CBRとは!?現場CBRと設計CBRと修正CBRの違いを1級土木施工管理技士が徹底解説
CBRってよく聞きますが何ですか?
CBRとは『California Bearing Ratio』の略です。
どういう意味なんですか?
路床支持力比と訳され、路床や路盤の支持力を表す指標です。
- CBRが何かわからない。
- 設計CBRって何?
- 修正CBRって何?
こんな疑問を解決します。
CBRについて
CBR試験について
この記事では、道路土工や舗装工事では必須のCBRについて詳しく解説しています。
これを読み終えれば、CBRとはどんなものか、設計CBRと修正CBRの違いが理解できます。
執筆者
1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンがCBRについて解説します。
なお、道路については[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
また、現場監督の持ち物については[現場監督の持ち物7選!現場で役立つ便利グッズを現場経験7年の元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
CBRとは!?
CBRってどーいう言葉ですか?
CBRとは『California Bearing Ratio』の略です。
日本語では路床土支持力比と訳され、アメリカ合衆国カリフォルニア州の交通局O.J.Portorが提唱したものです。
当初考案されたCBRは、クラッシャーランを用いた貫入試験を繰り返し、その平均値をCBR=100%と定め、その値に対する比率で表したものです。
と言われてもよくわからないと思います。
詳しく解説していきます。
CBR試験とは!?
O.J.Portorが、道路の破壊状況を調査したところ、路床の支持力と関連性があることを発見しました。
そのため、支持力から路床の良否を判断する目的で考案されたものがCBR試験です。
つまり「良い路床≒支持力が高い」ということです。
CBR試験とは路床の支持力を確認する方法なのです。
この支持力の一つの指標として、十分な支持力を得ることができるクラッシャーランに繰り返し貫入試験を行うことで、基準の値としました。
CBR=q/q0×100(%)
q0は十分な支持力を得ることができる基本となるクラッシャーランの値です。
q:所定の貫入量における荷重強さ(MN/m2))
q0:所定の貫入量における標準荷重強さ(kN)
所定の貫入強さは、2.5mmと5.0mmとなります。
標準貫入量 | 標準荷重強さ | 標準荷重 |
---|---|---|
2.5mm | 6.9MN/m2 | 13.4kN |
5.0mm | 10.3MN/m2 | 19.9kN |
支持力を求めたい路床の試料で試験を行い上述した値と同じ荷重が出たら、CBR100%となりクラッシャーランと同じ支持力を持つということです。
十分な支持力がある路床ということになります。
以上が、基本となるCBR試験で日本工業規格のJISで規定された『JIS A 1211』の試験です。
なお、用語の意味が分からなければ、[若手現場監督のための現場で使える用語集(ラ行)]で、「路床」などの単語を解説しています。
CBR試験の概要とは!?
現在では日本工業規格の『JIS A 1211』および『JIS A 1222』でCBR試験が制定されています。
CBR試験は大きく「室内CBR試験」と「現場CBR試験」の二つに分けられます。
さらに規格・基準以外の室内CBR試験として、「設計CBR試験」と「修正CBR試験」がありますので、現場CBR試験から詳しく解説します。
現場CBR試験とは!?
現場CBR試験とは、路床や路盤の支持力を現場で直接測定するもので、設計CBRとの相関はありません。
現場試験で求める路床や路盤の支持力を表す指標のこと。
現場CBR試験はJIS A 1222で規定されています。
現場CBR試験は実際の土を乱すことなく試験ができます。
現場CBR試験を行うことで、後述する修正CBR試験の値を上回っているか確認します。
現場CBR試験を適用する条件は、
- 現場の土を乱すと強度が低下する場合
- 乱さない状態の資料の採取が困難な場合
上述した場合は、室内試験より現場CBR試験を行うことが合理的です。
現場CBR試験の注意点
繰り返しになりますが、現場CBR試験は現場における路床や路盤の現在の支持力を直接測定するものです。
CBR試験における標準荷重強さはクラッシャーランを標準とすることから、軟弱な粘性土に用いるとCBRは極端に小さくなります。
機械誤差など影響を受けやすくなるため、測定結果にばらつきが生じます。
軟弱な粘性土では、コーン貫入試験などの他の試験方法によって評価することが望ましいとされています。
設計CBRとは!?
設計CBRって何ですか?
設計CBRとは、設計の際に路床土の適否を判断するための指標です。
アスファルトの舗装の厚さや、コンクリート舗装の構造を決定するために用いられる路床の支持力のこと。
路床の表面に直径5.0cmのピストンが2.5mmまたは5.0mm貫入した時の荷重を、標準荷重に対する百分率で表したものです。
舗装を支持する路床材料のCBRを表すもので、文字通り舗装の設計を行う際に必要なものです。
舗装の設計を行う際に路床の設計CBRから目標とするTAを決定します。
設計CBRが3%未満の路床は、路床土に適さないため安定処理や置き換えが必要です。
設計CBR試験とは?
設計CBRを求めるにあたっては、上述の試験方法『JIS A 1211』に加えて、2点追加することがあります。
- 40mm以上の礫を取り除く
- 3層に分けて各層67回ずつ突き固める
貫入量2.5mmと5.0mmのうちの大きい方のCBRを、その供試体のCBRとします。
設計CBR=q/q0×100(%)
q:貫入量2.5mmまたは、5.0mm時の荷重(kN)
q0:標準貫入量(2.5mm:13.4kN、5.00mm:19.9kN)
上述した式のqに試験結果を代入することで、設計CBRが求まります。
設計CBR試験の注意点とは!?
設計CBR試験は舗装厚を決定するための試験であり、”路床ができてから”試料を採取しなくては意味がありません。
適切な設計CBRを求めるため、試料の採取方法に注意が必要です。
路床面より50cm以上深い個所から乱した状態で試料を採取する必要があります。
修正CBRとは!?
修正CBRって何ですか?
修正CBRとは、路盤材料としての適否を判断する指標です。
修正CBRとは、路盤材料を「最大乾燥密度の95%に締め固めたもの」に対するCBRです。
「路盤材料として適しているか否か」の判断の指標として用いられます。
修正CBR試験とは?
供試体は3層に分けてそれぞれ92回、42回、17回突き固めたものをそれぞれ3個ずつ用意します。
突き固め数3種類×3個の供試体が必要です。
試料の量は50kg×3くらい用意する必要があります。
92回、42回、17回締め固めた供試体のCBR、乾燥密度
上述した試験結果から最大乾燥密度ρdmaxの95%乾燥密度ρdを求めます。
そこから右の『乾燥密度-CBR曲線のグラフ』から95%乾燥密度ρdに対応する修正CBRが求まります。
路盤材料として適しているかは、以下の値が一般的な目安です。
- 上層路盤は80%以上
- 下層路盤は20%以上
また、実際の路盤の施工では、所要のCBRを確保するために、試験で求めた最大乾燥密度の95%以上に締固める必要があります。
CBRとは!?【まとめ】
CBRと、それぞれの試験方法について解説しました。
覚えることは難しくても何となく知っているだけで、再度調べた際にスムーズに頭に入ってきます。
CBRとは、路床や路盤の支持力を表す指標のこと。
JISで定められたCBR試験は『現場CBR試験』と『室内CBR試験』の2つ
設計CBR試験とは、舗装の厚みを決定するために路床に行う試験
修正CBR試験とは、路盤材料としての適否を判断するために行う試験
以上、CBRについて、CBRの意味や試験法などを解説しました。
追伸
施工管理技士の受験を考えている方は、「独学サポート事務局って口コミや評判良くて、実績もすごいけどどうなの?実際に利用した結果 【論文の代行は効果アリ】」を参考にしてみてください。
施工管理技士の資格は国家資格なので、 1人前の技術者の証になります。
私の同僚はこのサービスを利用して、 1度落ちた実地試験を翌年合格しました。
独学で勉強している人にはオススメのサービスです。
コメント