1%の勾配って道路標識があったんですが、パーセントって表現がよくわかりません。
1%の勾配は、10m まっすぐ進んだとして高さが10cm変わる勾配のことです。
なんとなくわかりましたが、 角度で言われた方がピンときます。
角度にすると約0.57 度の極めて小さい勾配です。
・勾配がパーセント表記だとよくわからない
・勾配の表現が多くてこんがらがっちゃう
・勾配の計算方法がわからない
こんな疑問を解決します。
・勾配をパーセントで表記した場合を図で詳しく解説
・勾配をパーセントから角度で表記した場合の計算方法
・パーセント以外の勾配の表記方法
この記事では、勾配をパーセントで表記した場合について図解を使って解説しています。
なので、これを読み終えれば 「○0%」 という角度以外の勾配の表現方法が理解できます。
執筆者
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さらに、[道路工事で苦情を言いたいときは、道路工事の苦情ってどこに言えば良いの!?]土木技術者の元ゼネコンマンが徹底解説!で詳しく解説しています。
また、[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]では、道路について詳しく解説しています。
計算すると?勾配をパーセントで示す
道路で勾配の10%ってどういうことですか?
10%の勾配とは10.0mで1.0mの差がある勾配です
勾配とは、傾きや傾斜の度合いを示す言葉です。
角度と異なる表記の仕方と理解していただければ、大丈夫です。
勾配の単位は、パーセント (%) や分数 (1/100)または、角度(°)で表します。
10パーセントの上り勾配とは、以下の図のように10.0mの水平距離に対して1.0m上に上がるという勾配です。
10%の勾配って結構大きいです
現実に10%の差かを目にすると、かなりの急勾配という印象を持たれると思います。
10%の勾配は自転車だと立ち漕ぎが必要な坂で、20%を超えると崖のような印象を受けるのが通常の感覚です。
ちなみに、 10%の勾配を角度にすると約5.7度になります。
勾配をパーセントで表示する場合の公式
水平距離で 10.0m、 鉛直方向に 1.0m 上った勾配を表すと 10%です。
ちなみに、 水平距離で10.0m、鉛直方向に 10.0m上った勾配を角度で表すと45度です。
勾配をパーセントから角度に直す場合
<具体例>
水平距離で 10.0m、鉛直方向に 1.0m上った勾配を角度で表すと約5.7度です
道路勾配の表記方法!パーセント?角度?
パーセントや角度だけじゃなくて勾配を示す表現はたくさんあります
ぜひ教えてください
先ほどの解説のように、 勾配を表す方法は「パーセント」や「角度」だけではありません。
まずは、建設業で一般的に使われる勾配の例を解説します。
さらにその後に、土木の工事で使う角度の表現もあわせて解説しますので、最後まで読んでいただけると理解が深まるので、ぜひとも最後まで目を通してください。
勾配を分数で表す場合
1/100 の勾配は、「水平の長さが100」で「高さが1」の傾きを示したものです。
以下の図のとおりです。
分数による表記は、建築工事の屋根勾配や床勾配などによく使われますが、 土木工事ではあまり使われません。
ちなみに、 10/100は10%と同じ勾配で、 1/100 は1%と同じ勾配を示します
勾配を比率で表す場合
鉛直距離を1とした時。 水平距離との比率で勾配を表記します。
勾配を比率で表現する場合は1:1を1割という表現を使います。
図を用いて、具体例を解説します。
1:1.5
1:0.3
勾配を比率で表すという時は、土工事における法面の切土、盛土の勾配や、ブロック積みなどの勾配を表す場合に使われます。
なぜ道路の勾配はパーセント?
道路の勾配は「道路構造令」という政令の第20条で、道路の縦断勾配について明記されています。
その中で、縦断勾配は設計速度に応じて最大の「%」 が定められています。
標準的な横断勾配は以下の図のように1.5%です
標準的にまっすぐな道路は雨の水が道路上にたまらないように横断方向で1.5%の水勾配がついています。
ちなみに、1.5%の勾配というのは角度で表すと、0.86度とかなり小さな値になります。
この図のように、ほとんどわずかな角度ながらも水がたまらないように道路にも勾配をつけています。
ちなみに、道路については、[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
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勾配を現場で確認する道具
現場で勾配を確認するには、 「スラント」という勾配を測定する機器を使います。
丁張をかけるときに、「水平器」 と同じくらい必須の道具です
水平器とは異なり気泡の部分が回転する仕様となっています。
安く買える商品なので、手元に1つあると便利な道具になります。
余談ですが、ある自動車メーカーのCMでも有名な「ベタ踏み坂」ともいわれる急勾配の江島大橋という橋があります。
CMでみると圧倒的な急な坂だ!という印象を抱くと思いますが、そこまで急な坂ではありません。
実際の写真は以下のとおりです。
正直、いたって普通の橋という印象で、CMみたいに急な角度の坂ではないですよね?
ちなみに、場所は以下の通りです。
地図で見るとわかるように、鳥取県と島根県の間にかかる橋になります。
この橋の勾配は、国土交通省の資料によると、
となっています。
なので、先ほど紹介した式に当てはめて、パーセントを角度で表すと”3度から4度程度です。
なので、正直CMみたいね「急な坂だ」という感じはありませんでした。
実際に観光で現地に行き、車で走行しましたがCMみたいに「めちゃめちゃ急な坂だという印象はありませんでした
勾配の計算方法!パーセント、角度【まとめ】
勾配について解説しました。
勾配をパーセントで表した場合のどれくらいの角度なのか、そのほかに勾配にどのような表現があるか理解できたと思います。
1パーセントとは10mで10cm上がる勾配
そのほかに分数や角度、比率で表したものがある
道路ではパーセントで表記すると政令で定められている
以上、 道路の勾配について解説しました。
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