袖ビームってどんなもの!?土木技術者が解説!命を守る重要な役割があります。
最近よく聞く袖ビームって何ですか!?
袖ビームとはガードレールに付いている端っこの部分です。
なんでビームっていうんですか!?
"ビーム(beam)"とは"梁"という意味なんです。
- 袖ビームってどんなもの?
- 袖ビームは何のためにあるの?
- 袖ビームって変わった名前だけど由来は?
こんな悩みにお答えします。
袖ビームについての解説
袖ビームの名前の由来
袖ビームの設置基準
この記事では袖ビームについて詳しく解説しています。
この記事を読めば、"袖ビーム"とは「どんなもの」で「なんのため」にあって「どんな役割をしてるか」わかります。
執筆者
1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンが、道路に必ずあるガードレールについている袖ビームについて解説します。
袖ビームってなんですか?
ビームって言うから凄いものかと思ったらガードレール…
"ビーム(beam)"とは"梁"という意味なんです。
袖ビームとはガードレールの端部に付いている丸みがついた部分です。
街中を歩いていてもあまり気にしないかもしれませんが、ガードレールについています。
なかなか普段は気にして歩かないですよね?
今度見つけたらよく見てみてください。
袖ビームの目的とは!?何のためについてるの?
袖ビームはガードレールの一部でガードレールは大きく支柱と梁(beam)の二つに分かれます。
ガードレールは道路付属物の防護柵に分類されます。
防護柵の役割は以下の通りです。
- 車両の逸脱を防ぐ
- 車の運転者や車の破損を最小限にする
- 歩行者等の転落を抑制する
- 歩行者等の横断を抑制する
ガードレールの端に設置される袖ビームの役割は以下の通りです。
- 車がガードレールの端部へ衝突した際のダメージを減らす
- 歩行者等がガードレールの端部で怪我をするのを防ぐ
- ガードレールの向きを変える際に、ガードレールの隙間をなくす
袖ビームの1つ目の重要な役割は、ガードレールの端部に衝突してしまった車のダメージを減らします。
ガードレールのビーム自体は薄い鉄板なので、袖ビームがないガードレールに車が突っ込むと車が貫通してしまいます。
袖ビームの2つ目の重要な役割は、ガードレールの脇を通行する歩行者や自転車の運転者への怪我を防ぐことです。
ガードレールの端部が丸くなることで、鋭角な箇所を減らすことで、怪我するのを防ぐことができます。
袖ビームの3つ目の重要な役割は、ガードレールの隙間をなくすことです。
道路の形状によりガードレールのビームを設置できない時はビームに隙間ができます。
その際に袖ビーム設置することで折れ点の隙間をなくすことができます。
袖ビームの名前の由来とは?
ガードレールでいうと支柱にくっついてる板の部分をビームと呼び構造的には"梁"にあたります。
建設業界の用語で"袖"とは"服の両端が袖であること"から転じて"本体の両わき、または片方にあるもの"という意味にです。
演劇でも舞台の両端を"舞台袖"って言いますよね?
この"梁"という意味の"ビーム"と、"両端"である"袖"を合わせて『袖ビーム』といいます。
クイズの番組でもたまに出るみたいです
袖ビームの設置に関する基準
袖ビームはガードレールの一部でガードレールは防護柵に分類されます。
防護柵には国土交通省が定めた防護柵設置基準というものがありますが、袖ビームの設置基準はとくにありません。
袖ビームは鉄板だけでなく、ゴム製やプラスチック製のものもあります。
しかし、ゴム製の物は紫外線による劣化が早く、車が衝突した際の衝撃の吸収性も鉄板に劣ります。
袖ビーム同好会
日本有数の大学である京都大学には、袖ビーム同好会「無い袖は振れぬ」という同好会があります。
会費はなく京大以外でも老若男女誰でも歓迎となっているので、トラの私もフォローしています。
私の後輩である京大生がやっているので親近感を覚えます。
というのは嘘です。ごめんなさい、京大に入ってません。
道路の利用者を守る防護柵
道路にはよく見るとたくさんの付属物がありますね。
ガードレールは防護柵の一部で、国土交通省建設局が設置基準を定めています。
道路に設置する道路付属物として防護柵は『たわみ性防護柵』と『剛性防護柵』の大きく2つに分かれます。
たわみ性防護柵もいくつか種類が分かれますが、一般的に
- ガードレール(車両用防護柵)
- ガードパイプ(歩行者自転車用柵)
- ボックスビーム
コンクリート性の防護柵のことです。
防護柵には設置基準があって国土交通省の建設局が設置基準を設けています。
主として進行方向を誤った車両が路外、対向車線または歩道等に逸脱するのを防ぐとともに、車両乗員の傷害および車両の破損を最小限にとどめて、車両を 正常な進行方向に復元させることを目的とし、また、歩行者および自転車(以下、「歩行者等」 という。)の転落もしくはみだりな横断を抑制するなどの目的をそなえた施設をいう。
防護柵は、車両を対象とする車両用防護柵と歩行者等を対象とする歩行者自転車用柵に区分する。
国土交通省運輸局(平成16年3月31日)『防護柵設置基準』運輸局長通達
簡単にまとめると、防護柵の役割は以下の通りです。
- 車両の逸脱を防ぐ
- 車の運転者や車の破損を最小限にする
- 歩行者等の転落を抑制する
- 歩行者等の横断を抑制する
公共の設備なので、基本的には税金で整備されているものです。
それぞれ道路を利用する車の運転者や歩行者等の命を守る大切な設備です。
道路については道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!の記事で詳しく解説しています。
袖ビームとは!?【まとめ】
道路付属物のである防護柵に分類されるガードレールの一部である袖ビームについて解説しました。
道路を利用する車の運転者や歩行者等の大切な命を守る設備です。
袖ビームとはガードレールの端っこの部分
袖ビームの設置に関する基準は特になし
袖ビームの愛好者が京大にいる
以上、道路の使用者の命を守る袖ビームについて解説しました。
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