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勾配計算のエクセルシートや早見表あり
勾配の計算って「度分秒だけでなく、%や分数」での表記など、種類が多くて普段から関わってない人からすると、なじみが薄いですよね。
そこで、本記事では、勾配表記のルールだけでなく、勾配表記の早見表に加えて、 建設業界で一般的に使われる勾配の表記方法についても解説しています。
また、理解を深めるために計算例も豊富に解説しているので、ぜひ最後まで読んでください。
・勾配をパーセントで表記した場合を図で詳しく解説
・勾配をパーセントから角度で表記した場合の計算方法
・パーセント以外の勾配の表記方法
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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また、[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]では、道路について詳しく解説しています。
道路で勾配の10%ってどういうことですか?
10%の勾配とは、「水平距離10.0mの時に、高低差が1.0m」の状態です
勾配とは、「傾きや傾斜の度合いを示す言葉」で、勾配の表記の仕方はいろいろな種類があります。
その中で、パーセント(%)とは、「角度と異なる表記」の仕方と思ってください。
一般的に、勾配はパーセント (%) や分数 (1/100)または、角度(°)で表します。
勾配は以下の式で計算します。
勾配 (%) =垂直距離 / 水平距離×100
つまり、10パーセントの上り勾配とは、以下の図のように100mの水平距離に対して10m上に上がるという勾配です。
勾配10%=10m(垂直距離) / 100m(水平距離)×100
10%の勾配ってかなり大きな勾配です
現実に10%の坂を目にすると、かなりの急勾配という印象を持たれると思います。
10%の勾配は自転車だと立ち漕ぎが必要な坂で、20%を超えると崖のような印象を受けるのが通常の感覚です。
ちなみに、 10%の勾配を角度にすると約5.7度になります。
勾配を角度で表す場合の計算式は、後ほど解説しますが、その前にパーセント(%)で勾配を表記の理解を深めるために、勾配をパーセントで表記した場合の計算例を5つ紹介します。
勾配を%で表記した場合の計算例を5つ紹介します。
答え 3.0%
解説
勾配(%)=垂直距離÷水平距離×100
= 3÷100×100
= 3.0%
答え 23.25mm
解説
勾配(%)=垂直距離÷水平距離×100
より、
垂直距離=水平距離×勾配
=1550×0.15
= 23.25
答え 2.5m
解説
勾配(%) = 垂直距離÷水平距離×100
より、
水平距離=垂直距離×勾配
=50cm(500mm)÷0.02
=25000mm
=25m
答え 0.1%
解説
勾配(%)=垂直距離÷水平距離×100
= 40 ÷ 40,000 × 100
= 0.1%
0.1%は1パーミリとも表現します。
0.1%は1パーミリ
答え 13mm
解說
勾配(%)=垂直距離 水平距離×100
より、
垂直距離=水平距離× 勾配
=50,000 × 0.003
=15mm
10%の勾配って角度にすると何度ですか?
10%勾配は角度にすると、5.71°です。
勾配の表記というと、一般的に馴染みがある表記の仕方は角度だと思います。
なおで、ここでは、「水平距離と垂直距離から角度を計算する方法」や「パーセントを角度に変換する方法」など具体的な計算例を交えて解説します。
角度で計算したい場合は、以下の式を用います。
パーセントから角度へ変換する場合
勾配 (角度 rad) = tan-1 (垂直距離/水平距離)
三角関数のtanの逆関数であるtan-1(アークタンジェント)を用いることで角度が計算できます。
といきなり、式を見ても理解が進まないと思うので、簡単な2つの例題を交えて解説していきます。
・水平距離と垂直距離が分かる場合
・パーセントから角度へ変換する場合
水平距離と垂直距離が分かる場合
先ほどの式のアークタンジェントの()内に、水平距離と垂直距離を入力します。
垂直距離 10mm、水平距離 1000mmとしたときを例にすると、
先ほどの式のtan-1の()内に10と1000を代入します。
tan-1 (10/1000)=0.57293(rad)
≒0°34’22.6″
パーセントから角度へ変換する場合
パーセントから仮定の水平距離と垂直距離を算出し先ほどの式に入れます。
1%→垂直距離1cm、 水平距離 1m
5%→垂直距離5mm、 水平距離 100mm
この後は先ほどの、アークタンジェントの式に入力します
アークタンジェントの計算は関数電卓が必要ですが、 手元にないって方がいらっしゃると思います。
そこで、「パーセント→角度(度分秒)」 と 「水平距離 & 水平距離→角度(度分秒)」 の式を入力したエクセルシートを作りました。
以下のボタンからダウンロードできるので、必要な方は今すぐに入手してください。
\ 勾配を変換する計算シート/
さらに理解を深めるために、計算例題を2つ用意しました。
ぜひ例題を一緒に解いて理解を深めましょう。
まずは、水平距離と垂直距離がわかる場合の計算例です。
答え 5.71°
解説
水平距離で 10.0m、鉛直方向に 1.0m上った場合、
先ほどの、
勾配 (角度 rad) = tan-1 (垂直距離/水平距離)に当てはめると、
勾配 = tan-1 (1 / 10)
= 5.71°
答え 5.71°
解説
まずは、パーセントを垂直距離と水平距離に直しましょう。
仮の値として水平距離を決めて、「勾配」と「水平距離」を先ほどの公式に当てはめるだけです。
10パーセント勾配の場合に、水平距離を10mと仮定しましょう。
先ほどの 勾配=垂直距離÷水平距離 の式に当てはめると、
10%=垂直距離÷10m
なので、垂直距離は1mです。
10%勾配
・水平距離:10.0m
・鉛直方向:1.0m
10%勾配= 1m(垂直距離) ÷ 10m(水平距離)となるので、
これを先ほどの式、勾配 (角度 rad) = tan-1 (垂直距離/水平距離)に当てはめると、
勾配 = tan-1 (1 / 10)
= 5.71°
となります。
「パーセント→角度」「角度→パーセント」へ一目でわかる早見表を作成しました。
表と印刷してラミネートしておくといつでも読み返すことができます。
% | 度 | % | 度 |
---|---|---|---|
0.5% | 0.3 | 15.5% | 8.8 |
1.0% | 0.6 | 16.0% | 9.1 |
1.5% | 0.9 | 16.5% | 9.4 |
2.0% | 1.1 | 17.0% | 9.6 |
2.5% | 1.4 | 17.5% | 9.9 |
3.0% | 1.7 | 18.0% | 10.2 |
3.5% | 2.0 | 18.5% | 10.5 |
4.0% | 2.4 | 19.0% | 10.8 |
4.5% | 2.7 | 19.5% | 11.0 |
5.0% | 2.9 | 20.0% | 11.3 |
5.5% | 3.1 | 20.5% | 11.6 |
6.0% | 3.3 | 21.0% | 11.9 |
6.5% | 3.7 | 21.5% | 12.1 |
7.0% | 4.0 | 22.0% | 12.4 |
7.5% | 4.3 | 22.5% | 12.7 |
8.0% | 4.6 | 23.0% | 13.0 |
8.5% | 4.9 | 23.5% | 13.2 |
9.0% | 5.1 | 24.0% | 13.5 |
9.5% | 5.4 | 24.5% | 13.8 |
10.0% | 5.7 | 25.0% | 14.0 |
10.5% | 6.0 | 25.5% | 14.3 |
11.0% | 6.3 | 26.0% | 14.6 |
11.5% | 6.6 | 26.5& | 14.8 |
12.0% | 6.8 | 27.0% | 14.8 |
12.5% | 7.1 | 27.5% | 15.1 |
13.0% | 7.4 | 28.0% | 15.4 |
13.5% | 7.7 | 28.5% | 15.9 |
14.0% | 8.0 | 29.0% | 16.2 |
14.5% | 8.3 | 29.5% | 16.4 |
15.0% | 8.5 | 30.0% | 16.7 |
度 | % | 度 | % |
---|---|---|---|
1 | 1.75% | 31 | 60.09% |
2 | 3.49% | 32 | 62.49% |
3 | 5.24% | 33 | 64.94% |
4 | 6.99% | 34 | 67.45% |
5 | 8.75% | 35 | 70.02% |
6 | 10.51% | 36 | 72.65% |
7 | 12.28% | 37 | 75.36% |
8 | 14.05% | 38 | 78.13% |
9 | 15.84% | 39 | 80.98 |
10 | 17.63% | 40 | 83.91% |
11 | 19.44% | 41 | 86.93% |
12 | 21.26% | 42 | 90.04% |
13 | 23.09% | 43 | 93.25% |
14 | 24.93% | 44 | 96.57% |
15 | 26.79% | 45 | 100.00% |
16 | 28.67% | 46 | 103.55% |
17 | 30.57% | 47 | 107.24% |
18 | 32.49% | 48 | 111.06% |
19 | 34.43% | 49 | 115.04% |
20 | 36.40% | 50 | 119.18% |
21 | 38.39% | 51 | 123.49% |
22 | 40.40% | 52 | 127.99% |
23 | 42.45% | 53 | 132.70% |
24 | 44.52% | 54 | 137.64% |
25 | 46.63% | 55 | 142.81% |
26 | 48.77% | 56 | 148.26% |
27 | 50.95% | 57 | 153.99% |
28 | 53.17% | 58 | 160.03% |
29 | 55.43% | 59 | 166.43% |
30 | 57.74% | 60 | 173.21% |
角度やパーセント以外の表記方法ってあるんですか?
分数や比率で表す方法があるので紹介します
先ほどの解説のように、 勾配を表す方法は「パーセント」や「角度」だけではありません。
まずは、建設業で一般的に使われる勾配の例を解説します。
さらにその後に、土木の工事で使う角度の表現もあわせて解説しますので、最後まで読んでいただけると理解が深まるので、ぜひとも最後まで目を通してください。
1/100 の勾配は、「水平の長さが100」で「高さが1」の傾きを示したものです。
以下の図のとおりです。
勾配を分数で表した場合
この図のように、1/100勾配は、水平距離で100mの時に垂直距離1mの勾配を言います。
分数による表記は、建築工事の屋根勾配や床勾配などによく使われますが、 土木工事ではあまり使われません。
ちなみに、 10/100は10%と同じ勾配で、 1/100 は1%と同じ勾配を示します
鉛直距離を1とした時。 水平距離との比率で勾配を表記します。
勾配を比率で表現する場合は1:1を1割という表現を使います。
図を用いて、具体例を解説します。
1:1.5
1:0.3
勾配を比率で表すという時は、土工事における法面の切土、盛土の勾配や、ブロック積みなどの勾配を表す場合に使われます。
道路の銃横断勾配は、”%”の表記が標準です。
なぜなら、道路の構造を定めている「道路構造令」の第20条で、道路の縦横断勾配が明記されていれていて、
標準的な横断勾配は以下の図のように1.5%です
標準的にまっすぐな道路は雨の水が道路上にたまらないように横断方向で1.5%の水勾配がついています。
ちなみに、1.5%の勾配というのは角度で表すと、0.86度とかなり小さな値です。
この図のように、道路にはほとんどわずかな角度ながらも水がたまらないように勾配をつけています。
ちなみに、道路については、[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
✅道路の構造や関係する法律を解説
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現場で勾配を確認するには、 「スラント」という勾配を測定する機器を使います。
丁張をかけるときに、「水平器」 と同じくらい必須の道具です
水平器とは異なり気泡の部分が回転する仕様となっています。
安く買える商品なので、手元に1つあると便利な道具です。
余談ですが、ある自動車メーカーのCMでも有名な「ベタ踏み坂」ともいわれる急勾配の江島大橋という橋があります。
CMでみると圧倒的な急な坂だ!という印象を抱くと思いますが、そこまで急な坂ではありません。
実際の写真は以下のとおりです。
正直、いたって普通の橋という印象で、CMみたいに急な角度の坂ではありませんでした
ちなみに、場所は以下の通りです。
地図で見るとわかるように、鳥取県と島根県の間にかかる橋になります。
この橋の勾配は、国土交通省の資料によると、
島根側6.1%、 鳥取側 5.1%
となっています。
なので、先ほど紹介した式に当てはめて、パーセントを角度で表すと”3度から4度程度です。
そのため、正直CMみたいね「急な坂だ」という感じはありませんでした。
ブクマして何度も読み返せる状態にするか、印刷しラミートしてして野帳に挟んでおくことをおすすめします。
道路など一般的な%表記の勾配だとどのような値になるのかまとめました。
%の場合
% | 角度 | 垂直距離 | 水平距離 | 斜長 |
---|---|---|---|---|
0.5% | 0°17′ 11″ | 1 | 0.005 | 1.000025 |
1.0% | 0°34′ 22″ | 1 | 0.01 | 1.0001 |
2.0% | 1° 8′ 44″ | 1 | 0.02 | 1.0004 |
3.0% | 1°43′ 6″ | 1 | 0.03 | 1.0009 |
4.0% | 2°17′ 26″ | 1 | 0.04 | 1.0016 |
5.0% | 2°51′ 44″ | 1 | 0.05 | 1.0025 |
法面の勾配など、角度の呼称や 度数や % で表記した場合をわかりやすくまとめた一覧表です。
勾配 | 角度 | % | 垂直距離 | 水平距離 | 斜長 |
---|---|---|---|---|---|
一分 | 84°17′ 22′ | 1000.00000% | 1 | 0.1 | 1.00499 |
二分 | 78°41′ 24″ | 500.00000% | 1 | 0.2 | 1.01980 |
三分 | 73°18′ 03″ | 333.33333% | 1 | 0.3 | 1.04403 |
四分 | 68°11’55” | 250.00000% | 1 | 0.4 | 1.07703 |
五分 | 63°26′ 06″ | 200.00000% | 1 | 0.5 | 1.11803 |
六分 | 59°02′ 10″ | 166.66667% | 1 | 0.6 | 1.16619 |
七分 | 55°00′ 29″ | 142.85714% | 1 | 0.7 | 1.22066 |
八分 | 51°20′ 25″ | 125.0000% | 1 | 0.8 | 1.28063 |
九分 | 48°00′ 46″ | 111.1111% | 1 | 0.9 | 1.34536 |
一割 (1:1.0) | 45°00′ 00″ | 100.0000% | 1 | 1.0 | 1.41421 |
一割一分 (1:1.1) | 42°16′ 20″ | 90.90909% | 1 | 1.1 | 1.48661 |
一割二分 (1:1.2) | 39°48′ 20′ | 83.33333% | 1 | 1.2 | 1.56205 |
一割三分 (1:1.3) | 37°32′ 07″ | 76,92308% | 1 | 1.3 | 1.64012 |
一割四分 (1:1.4) | 35°32′ 16″ | 71.42857% | 1 | 1.4 | 1.72047 |
一割五分 (1:1.5) | 33°41′ 24″ | 66.66667% | 1 | 1.5 | 1.80278 |
勾配について解説しました。
勾配をパーセントで表した場合のどれくらいの角度なのか、そのほかに勾配にどのような表現があるか理解できたと思います。
・1パーセントとは水平距離10mで10cmの高低差がある勾配
・そのほかに分数や角度、比率で表したものがある
・道路ではパーセントで表記すると政令で定められている
以上、 道路の勾配について解説しました。
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