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埋め戻し(埋戻しってどんな作業?
埋め戻し(埋戻し)ってどんな材料を使うの?
埋め戻し(埋戻し)の作業手順は?
本記事ではこんな悩みにお答えします。
建設業界関連で11年間働いた私が解説します
・埋め戻し工とは何か?
・埋め戻し工に使用する材料
・埋め戻し工の作業手順
土を扱う工事で必ず発生する作業が、埋め戻しです。
具体的には、
・建築の基礎工事を行う
・既設の杭を引き抜く
・用排水構造物を構築する
といった作業をおこなった後には、ほぼ必ず埋め戻しの作業が発生します。
”埋め戻し”って「ただ土を埋めるだけの作業」と思うかもしれませんが、この作業の品質が悪いと「沈下する」「構築した構造物が傾いてしまう」といった不具合が発生してしまう恐れがあります。
なので、そんな不具合を防ぐために本記事では「埋め戻しで使う材料」や「施工方法」「施工上の注意点」を解説します。
埋め戻しの施工不良による不具合を避けるためにも、ぜひ本記事を最後まで読んでもらえると嬉しいです。
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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埋戻し工ってどんな作業ですか?
すごく簡単にいうと、一度掘った土等を掘った後を埋める工事をいいます
埋め戻し工とは、地下構造物、用排水構造物などを構築するために、掘削した空間に構造物の構築後、空いている空間に土を入れる作業です。
埋め戻しがいい加減だと、地震が起きた際に沈下に繋がったり、液状化などにつながったり、といった可能性があります。
具体例を交えて解説した方が、理解が深まると思いますので、いくつか事例を解説しますね。
埋め戻しの事例
・個人住宅基礎施工後、掘削した土を戻す
・用排水工の設置後、基盤まで土を埋める
・土留めとなる重力式擁壁の施工後、前面を現況地盤まで土を埋める
それぞれ詳しく解説します。
個人住宅の施工では、基礎の施工の際に掘削を行い基礎の床まで掘削をおこないます。
この作業を建築工事では根切りと呼びます
根切りの際に余分に掘削した部分を土で埋める作業を、“埋め戻し”といいます。
この時に埋め戻す材料は、現地で発生した土を使用するのが一般的です。
道路土工事や造成工事では、施工基面まで掘削したあと、用排水構造物を設置します。
施工基盤の高さまで掘削したあと、構造物掘削を行い用排水構造物を設置します。
その後、設置した用排水構造物を施工基盤面まで埋める作業は、”埋め戻し”です。
都市部では下水道の本管や、本管に接続する取付け管の工事についても、敷設後に用排水工を埋める作業は埋め戻しになります。
路盤より下の部分を埋める作業についても、同様に埋め戻し工になります。
L形擁壁や、重力式擁壁などを構築したあとに、土を戻す作業も埋め戻し工です。
構造物を構築するために、「足場組立」「鉄筋組立」「型枠組立」「コンクリート打設」「脱型、足場解体」といった作業を行うスペースを確保できるように掘削します。
この一連の作業を行った後に、 設計の地盤高さまで土を埋める作業が埋め戻しです。
これら3つのような施工を、埋め戻しと言います。
埋め戻しってどんな材料を使うんですか?
代表的な埋め戻し材料は「現場発生土」「改良土」「砂」「流動化処理土」 「セメントミルク」 です
ここでは、埋め戻し工事に使用する砂や土、セメント系材料の種類を解説します。
代表的な埋め戻し材料は以下のとおりです。
埋め戻し材料
現場発生土
改良土
砂
流動化処理土
セメントミルク
それぞれどんな特徴があるのか、 どんな時に活用されるのか詳しく解説します。
工事で発生した土のことは、建設発生土と呼びます。
現場発生土は、盛土や埋め戻しの材料として広く利用されている代表的な建設材料です。
以前は、現場で発生した土は場外に搬出し、新たに購入した土を利用するのが一般的でした。
ですが、近年では持続可能性の観点から、現場内の使用が推奨されています。
なお、国土交通省の基準で使用できる土の種類が定められています。
ちなみに、掘削した土の数量は土量の変化率を考慮して算出しなくてはなりません。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説しているので、土量の計算で失敗したくない人は参考にしてください。
✅土量の変化率について例題を交えて徹底解説
関連記事 【計算例あり】土量の変化率とは?ほぐし率Lや締固め率Cを徹底解説
現場で発生した土は、含水比もバラつきが大きく、粒度、強度のバラつきが大きく、そのままでは埋戻しや盛土の材料として使用できないものがあります。
そのような土をふるい分けによる粒度の調整や、石灰及びセメントの添付などを行うことで、埋め戻しに適した土に調整したものが改良土です。
国土交通省の基準によると、 改良土は第1種〜第4種の改良土に分類されます。
区分 (国土交通省令) | 細区分 | コーン指数(kN/㎡) | 土木材料の工学的区分 |
---|---|---|---|
第1種建設発生土 (砂、礫及びこれらに準ずるもの) | 第1種改良土 | 人工材料 改良土(I) | |
第2種建設発生土 (砂質土及び礫質土及びこれらに準ずるもの) | 第2種改良土 | 800以上 | 人工材料 改良土(I) |
第3種建設発生土 (通常の施工性が確保される粘性土及びこれらに準じるもの) | 第3種改良土 | 400以上 | 人工材料 改良土(I) |
第4種建設発生土 (粘性土及びこれに準じるもの ※第3種建設発生土を除く) | 第4種改良土 | 200以上 | 人工材料 改良土(I) |
泥土 | 泥土 | 200未満 |
例えば、第3種改良土は、第4種建設発生土または泥土を安定処理し、コーン指数400kN/㎡以上に性状に改良したもの。
なお、コーン指数について詳しい解説は、[コーン指数とは?トラフィカビリティとN値との関係を徹底解説]の記事で解説しています。
✅コーン指数の意味や求め方、基準を解説しています
関連記事 コーン指数とは?トラフィカビリティとN値との関係を徹底解説
ここで紹介するのは、現場発生土ではなく新たに購入する砂です。
強硬で耐久性がある天然の砂で、舗装のしゃ断層や、 埋戻しに使用でき安価であるという特徴があります。
砂も再生材と新材があります
開けた場所では、 機械による締固めを行うことができますが、道路の下に生じた空洞など締固めができない箇所では、水締めにより締め固めることもあります。
流動化処理土は、土にセメントと水を混ぜた建設材料です。
液体状でトローっと流れるような土です
転圧が不要で材料充填されるため、 転圧機械による締固めが難しい場所に用いられるのが一般的です。
そして、セメントを混ぜているため、時間が経過すると硬化するという性質があります。
さらに、値段も高いので、使用する際には注意が必要な建設資材です。
こちらは、土というよりセメント系の建設資材です。セメント・水・混和材を混ぜ合わせた材料になります。
土の埋め戻しだけでなく、 地盤改良や杭の施工でも活用されます
規制杭を撤去した後の埋め戻し作業などで活用するのが一般的です。なぜなら、土だと転圧による締固め作業が困難であるから。
地盤の沈下を防ぐためにも、重宝されている材料です。
具体的な施工方法について教えてほしいです
現場の段取りをしっかりするためにも、施工内容をしっかりと把握しましょう
埋戻しの施工は、大きく以下の流れで進みます。
材料の搬入
締固め
この2点に加えて、さらに施工上の注意点を合わせて解説します。
まずは、埋め戻しの材料がなくては施工が進まないので、埋め戻しに使用する材料を搬入しましょう。
ダンプなどで現地に材料を運搬し、荷下ろしをした後に、BH等を使って埋め戻し場所に土を運びます。
その時のポイントとして、材料は施工場所の近くに下ろしましょう。近くに下ろすことで、運搬時間というロスをなくすことができます。
ロスを防ぐためにも材料は近くに置く
施工上のロスを防ぐために、材料は現場に近い場所におろしましょう
埋め戻しの作業は、発注者の仕様書の規定に従って、締固めを行います。
なぜなら、転圧を行いしっかりとした締固めを行わないと、地盤の沈下につながる恐れがあるから。
埋め戻しの厚みなど、仕様書で規定されているので、事前に確認し施行を行いましょう。
施工の例
・1層の厚み30cm
また、施工上の注意点として、構造物の周りなどは機械が近寄れない可能性があります。
極小部は締固め機械が入るスペースがない
U字溝のキワなどは「靴で踏みつけること」で、かなり締め固まるのでやってみてください
また、締固めの基準として、”締固め度”といった指標で管理する場合もあります。
具体例
・現況地盤以上の強度
・締固め度○○%以上
実際の管理方法は、この例のように締固め度といった品質で規定する品質管理方式と、締固め機械の走行回数といった工法規定方式という2つのにより、管理の方法が異なります。
なお、品質規定と工法規定方式について、さらに詳しい内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
良かったら参考にしてください。
✅品質規定方式と工法規定方式の違いを徹底解説
関連記事 品質規程方式と工法規定方式の違いとは? 盛土の管理方法を解説
埋め戻し工の施工は、出来上がってしまうと品質の確認を容易に行うことができません。
なぜなら、完成した後の状態では表面だけしか見ることができないから。
そのために、施工中の品質管理が大事です。
後から見返すことができるように、施工状況写真の撮影や、締固め度による管理をしっかりと行うことで、品質の高い構造物を構築することができます。
なお、埋め戻しによく似た同じような作業に「盛土」 があります。
盛土と埋め戻しの違い
・盛土は、その場所に初めて土を盛る
・埋め戻しは元から土があった場所を掘り、そこに再度土を盛る作業
この部分をしっかりと理解しましょう。
埋め戻しに関してよくある質問をまとめました。
埋戻しをする際に、沈下を見越して多めに土を盛り上げること。
材料によりますが、50~150mm程度余盛をしておくのが一般的です。
私の過去の実体験ですが、用排水工の施工時に掘削したところ吸い込み槽が見つかったことがありました。
吸い込み槽の処理のために粒度化処理土で埋め戻しを行ったところ、2日後には50cm 沈下したことがあります。
埋戻しをおこなったら沈下をする可能性があると意識しておきましょう。
土砂や砂を埋戻しの材料として、水を注ぎながら埋戻す作業をいいます。
注意点としては、材料に透水性の良い砂なども用いることで水が十分にいきわたる必要があります。
掘削は、”施工基面より上の部分を掘る”作業で、埋め戻しは発生しません。
逆に、 床掘は”施工基面より下の作業”で、 埋め戻しを伴います。
この違いは建設業界に勤務しているなら必ず押さえましょう。
以上、埋め戻しについて解説しました。
・地下構造物、用排水構造物などを構築するために、 掘削した空間に構造物の構築後、空間に土を入れる作業を埋め戻しという
・代表的な埋戻し材料は 「現場発生土」「改良土」「砂」「流動化処理土」「セメントミルク」
・埋め戻しの施工手順は、「材料を搬入する」「締固め」
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