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水準測量のとき野帳にどういうルールで書けばいいのわからない
野帳を見返したときに何が書いてあるかわからない
水準測量の際にミスが多い・・・
こんな悩みを解決します。
野帳の書き方って、専門用語も多くてわかりにくいですよね。
でも、キチンとした書き方を理解して実践できていれば、自分で検算したときにも間違いに気が付きやすいですし、確認として第3者にも見てもらいやすいとメリットばかりです。
なので、本記事では、野帳の書き方の基本について、具体的な計算事例を交えて解説します。
最後まで読んで、レベルを使った測量 (水準測量) における野帳の書き方をマスターしてください。
水準測量の際における野帳の書き方
水準測量の基本
野帳の種類について
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
当サイトの運営者ぜねたの詳しいプロフィールは、コチラです。
また、丁張のかけ方については[土木工事における丁張のかけ方!丁張について元ゼネコンマンが徹底解説【若手技術者向け】]で詳しく解説しています。
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水準測量ってどんな測量ですか?
レベルと呼ばれる測量機械を使って、任意の点の標高を算出する測量方法です
水準測量は、既に標高がわかっている水準点を利用して、高低差を測定することで任意の点の標高を求める測量です。
レベルと呼ばれる水準儀を用いて、 高低差を計測します。
言葉で言ってもイメージしにくいので、図で表しました。
こちらの図のように、高さが既知の点(KBM)と任意の測点にスタッフを立てて、目盛を読むことで標高差の差を算出する測量方法です。
水準測量の計算方法における基本的な考え方について、解説します。
以下の内容が本質的な内容なので、計算方法の基本を覚えてください。
水準測量の計算方法
・既知点から機械高さを計算
・機械高さから高さが未知の点を計算
水準測量の計算方法は、「高さが既知の点を使って、未知の点を計算して明かにする」方法です。
この本質的な内容さえ覚えておけば、実際に計算していく中で、現場で焦ってしまい具体的な書き方を思い出せなくても、正しい答えを計算することができます。
なので、”水準測量は既知の点を使って未知の点の高さを明らかにする”という本質部分を頭にいれてください。
ということで、具体的な計算例を解説しきたいのですが、その前に、まずは水準測量で使う専門用語について解説します。
いくら計算方法を解説しても、まずは専門用語が理解できていないと、解説したところで理解が進みません。
なので「ちょっと用語には自信がないかも…」って方は、まずは用語についての解説をぜひ読んでください。
(※早く計算例を見たい方や、用語について自信がある方は読み飛ばしてください)
BS とかIHとか、測量で使う用語がよくわかりません
測量には専門用語が多いので、まずは測量の際に使う用語を覚えましょう
まずは、水準測量(レベルを用いた測量)で使う用語について解説します。
工事関係者と打ち合わせの際には、知らないと恥ずかしいので、必ず覚えてください。
BM :Bench Mark (ベンチマーク) 基準点
水準測量において標高が既知の点。
基本は公共基準点などを使いますが、広い現場などはBMから仮のBM(KBM)を用いる場合があります。
FS :Foresight (フォア・サイト) 前視
GH の高さを知りたい (測量したい地点)の高さを見た時の数字
BS:Backsight (バック・サイト) 後視
BMにスタッフを立てて高さを見た時の数字
既知点にスタッフを立てることで、機械の高さがわかります。
既知点+BS(後視)= 機械高
計算方法については、後ほど詳しく解説します。
IH:Instrument Height (インストゥルメント・ハイ) 機械高
レベルを据え付けた際の視準線の高さのこと
GH :Ground Height (グラウンド・ハイ) 地盤高さ
地盤面の高さ
水準測量を行って、このGHを求めていきます。
FH :Formation Height (フォーメーション・ハイ) 計画高さ
計画 (設計) している高さです
これから作る工事目的物の計画高さです。
TP : Turning Pointt (ターニングポイント) もりかえ・据替え点
水準測量で 「距離が長い」 「障害物で見えない」といった場合に、レベルを据替えて測量します。 その際に使用する中継地点のことTP は前視と後視の両方で使用する測点になります。
用語の意味は分かってきました
では、次に水準測量でどのように野帳を使っていくか、実際に記入する方法を解説していきます
野帳を正しく使うことで、
「野帳を見返したときに内容がわからない」なんてことがなくなり、点検がしやすく、ミスにも気が付くことができます。
測量する時はどうしても、バタバタになってしまうと思いますが、最低限の基本の書き方は押さえましょう。
具体例を交えて解説しますので、今一度確認しましょう。
まずは野帳の左側を以下のように準備しましょう。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
あ |
右側はメモ代わりや、 測点の補足など、 自由に使いましょう。
レベルを作った測量は、簡単に解説すると以下の3STEPです。
①BM、KBMにスタッフを立てて後視の値を読む
②高さを知りたい場所にスタッフを立てて前視の値を読む
③測定した結果をもとに、高さを計算する
測点が増えると、②と③の数が増えていきます
今回は、具体的な事例として
仮BM:10.000
後視(BS):1.213
前視(FS):2.563
の場合で解説します。
① 機械高さ計算する
BM又はKBM に後視で読んだ値をプラスして機械高さを計算します。
IH=GH(KBM)+BS
今回はKBMが10.000で、後視が1.213なので野帳に記入します。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
1.213 | 10.000 |
そして、GHの10.000と、後視の1.213を足した値を、IHに記入します。
(10.000+1.213=11.213)
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
1.213 | 11.213 | 10.000 |
②測定したい地盤(場所)の高さを計算する
機械高さから、 前視で読んだ値を引いて地盤高さを計算します。
GH = IH – FS
前視が2.563なので、FSに2.563を記入します。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
1.213 | 11.213 | 10.000 | ||
① | 2.563 |
そして、IHの11.213から、前視の2.563を引い値を、GHに記入します。
(11.213-2.563=8.650)
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
1.213 | 11.213 | 10.000 | ||
① | 2.563 | 8.650 |
③計画高さと地盤の高さを計算する
事前に計算しておいた計画高さと、 実際に測定した地盤の高さの差を計算します。
差 = FH – GH
測点 | BS | IH | FS | GH | FH | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.213 | 11.213 | 10.000 | ||||
① | 2.563 | 8.650 | 8.350 | -0.3 |
+ーの符号に注意してください。
実際に、この計算例を見てもらってわかると思うのですが、すべて単純な単純な引き算足し算です。
その分間違いがないように、 わかりやすく書きましょう。
基本のルールを押さえることで計算がしやすくなります。
ミスを減らすためにも、誰が見てもわかるような野帳の書き方をマスターしましょう。
測量には必ず、誤差が生じます。
精度の高い測量するためには、誤差をいかに抑えられるかが重要なポイントです。
注意点
・レベルのスタッフを立てる位置の間隔は50m以内
・前視と後視なできるだけ等距離(視準軸誤差、球差、気差をなくすため)
縮尺の温度補正などにも注意しましょう
基本の書き方は理解できました
次に応用として 「測点が複数」 「機械を据変えて測量」の2つの場合を詳しく解説します
先ほどの基本的な計算方法に加えて、以下の2つの場合があります。
・測点が複数の場合
・機械を据替えて測量する場合
この場合、どうやって測量野帳に記入して計算するのか、それぞれ詳しく解説します。
測点が複数ある場合の計算方法ですが、 前視の数に伴う測量の回数と計算が増えるだけで、特別な計算方法などはありません。
機械を据え変えなければ、測点が増えても機械の高さが同じなので、機械高を同じ値で計算することができます。
測点ごとの読み値を前視の列に記入して、最初に計算した機械高さから引くだけです。
言葉だけよりも実際の計算例題をみた方が、理解が深まると思うので、具体的な計算例を使って解説します。
測点が複数の場合
読み | |
---|---|
後視 | 1.213 |
側点① | 2.563 |
側点② | 1.784 |
側点③ | 3.946 |
※KBM の標高が10,000
この場合の計算例を順番に解説します。
まずは先ほどと同じように、後視とKBMの高さから、機械高さを計算します。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 |
次に、測点の計測結果を記入します。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | |||
測点② | 1.784 | |||
測点③ | 3.946 |
計算した機械高から、それぞれの測点の前視の値を引きます。
例
測点3の場合:11.213-3.946=7.267
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | 8.650 | ||
測点② | 1.784 | 9.429 | ||
測点③ | 3.946 | 7.267 |
次に、機械を据替えて測量する場合について解説します。
とはいっても、基本的な計算方法は変わらず、足し算引き算で計算です。
高さが明らな点を中継地点TPとして利用し、機械高を複数回算出して計算していく方法になります。
具体的な例を交えて解説します。
TP点を利用する場合
読み | |
---|---|
KBM | 1.213 |
側点① | 2.563 |
側点②(TP) | 1.784 |
まずは先ほどと同じように、後視とKBMの高さから、機械高さを計算します、
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 |
次に、測点の計測結果を記入します。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | |||
測点② | 1.784 |
計算した機械高から、 それぞれの測点の前視の値を引きます。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | 8.650 | ||
測点② | 1.784 | 9.429 |
次に、機械を据替え測点②を TP点として利用した場合について解説していきます。
以下の場合を例に解説します
読み
読み | |
---|---|
測点② | 2.567 |
側点③ | 1.235 |
側点④ | 2.435 |
まずは、TP点として利用した測点②の読み値を、測点②のBS に記入します
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | 8.650 | ||
測点② | 2.567 | 1.784 | 9.429 |
そして、測点②のGH と、 機械を据替えた後に測点②の読み値から機械高さを算出します。
例
測点②GH+BS=9.429+2.567
= 11.996
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | 8.650 | ||
測点② | 2.567 | 11.996 | 1.784 | 9.429 |
その後は、以前の解説と同じです。
測点を記入し、 その読み値をFSに記入します。
測点②の機械高さから、それぞれの測点の読み値を引きます。
測点 | BS | IH | FS | GH |
---|---|---|---|---|
KBM | 1.213 | 11.213 | 10.000 | |
測点① | 2.563 | 8.650 | ||
測点② | 2.567 | 11.996 | 1.784 | 9.429 |
測点③ | 1.235 | 10.761 | ||
測点④ | 2.435 | 9.561 |
複数回、機械を据替えた場合も同じように計算できます。
野帳はどこで手に入りますか?
本屋さんにも売ってますし、ネットでも買えますよ。
実は野帳というのは建設業界以外にも、 熱狂的なファンがいる嗜好品です。
野帳にも種類があるので、この際にご紹介します。
野帳の種類と付属品
・ノーマル
・防水タイプ
・野帳カバー
こちらは「鬼滅の刃」無限列車 限定公式グッズになります。
まずは、定番の測量野帳です。
硬い表紙が特徴で、現場で立ったまま執筆できます。
中身の紙に種類があり、3種類に分かれています。
・スケッチ用の白紙
・3mm方眼紙
・レベル用
・トランシット用
私はレベル用の野帳をずっと使っています。
現場作業を行う上で非常に便利なのが、防水タイプの野帳です。
雨が降っている時でも、紙がふやけずに書けるので重宝しています。
ちなみに、ボールペンで書いてしまうと濡れた時に滲んでしまったり、最悪の場合インクが消えてしまうので、私が書くときはシャーペンを仕様してます
値段は少し割高ですが、現場で働く人には必須の一冊です。
実は、野帳カバーというものも販売されています。
汗や雨などで濡れてしまう野帳のダメージを押さえることができます。
私も現場用に普通、防水と2つの野帳をカバーに入れて使っています。
現場ではメモかわりに防水野帳を使っていて、 日々の記録 (生コンの打設日など)として普通の野帳を活用していました。
水準測量における野帳の書き方について解説しました。
水準測量野帳を使った計算の方法が理解できたと思います。
・水準測量の際に左右のページを上手く使う
・測量は誤差をいかに抑えられるかが重要
・野帳は本屋やネットで手に入る
以上、水準測量における野帳の書き方を解説しました。
なお、1級又は2級土木施工管理技士の受験を予定されている方には、[独学サポート事務局って口コミや評判良くて、実績もすごいけどどうなの?実際に利用した結果 【論文の代行は効果アリ】]で詳しく解説しています。
技術者として一人前の証を手に入れたい方は、独学サポート事務局を検討してみる価値はあります。
18年間で58,000名の合格者を出している老舗のサービスです。
会社の同僚がこのサービスを利用して合格したので、受験を予定されている方は利用を検討してみてもよいのではないでしょうか。
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『つちとき』にコメントする
コメント一覧 (1件)
こんにちは、いつもお世話になっております。
例題の IH(機械高)は、10.0+1.234で11.234になると思います。
ご確認お願い致します。