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CBRってよく聞きますが何ですか?
CBRとは『California Bearing Ratio』の略です。
どういう意味なんですか?
路床支持力比という意味で、路床や路盤の支持力を表す指標です。
こんな疑問を解決します。
CBRについて
CBR試験について
設計CBRについて
修正CBRについて
この記事では、道路土工や舗装工事では必須のCBRについて詳しく解説しています。
これを読み終えれば、CBRとはどんなものか、設計CBRと修正CBRの違いが理解できます。
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンがCBRについて詳しく解説します。
なお、YouTubeでも土木工学や土木施工管理技士に関する情報を発信しています。
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なお、道路については[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
CBRってどーいう言葉ですか?
CBRとは『California Bearing Ratio』の略です。
CBRは日本語で路床土支持力比と訳される言葉で、アメリカ合衆国カリフォルニア州の交通局O.J.Portorが提唱したものです。
当初は1928年の米国カリフォルニア州で、道路や飛行機の滑走路の設計の尺度として考案
当初考案されたCBRは、クラッシャーランを用いた貫入試験を繰り返しその平均値をCBR=100%とするというもの。
クラッシャーランの貫入試験に対して、どれだけ支持力があるのかを簡単に比較する方法としてCBRが考案されました。
現在JISで定められたCBRは、米国の方法に加えて日本の実情に合うように改正され、
CBR=荷重強さ/標準荷重強さ×100%
となっています。
どのようなものなのか、詳しく解説していきます。
先ほど紹介したO.J.Portorが道路の破壊状況を調査したところ、道路の破壊状態は路床の支持力と関連性があることを発見しました。
そのため、支持力から路床の良否を定量的に判断する指標として考案されたのがCBR試験です。
アスファルト舗装が痛んでいる≒路床の支持力が弱い
つまり「良い路床≒支持力が高い」ということです。
CBR試験とは路床の支持力を確認する方法です
CBR試験はJISで試験方法が定められています。
供試体表面に直径5.0cmの貫入ピストンを2.5mmまたは5.0mm貫入させたときの荷重強さ(または荷重)に対して、標準強さを表したものがCBRです。
数式で示すと以下のとおりです。
CBR=q/q0×100(%)
分子が「求めたい試料の値」で、分母のq0が「クラッシャーラン(十分な支持力を得ることができる基本となる)値」です。
q:所定の貫入量における荷重強さ(MN/m2)
q0:所定の貫入量における標準荷重強さ(kN)
所定の貫入量というのは2.5mmと5.0mmです。
基準となる値を表にまとめました。
標準貫入量 | 標準荷重強さ | 標準荷重 |
---|---|---|
2.5mm | 6.9MN/m2 | 13.4kN |
5.0mm | 10.3MN/m2 | 19.9kN |
つまり、
2.5mm時のCBR= 荷重 / 13.4kN × 100%
5.0mm時のCBR= 荷重 / 19.9kN × 100%
例えば、支持力を求めたい路床の試料で試験を行ったとします。
そのとき測定した値が上述の標準荷重(2.5mm時:13.4kN、5.0mmの時 :19.9kN)と同じ荷重が出たら、CBR100%となりクラッシャーランと同じ支持力を持つということです。
2.5mmのときの荷重が10.0kNの試料があったとすると、
2.5mm時のCBR = 10.0 / 13.4
= 74.6%
となります。
十分な支持力がある路床ということになります。
以上が、基本となるCBR試験で日本工業規格のJISで規定された『JIS A 1211』の試験です。
なお、用語の意味が分からなければ、[土木・建築の工事現場で使う用語集【初心者向け】]で、「路床」などの単語を解説しています。
現在では日本工業規格の『JIS A 1211』および『JIS A 1222』でCBR試験が制定されています。
CBR試験は大きく「室内CBR試験」と「現場CBR試験」の二つに分けられます。
さらに規格・基準以外の室内CBR試験として、「設計CBR試験」と「修正CBR試験」がありますので、現場CBR試験から詳しく解説します。
現場CBR試験とは、路床や路盤の支持力を現場で直接測定するもの。
現場試験で求める路床や路盤の支持力を表す指標のこと。
現場CBR試験はJIS A 1222で規定されています。
現場CBR試験は実際の土を乱すことなく試験ができます。
現場CBR試験を行うことで、後述する修正CBR試験の値を上回っているか確認します。
現場CBR試験を適用する条件は、
上述した場合は、室内試験より現場CBR試験を行うことが合理的です。
繰り返しになりますが、現場CBR試験は現場における路床や路盤の現在の支持力を”直接測定”するものです。
CBR試験における標準荷重強さはクラッシャーランを標準とすることから、軟弱な粘性土に用いるとCBRは極端に小さくなります。
軟弱な粘性土ではCBRが極端に小さくなる
軟弱な粘性土では、コーン貫入試験などの他の試験方法によって評価することが望ましいとされています。
設計CBRって何ですか?
設計CBRとは、設計の際に路床土の適否を判断するための指標です。
アスファルトの舗装の厚さや、コンクリート舗装の構造を決定するために用いられる路床の支持力のこと。
路床の表面に直径5.0cmのピストンが2.5mmまたは5.0mm貫入した時の荷重を、標準荷重に対する百分率で表したものです。
舗装を支持する路床材料のCBRを表すもので、文字通り”舗装の設計”を行う際に必要な値です。
舗装の設計を行う際に路床の設計CBRから目標とするTAを決定します。
設計CBRが3%未満の路床は、路床土に適さないため安定処理や置き換えが必要です。
設計CBRを求めるにあたっては、上述の試験方法『JIS A 1211』に加えて、2点追加することがあります。
貫入量2.5mmと5.0mmのうちの大きい方のCBRを、その供試体のCBRとします。
設計CBR=q/q0×100(%)
q:貫入量2.5mmまたは、5.0mm時の荷重(kN)
q0:標準貫入量(2.5mm:13.4kN、5.00mm:19.9kN)
上述した式のqに試験結果を代入することで、設計CBRが求まります。
設計CBR試験は舗装厚を決定するための試験であり、”路床ができてから”試料を採取しなくては意味がありません。
適切な設計CBRを求めるため、試料の採取方法に注意が必要です。
路床面より50cm以上深い個所から乱した状態で試料を採取する必要があります。
雨季や冬季や初春の凍結・融解時期は試料の採取は避けましょう
極端な試験結果になってしまう恐れがあるため、試料の採取時期にも注意が必要です。
また設計CBRを算出するのに良く用いられるFWD調査について、[FWD調査とは!?試験の方法や費用を徹底解説]で詳しく解説しています。
✅FWD調査の概要やFWD調査でわかること、調査にかかる費用を解説してます
FWD調査の結果から路床の設計CBRを算出する方法について詳しく解説しているので、道路の工事に携わっている方にはオススメです。
修正CBRって何ですか?
修正CBRとは、路盤材料としての適否を判断する指標です。
修正CBRとは、路盤材料を「最大乾燥密度の95%に締め固めたもの」に対するCBRです。
「路盤材料として適しているか否か」の判断の指標として用いられます。
修正CBR試験は多くの供試体が必要になります。
まずは、92回締め固めた試料で土の締固め試験を行い、最大乾燥密度と最適含水比を求めます。
さらに、試験を行う供試体は3層に分けて、それぞれ92回、42回、17回突き固めたものをそれぞれ3個ずつ用意。
供試体は最適含水比に調整します
突固め数3種類×3個の供試体が必要なので、試料の量は50kg×3くらい用意する必要があります。
全部の試験を行うと、200kgの試料が必要になります
修正CBR試験を行うことで得られる結果は以下の通りです。
・92回、42回、17回締め固めた供試体のCBR
・乾燥密度
上述した試験結果から最大乾燥密度ρdmaxの95%乾燥密度ρdを求めます。
上の図の左側のグラフから、ρdmax=2.25となるので、
ρdmax×0.95(95%)=2.25×0.95
≒2.138
となります。
そこから右の『乾燥密度-CBR曲線のグラフ』から95%乾燥密度ρdに対応する修正CBRが求まります。
ちなみに、路盤材料として適しているかは、以下の値が一般的な目安です。
また実際の路盤の施工では、所要のCBRを確保するために、試験で求めた最大乾燥密度の95%以上に締固める必要があります。
なお、路盤と路床については[路床と路盤!違いや舗装構造について解説]で詳しく解説しています。
✅路床と路盤の基本を詳しく解説してます
路床や路盤の品質、出来形の管理規定や、材料や工法の違いについて詳しく解説しています。
関連記事 路床と路盤!違いや舗装構造について解説
CBRと、それぞれの試験方法について解説しました。
覚えることは難しくても「何となく知っている」だけで、再度調べた際にスムーズに頭に入ってきます。
CBRとは、路床や路盤の支持力を表す指標のこと。
JISで定められたCBR試験は『現場CBR試験』と『室内CBR試験』の2つ
設計CBR試験とは、舗装の厚みを決定するために路床に行う試験
修正CBR試験とは、路盤材料としての適否を判断するために行う試験
以上、CBRについて、CBRの意味や試験法などを解説しました。
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施工管理技士の資格は国家資格なので、一人前の技術者の証になります。
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