の項目を検討して実施した結果、「望む結果」となった。

このような「対応処置」は、「技術的課題を解決し、テーマとなる管理を達成できる」と評価できる

記述例

対応処置として、以下の内容を実施した。
① 初期の水和反応を促進させるため、セメントの種類をBBから普通へ変更
②混和剤は高性能AE減水剤を使用し、 空気量を 4.5%から 5.5% へ変更
③ 型枠を鋼製型枠から熱伝導率が低く、保温性が高い木製の型枠へ変更
④ 打設足場を養生シートで囲い、コンクリート表面の温度を保つためにジェットヒーターによる給熱養生を実施

以上の項目を検討して実施した結果、所定の品質を確保できた。
このような使用材料の変更や、給熱養生を行うことで寒中コンクリートの品質確保に有効な方策であった評価できる。

望む結果は、品質管理の場合ですと、「所定の品質を確保することができた」が無難です。

安全管理の場合は、「安全に工事は完了し、無事にしゅん工した」のように対応処置をおこなったことと記載し、
最後に評価を記載し、記述を締めくくります。

【重要】 経験記述に書くべき対応処置の具体例

「安全管理」「品質管理」「工程管理」において項目別にポイントをまとめました。

「安全」「品質」などそれぞれの項目ごとに書きやすい内容というものがあるので、多くの現場で生じうるような内容について、 留意事項を解説します。

令和6年度における試験対策でこの章が非常に重要な理由

この章は特に力をいれて読み飛ばさずに読んでください。

なぜなら、令和6年度以降は経験記述に書くべき対応処置については、自分の経験にした内容であることを示すために具体的に書く必要がある可能性が高いから。

今までは試験問題に明確な傾向があり、ネットや書籍で公開されている対策文章を覚えるだけでもそれなりの対策になりました。

しかし、令和6年度は今までと同じようにはいきません。
「幅広い観点から経験を確認する設問に変わる」ことが公表されているので、自分自身の経験を深掘りして頭の中で整理しておく必要があります。

そのため、自分の経験をより具体的に書き出して準備しておくことが大切です。

ちなみに、 具体性を出すポイントは“数字”をいれること

品質管理であれば、所定の締固め度 93%を達成できた。
コンクリートの養生温度を8℃以上に保つことができた。

というように数字を入れることで、具体性が増します。

なので、この章で紹介している対応処置を参考にしていただき、同じような対策をとった現場はあるかどうかを確認してください。
自分の過去の経験を棚卸して、具体的な数字を示すことができるように準備しておきましょう。

安全管理

安全管理の作文を考えるべきことを解説します。
自分の経験にあてはめやすいものを選んでください。

まずは、現場で発生しうる労働災害及び第三者災害について、どのようなものが考えられるかリストアップし、その対策を書き出していきましょう。

発生する可能性が高い災害の例

・高所から転落・つい落
・足場の倒壊
・クレーンの転倒
・重機との接触はさまれ

第三者災害

・熱中症
・資機材の飛来落下

このような観点から現場の状況を考えていくと、書くことが思い浮かんでくると思います。

発生しうる災害を考えた後に、現場特有の技術的な課題を書き出していきます。

具体例

スクロールできます
発生しうる災害現場毎の技術的課題
高所から転落・つい落高さ30mの橋梁上下部工事の現場であり、足場からの転落及びつい落事故防止が技術的な課題であった
足場の倒壊山岳部の風が強い調整池設置工事であり、高さ10mの足場を設置し台風時期での施工となるため、
足場の倒壊対策が技術的な課題であった
クレーンの倒壊県道○号線においてBOX カルバートを設置する新設改良工事であり、
最大 9.9t の重量物を設置するうえで、クレーンの転倒防止が技術的な課題であった
重機との接触・挟まれ切土量◯万㎡の大規模な土工事であり、重機及びダンプと、手元作業員との混在作業となるため、
重機との接触事故防止が技術上の課題であった
第三者災害幅員6m 延長 300mの道路補修工事であり、人通りが多い駅前における市街地の工事であるため、
搬入車両や重機と一般車両及び歩行者との接触事故防止が技術的課題であった
熱中症高さ10mコンクリート量 750mの橋台2基を構築する橋梁下部工工事であり、
夏季におけるコンクリート打設工事で連続作業を伴うため、 熱中症の防止が技術的な課題であった
資機材の飛来落下供用済みの県道○号上に幅員10mの鋼橋を設置する工事であり、
供用済みの県道に対して資機材の飛散及び落下の防止が技術的な課題であった

次に技術的な課題に対して、検討項目と対応処置を考えます。

技術的な課題を解決するための検討項目と実施した対応処置

スクロールできます
検討項目
高所作業からのつい落・転落
資機材の飛来落下
・足場の組立・解体の作業手順書の策定と周知方法
・点検方法と実施頻度
・ブラケット足場上への親綱設置
・落下防止・飛散防止のネット
・5Sの推進
・作業手順書周知会の実施
・足場を使った作業前に元請けによる点検を実施し、記録する
・作業を想定される人数分親綱を張る
・始業前に開口部や危険が予想される箇所を確認するための巡視
・足場上でつまずき防止のために整理整頓
足場の倒壊・火打ちの実施
・壁つなぎの設置間隔を狭める
・風荷重の低減方法
・控えの設置位置と間隔
・足場最上段において隅部に火打ちを設け足場の補強
・壁つなぎの設置間隔を縦5m×横5.5m 以下の縦横3.6m間隔で設置
・強風・台風の予想時は、安全ネットを下げる
・水平方向3スパンごとに、高さ 3.6 の位置に単管で控えを設置
重機との接触・作業手順書の策定
・重機作業計画書の作成と周知方法
・立ち入り禁止措置
・作業計画書の作成と周知会の実施
・誘導員の選任
・通行時の合図 (グーパー運動)を定めて、 実施方法の周知
・作業前にカラーコーンとバーによる立ち入り禁止
第三者災害・第三者に対する工事の周知方法の検討
・歩行者通路の確保
・工事完了後の照度
・作業1か月前から工事の告知としてお知らせ看板の設置
・作業箇所の200m手前から、周知看板を設置
・単管バリケードによる歩行者通路 1.5mの設置
・夜間は発電機と併設した照明の設置

品質管理

品質管理は、その現場で行った具体的な品質管理手法について記述します。
土木の工事で比較的書きやすいのが、「土工」「コンクリート工」です。

まず、土工です。
大規模な土工事ではなくても開削による掘削等があれば、造成などの工事でも、土工の内容で書くことができます。

土工については、以下の事項が書きやすい課題です。

・盛土材料の粒度が悪い
・盛土材料が粘性土
・施工時期が雨期である
・地形上、水が溜まりやすい

土工事の例

主な技術的課題対応処置
盛土材の粒度が悪い   試験施工を行い、巻き出し厚や締固め機械の種類などの決定
盛土が粘性土で含水率が高い 消石灰による改良
施工時期が雨期 仕上がり面に排水勾配を設け、 ラフィカビリティを確保
地形上水が溜まりやすい 法面に流れないように仮排水管の設置

といった課題や対応処置が考えられます。

コンクリート工というと、数千万㎥のコンクリート構造物の打設経験などを想像してしまうかもしれませんが、そんな工事である必要はありません。

ダムや、橋梁といった大きな構造物だけでなく、現場打ちのボックスカルバート、重力式壁など、すべてコンクリート工で準備できます。

コンクリート工における課題は主にこの3つが書きやすい課題です。

・マスコンクリート
・暑中コンクリート
・寒中コンクリート

この3つの内容で自分の経験から書けることがないか振り返ってみてください。
具体例は以下の通りです。

コンクリート工事の例

スクロールできます
主な技術的な課題対応処置
マスコンクリートの温度ひび割れ対策セメントの種類、温度応力の解析、パイプクーリングの実施
暑中コンクリートの品質管理 混和剤、打設方法、養生方法
寒中コンクリートの品質管理セメントの種類、 混和剤、 養生方法

ほかにも、トンネル工事であれば、覆工コンクリートのひび割れ対策などもあります。

工程管理

工程管理というと、「工期に遅れた場合」を記述したくなりますが、それだけではありません。

以下の3つの場合で考えてみましょう。

・工期を守るために留意したこと
・(受注者の責ではなく) 工期が遅れた場合
・工期が遅れる可能性ができた場合

この3つの切り口であれば、どの現場でも比較的考えやすくなると思います。

さらに、具体的にそれぞれ解説していくと、以下のとおりです。

現場固有の条件例

・台風、大雨、降雪などの気象条件により、作業の遅れが発生 (可能性がある)
・想定外の地質・湧水が発生
・社旗情勢による材料不足が生じることによる材料搬入の遅延

基本的には工事の条件変更や、 自然災害の発生などによる原因をあげましょう。

次に対策ですが、以下の4つの観点でやったことを考えてみてください。

・施工量の増加
・工程表を用いて現状を把握する
・効率化
・創意工夫による短縮

施工量の増加は一番簡単な方法で、「パーティー数を増やす」「機械や作業員を増やす」といった対応です。

また、工事の遅延状況の把握は、「ネットワーク式工程表の作成により、各種工程の遅れがクリティカルパスへどれくらい影響するのか、工事全体への影響を調査し工程表を再度作成する」という対応があります。

効率化は、工事の状況に合わせて実際にやったことを書いていきましょう。
鉄筋の丘組み、継手の変更による作業待ちをなくすことによる作業の効率化や、仮置きスペースや作業ヤードを広くするために、他社のヤードを借りるといった事例が考えられます。

創意工夫は、ブレキャスト製品の利用といった方法があります。

書いた後のチェックポイント

施工経験の記述ができたからといって、そのまま試験に望むのはNGです。

ぜねた

自分でも読み直して、文章のクオリティが低くないか確認しましょう

事前にどれだけクオリティの高い文章を用意できるかどうかが大事なので、チェックポイントをクリアしているかどうか確認してください。

チェックポイント
・施工管理技士が書くのにふさわしい内容か?
・誤字・脱字はないか?
・1行の文字数は少なすぎず多すぎないか?
・口調は統一されているか?

施工管理技士が書くのにふさわしい内容か?

まず、最初にチェックすべきことは、文章の内容のクオリティです。

いくら文字数が基準を満たしていても、キレイな字で書いても、内容が伴っていなければ不合格になってしまいます。

まずは、現場でおこなった検討項目や対応処置が施工管理技士にふさわしい内容かどうかを確認しましょう。

NG例①:教科書的な回答
高品質なコンクリートを施工するために、
・バイブレータの挿入間隔は、50cm以下とした
・コンクリート打設時に打ち重ねの時間を運搬可能時間+30分以内とした
・バイブレータをゆっくりと引き抜いた
・材料分離が生じないように、ポンプ車筒先からの自由落下高さを1.5m以下とした

このように示方書とおり、教科書とおりの回答とならないように注意してください。

自分自身が体験した内容を記載しましょう。
自分が担当した工事で実際にやったことが一番真剣に記述できると思います。

ぜねた

参考書の記載例を丸写しするのではなく、自分の熱意を込めましょう。

誤字脱字はないか?

誤字・脱字には注意しましょう。
当て字のないように、専門用語には特に注意が必要です。

ぜねた

専門用語を使うのは大事ですが、難しい表現を使う必要はありません。

難しい言葉を使用する必要はなく、土木技術者として現場のかかえる課題にどのようなことを考えて、どのように対処したかを求められているのかということを意識してください。

難しい言葉を使うと、採点者に伝わらなく可能性がありますし、当日、思い出せなくなってしまうリスクもあります。

それよりは、「わかりやすい言葉で書いてあるかどうか」や、誤字・脱字がないかを注意しましょう。

1行の文字数は少なすぎず多すぎないか?

一度、俯瞰して全体の文章量についても客観視しましょう。

「空欄が多い」 「読みにくい」といった文章は減点に繋がる可能性があります。

1行の文字数は、20文字から25文字が標準的に読みやすい文字の大きさです。
空欄が目立つ場合は、文字の大きさを大きくするより、文章の加筆を検討してみてください。

口調は統一されているか

語尾は「である」調で統一されているか確認しましょう。

特に箇条書きを用いた場合は、意識が薄れガチになるので注意してください。

音読すると、違和感に気が付くことができるので、おすすめです。

経験記述を書く際によくある質問

経験記述に関してよくある質問をまとめました。

経験記述って丸写しでも大丈夫?

ネット上で「丸写しで合格できた」という人を見たことあります。 本当に合格できるのですか?

合格できるのかもしれませんが、おすすめはしません。

第二次検定の受験者数は、例年の平均だと 万人です。
採点者は、それだけの数の回答を読んで添削し、合否を判断しなければなりません。
さらに今では、例文はいたるところに出回っています。
ネットに出回っている模範解答や、参考書、資格取得スクールの教材といった文章を、
採点者が例文をすべてチェックしているとは考えにくいです。

そのため、世に出回る例文を丸写ししても合格できるかもしれません。

とはいえ、デメリットが大きいと言い切れます。

ぜねた

試験に合格しちゃえばこっちのものだと思うかもしれませんが、デメリットは一生付きまといます

実際、デメリットは以下のとおり。

・合格できない可能性もある
・自分で経験したことでないと文章を覚えにくい
・合格しても最悪、取消になる可能性がある

詳しい解説は、コチラの記事で解説しています。

しかも、最大の懸念点が、令和6年度から試験制度が変わり、設問が変わる可能性があること。

今までの試験問題の解答を準備しているだけでは、対策できない可能性が高いです。

経験記述の問題って1級と2級で違いはありますか

施工経験の記述問題で1級と2級ではなにか差がありますか?

出題される管理項目の数、と解答用紙の記述する行数が違います。

1級と2級の違いは、なんですか?

という質問ですが、形式上の違いは3つ。
「出題される管理項目の数」 「解答用紙の記述する行数」 「問われている内容」 が違います。

出題される管理項目

実際の問題をご覧ください。

1級の問題

2級の問題

この2つを見てわかる通り、 1級は特に留意した管理項目が指定されます。
2級は2つの内から1つを選ぶことができます。

解答用紙の記述する行数

2つめの違いが、解答用紙の行数です。

(1級)

(1)9行
(2)11行
(3)7行

(2級)

(1)7行
(2)11行
(3)7行

このように、回答する行数が違います。

この2点に加えて最後の1つが、一番大きな違いです。それは問題として問われている内容です。

問われる内容

1級2級
特に留意した○○管理現場で工夫した○○管理

形式上では“特に留意した ” と “現場で工夫した“という言葉が違います。

言葉が違うことによって何が違うのかというと、本質的に問われているのは、現場でやってきたことの“質”です。

技術的な観点から1級の方が、2級より厳しい採点基準になっていることが考えられます。
採点基準というのは、公開されていないので正確にはわかりませんが、1級も2級も採点基準が同じであるとは考えにくいです。
なぜなら、同じ採点基準であることを示す根拠がないから。

とはいえ、1級と2級の採点基準が違うことを、現時点では明言できるだけの根拠がありません。

ぜねた

なので、1級と2級の採点基準の違いを示す根拠などがあれば、今後加筆していきますので、ブクマしてお待ちください

有料のサービスってどうなの?

世の中にはいろんなスクールや、通信講座があるけどぶっちゃけどうなの?

お金や時間に余裕がある人はスクールなどに通うのも可。 でも独学でも大丈夫です

以前、 X でこんなアンケートを取りました。

年齢などの条件がないので、いつ合格したのかはわかりませんが、ほとんどの人が独学で合格できたと言えます。
正直、独学でも合格できる人は合格できます。

私は会社が用意してくれた通信教育の教材を使い、経験記述は添削してもらいました。

でも、不安だったので、第一次検定の前に自腹で一日有料のセミナーに申し込みました。
正直、何が何でも合格したかったので・・・

お金や時間的に余裕がある人は、有料のサービスを検討してみてはいかがでしょうか?
コチラの記事では、通信講座について比較検討しているので、良かったら参考にしてください。

✅通信講座を徹底比較
関連記事 【全通信講座の比較あり】1級&2級土木施工管理技士を受験する方は通信講座がおすすめ!比較3選も紹介

経験記述の作文作成代行サービス

本記事を読んでくださった方の中には、「ここまで読んだけど、私には時間がないしムリです」って方もいると思います。

「誰か私の経験記述を考えてほしい」と思ったことがある人は、多いはず。

ぜねた

正直、私も思ったことがあります

そんな方には、「実務経験にあわせて、オリジナルの経験記述を作成してくれる」というサービスを展開している会社があります。

(株)ディーラーニングが運営している独学サポート事務局が提供するサービスです。
こちらの記事で詳しく解説しているので、「ここまで読んでもやっぱり無理かも」って方は申し込んでみてはいかがでしょうか?

自分の実務経験にあわせてプロが代わりに作文を作ってくれる経験記述作文作成サービスがあるのが、独学サポート事務局だけ!

作文を考える時間が要らなくなるので、その時間を勉強に充てることができる!
施工管理技士の国家資格は合格すれば市場価値が上がり、キャリアアップ・年収アップにつながる!

\ 開講19年で受講者 61,000名の老舗サービス /

土木施工管理技士試験の経験記述【完全攻略】

以上、 経験記述の書き方を具体的に解説しました。

経験記述【完全攻略】まとめ

・経験記述を書くための大きな流れは「まずは他の人の作文を読む」「実際に書く」「添削を受けるの3STEP」
・準備する項目は「安全」「品質」はマスト。 できれば 「工程」 「施工計画」 「環境」
・注意点は「8割は埋める」 「丁寧な字で」 「だ。である調」で書く
・記載する工事が「橋梁工事」 「河川護岸工事」 「舗装工事」 「ダム工事」 「トンネル工事」
といった土木の工事であるか注意
・安全管理に関する対応処置は
が書きやすい
・品質管理に関する対応処置は、土工の「水がたまらないように排水勾配の設置」
「谷になる部分については、仮排水の設置」 「高含水比粘性土の改良」 「試験施工の実施」 が書きやすい
コンクリート工の「マスコンクリート」「暑中コンクリート」「寒中コンクリート」が書きやすい
・工程管理に関する課題は、「施工量の増加」 「工事の遅延状況の把握」 「効率化」 「創意工夫」が書きやすい
・もしそれでも書けないなら有料の作成代行サービスに申し込むのも可

いかがでしたでしょうか?

経験記述において自分が経験したことの中で、どんな内容を書けばいいのか理解できたと思います。
そのため、 「経験記述」の問題で以前とは異なる設問が出た際にも、自分で経験した現場の実施施策であれば書きやすく、また 「どんな内容を書けばいいのか」 理解できたはずです。

この記事を何度も読んで理解した上で、小手先だけの対策だけでなく本質的な対策をして試験に臨みましょう。

最後まで記事を読んでくださって、ありがとうございました。

ぜねた

第二次検定の合格を願っています

土木施工管理技士
試験を受ける方へ!

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ぜねた
管理人
元準大手ゼネコン勤務の土木技術者。一級土木施工管理技士
ゼネコン時代は安全を第一に現場を走り回ってました。
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事

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