玉掛け作業には「333運動」が大切と聞きましたが『333運動』って何ですか?
玉掛けの際に行う安全活動で、しっかりやることで事故を減らすことができます。
なんで333運動というのですか?
3に関するキーワードをもとにしているため『333運動』なんです。
- 333運動って何ですか?
- 安全に玉掛けをする方法を知りたい
- 玉掛けってどんな資格が必要なの?
こんな疑問を解決します。
333運動とはなにか
玉掛け作業について
333運動を推進するために便利な道具
この記事では玉掛け作業で必須な333運動について解説します。
これを読み終えれば、工事現場では日常的に行われる玉掛け作業に必要な333運動について理解でき安全に作業を進めることができます。
執筆者
現場経験7年の元ゼネコンマンが工事現場で必ずある玉掛け作業に必要な『333運動』について解説します。
なお現場監督の持ち物については[現場監督の持ち物7選!現場で役立つ便利グッズを現場経験7年の元ゼネコンマンが徹底解説!]の記事で詳しく解説しています。
333運動(さんさんさんうんどう)とは?
3に関するキーワードってなんですか?
3秒間、30cm、3mがキーワードです。
『333運動』とは玉掛作業の際に行う安全活動のことで、
- 玉掛けしてから3秒間停止して吊荷の安定を確認
- 玉掛者は玉掛した吊荷から3m離れる
- 地切りの時は、30cm以下の高さで一旦停止
3秒間、30cm、3mという3つ3に関するキーワードをもとにしているため『333運動』と言われます。
工事の現場では一般的に行われる安全活動です。
玉掛け作業とは、吊り具を用いて行う荷掛けおよび荷外しの作業のことです。
333運動について詳しい手順を解説しますので、順番に詳しく見ていきましょう。
333運動の手順①玉掛して3m離れる
吊り荷を巻き上げた際に大きく荷が振れる可能性があります。
吊荷と接触して最悪挟まれる可能性や、振れた荷に接触して足場から転落という可能性もあります。
吊荷と接触することの内容に十分な離隔をとりましょう。
333運動の手順②30cm以下の高さで一旦停止
一旦30cm上げた状態で静止して、吊り治具やワイヤーに不具合がないか確認しましょう。
吊り荷の重心位置や傾きがないか確認できます。
ちなみに、30cm吊り上げると荷が振れる場合があります。
そのときには、手で吊り荷を触って吊り荷を制止させようとしてはいけません。
『玉掛作業の安全に係るガイドライン』にも以下の通り記載されています。
クレーン等の作業中は直接吊り荷及び玉掛用具にふれないこと」
玉掛作業の安全に係るガイドライン
吊り荷が振れた場合に荷振れを止めるには、手鉤と呼ばれる長い棒で押すか、介錯ロープで吊り荷を引っ張ります。
手鉤
玉掛け用の伸縮性の棒
手の代わりに押す、引く、回すという作業が容易に行うことができます。
介錯ロープ
吊り荷に使用する編み込みされたロープ
基本的には、ロープ径12mmのクレモナ製のロープを使用。
このような、道具を使用して吊り荷の振れを抑えます。
333運動の手順③玉掛して3秒静止
急に高いところまで荷を揚げてしますと、荷ブレが大きくなります。
もし万が一玉掛けに不具合が生じていた場合、吊荷が落下した場合に落下の距離が大きくなります。
高い位置の吊り荷が落下するほど、被害が大きくなってしまいます
なので、吊り荷の安定性を確認するためにも、3秒間30cm地切りした状態を保ちましょう。
なお、地切りについては[地切りヨシ!【安全な玉掛け作業のために】言葉の意味や手順、確認方法を解説]で詳しく解説しています。
✅地切りについて解説してます
玉掛け作業の注意点についても解説しているので、玉掛け作業を行う人は一読しておくべき記事です。
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関連記事 地切りヨシ!【安全な玉掛け作業のために】言葉の意味や手順、確認方法を解説
333運動が全国的に普及している理由
333運動ってどこの現場もやってますか?
日本全国いろんな現場に行きましたがどこでもやってます。
呼び方が単純で、必要な作業が直感的にわかりやすいことから、全国的に普及している運動だと思います。
全国各地の工事現場で積極的に採用されている安全活動です。
ちなみに、厚生労働省でも「333運動」を推奨しています。
333運動を啓蒙する『横断幕』
どんなにいい運動でも啓蒙活動を行って、周知することが必要です。
横断幕を掲げたり、ポスターを張っていたり、わかりやすいイラストを使った看板をラミネートした表示物を掲示したり、「333運動」を周知して安全に現場を進めていきましょう。
私の会社では、特注の横断幕を造って掲示していました。
なぜ玉掛け作業に333運動が必要なのか
人が足りないので玉掛け作業手伝ってきます。
玉掛け作業は誰でも行える作業ではないので気を付けてください。
玉掛け作業は誰もが行える作業ではありません。
安全な作業を行うために必要な条件を確認しましょう。
玉掛けに必要な資格と注意点
玉掛けには特別教育と技能講習の2種類あります。
クレーンの制限荷重によって必要な条件が異なります。
制限荷重が1t未満のクレーンの場合
制限荷重が1tのクレーンを使用した玉掛けの場合には資格は必要なく、特別教育を修了する必要があります。
基本的に現場で使うようなクレーンは1t以上ですので、玉掛けの特別教育を持っている人はあんまり見たことありません。
1t未満のクレーンって、0.25BHくらいしかない気がするんですよね・・・
制限荷重が1t以上のクレーンの場合
制限荷重が1t以上のクレーンで玉掛けを行う場合は、玉掛け作業の技能講習を受講して資格を取得する必要があります。
また、玉掛け作業を行う際には以下の点に注意してください。
玉掛け作業を行う上で注意が必要な基本的な事項を解説します。
- ワイヤーロープの張りはよいか
- 地切り時に吊り荷が安定しているか
- アイ部分が重なっていないか
- 玉掛けワイヤーの安全係数は6以上あるか
- シャックルの安全率は5以上あるか
安全な玉掛け作業を行うためにも、基本的な注意事項を守り、使用器具はしっかりと点検して作業しましょう。
【玉掛けに必須】333運動を推奨する道具
現場にあると便利な商品です。
「333運動」を推奨するのにあると便利な現場で使える商品を紹介します。
333運動用の5m『3色解釈ロープ』と事故の事例
3m離れるためには5mの介錯ロープの使用をおすすめします。
安全用具でおなじみの「つくし工房さん」で取り扱っている商品です。
色が3色になっていているので、3m離れているのかどうかわかりやすいです。
5mの介錯ロープ
赤・黄 :1.5m
緑 :2.0m
本記事の最後に安全に対する意識を向上させるために、以前、私の現場で発生した事故についてお話しさせて頂きます。
現場の作業には、いつも危険がつきまといます。
もちろん玉掛け作業も有資格者が行う作業も例外ではありません。
この事例を教訓として、安全な現場作業に努めてください。
【事故の事例】
メッシュパレットに乗っけた鉄筋スペーサーが入った段ボールを玉掛けするという作業でした。
メッシュパレットに単管を通してスリングベルトで絞ってました。
玉掛け者が手で抑えた状態で、吊り荷を巻き上げ。
荷が触れて作業員の体に接触し、転倒し腕を骨折をしてしました。
「いつもやっているから大丈夫。安全だ」という認識があったといってました。
慣れと油断が事故につながります。
いつもやっている玉掛け作業だからと過信せずに、初心に戻り333運動を徹底しましょう。
333運動(さんさんさん)【まとめ】
現場で行う安全管理として333運動について簡単に解説しました。
333運動は3秒間静止して確認、3m離れる、30cmで一旦停止
333運動用の介錯ロープはおすすめ
玉掛けの基本的な注意事項5つしっかり確認しましょう
以上、333運動について簡単に解説しました。
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