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床掘りってどんな作業ですか?
床掘りの作業方法は?
床掘りを行う上で決まりや法律ってありますか?
本記事ではこんな悩みにお答えします。
建設業界関連で11年間働いた私が解説します
床掘り作業って、「どんな作業ですか?」って、質問されてもなかなか明確に答えにくい質問ですよね。
土木の現場監督として7年働いてきた私でも、実は恥ずかしながら勘違いしていた部分がありました。
そこで、本記事では「床掘りとはどんな作業か」 だけでなく、床掘りに関するきまりや詳しい作業内容についても解説します。
なお、床掘り作業に関して”よくある質問”を最後にまとめているので、ぜひ最後まで見てください。
・床掘りの作業内容
・床掘の作業手順
・床掘りの法律や安全対策
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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床掘りってどんな作業ですか?
床掘りとは”施工基面より下”を掘り下げる作業で、”埋戻しを伴う作業”です
床掘り とは、土工事において現況地盤又は施工基面から土などを掘り下げる作業です。
構造物の構築または撤去を目的として行う作業であり、 構造物の構築後に ”埋戻し”を伴う箇所の作業をいいます。
構築した構造物を設置した後に、 必ず埋戻しが発生する作業なので注意して下さい。
床掘り: 構造物の構築や撤去を目的に行う掘削作業で、 埋戻しが発生する作業
床掘りは“とこぼり “ と読みます。
知らないと “ゆかぼりと読みがちなので注意してください。
また、 漢字は “堀”ではなく、“掘“なので間違えないように気をつけましょう。
床掘りを行うにあたって法律などで決まっていることはありますか?
法面の勾配や、 土留め工の有無など決まりがあるので解説します
床掘りの作業も、法律が関係していて”きまり”があります。
ここでは、掘削の勾配や余裕幅について解説します。
国総研 (国土技術総合研究所) の資料によると、 床掘りにおいてオープン掘削時の勾配は、以下のとおりです。
オープン掘削時の勾配
土質区分 | 掘削面の高さ | 床掘り勾配 | 小段の幅 |
---|---|---|---|
中硬岩・硬岩 | 5m未満 | 直 | ー |
全掘削高5m以上 | 1:0.3 | 下からH=5m事に1m | |
軟岩Ⅰ・軟岩Ⅱ | 1m未満 | 直 | ー |
1m以上5m未満 | 1:0.3 | ー | |
全掘削高5m以上 | 1:0.3 | 下からH=5m事に1m | |
レキ質土・砂質土・ 粘性土・岩塊玉石 | 1m未満 | 直 | ー |
1m以上5m未満 | 1:0.5 | ー | |
前掘削高5m以上 | 1:0.6 | 下からH=5m事に1m | |
砂 | 5m未満 | 1:1.5 | ー |
前掘削高5m以上 | 1:1.5 | 下からH=5m事に2m | |
発破などによって 破壊しやすい状態に なっている地山 | 2m未満 | 1:1.5 | 下からH=2m事に2m |
土質と掘削面の高さによって、勾配は異なります。
例えば、
直高1m の中硬岩を掘削する場合、直掘りでOKです。
また、土砂を掘削してU字溝などを敷設する場合、直高 50cmの場合でも1:1.5を確保する必要があります。
掘削する勾配によって切り出しの位置が変わってくるので、安定勾配については覚えておきましょう。
ブクマして何度も読み返せる状態にしておくことをおすすめします
なお、余裕幅については以下のとおりとなっています。
余裕幅
種別 | 足場工の有無 | 余裕幅 |
---|---|---|
オープン掘削 | 足場工なし | 50cm |
足場工あり (フーチング高さ2m未満でフーチング上に足場を設置する場合) | 170cm (50cm) | |
土留め掘削 | 足場工なし (プレキャスト構造物で自立型土留めの場合) | 100cm (70cm) |
足場工あり (フーチング高さ2m未満でフーチング上に足場を設置する場合) | 220cm |
床掘りの余裕幅について、さらに詳しい解説を[床掘りの余裕幅とは?20cm?30cm?【基本は50cmでOK】] の記事で解説しています。
土留めの有無などで、余裕幅の測り方が異なるので、注意してください。
✅床掘りにおいて重要な余裕幅について解説
関連記事 床掘りの余裕幅とは?20cm?30cm?【基本は50cmでOK】
床掘り作業における安全対策として、安定勾配を確保することに加えて、その他に明かり掘削作業における安全対策と同様の対策を行う必要があります。
基本的な安全対策は以下のとおりです。
掘削深さによる対応
・掘削深さ 1.5m を超える場合は、土留工が原則
・掘削深さ2.0m を超える場合は、作業主任者を選任
掘削深さが1.5mを超える場合は、原則として土留工を行う必要があります。
切土面に、その箇所の土質に見合った勾配を保って掘削できる場合を除き, 掘削する深さが 1.5mを越える場合には,原則として土留工を施すこと
国土交通省 『土木工事安全施工技術指針』
掘削深さが大きくなると、地山が崩壊する危険が高くなります。
そのため、床掘り作業においても地山の崩壊を防ぐために、通常の明かり掘削と同じように土留工を施工します。
また、掘削の高さによっては土留工の施工だけでなく、作業主任者の選任が必要です。
作業主任者の専任
2m以上の高さの斜面を掘削する作業を行う際には、 地山の掘削作業主任者を選任しその人が作業を指揮する必要があります
1.5m 以上の掘削では土留めが必要で、 2m以上では作業主任者の選任が必要だということを覚えておきましょう
床掘りの具体的な作業手順が知りたいです
イメージしやすいように床掘りの前後の作業も含めて解説します
床掘りの作業方法について、事前の準備である丁張りをかけるところから、埋め戻しまで床掘りの前後における作業も含めて解説します。
・丁張をかける
・重機で掘削する(床掘り)
・床付けをする
・砕石敷きや均しコンの作業を行う
・構造物を構築する
・埋戻す
それぞれ詳しく解説します。
まずは事前の準備として、掘削の基準となる丁張りをかけます。
・掘削する土質にあった勾配
・工事目的物の大きさ
・余裕幅
を考慮して、現場に則した丁張をかけましょう。
丁張りをかけることで、現場でどのような作業をおこなうのかイメージしやすくなります
丁張りに沿って、BH等の重機を使い床掘りの作業を行います。
掘削する深さ (1.5m以上)では、矢板等を使って土留めが必要です。
安全第一に作業を進めましょう
床掘り作業の完了後には、出来形を計測します。
そのため、掘削の精度を上げて出来形の規格内に収まるように、細かいところは人力による仕上げが必要です。
基準となる丁張りを参考に、スコップやつるはし、ジョレンで高さを整え、仕上げ面をローラーで転圧して平らにします。
床付け作業に関して、さらに詳しい施工方法については、[床付け(とこづけ)とは!?意味や手順、注意点を一級土木施工管理技士が徹底解説!] の記事で詳しく解説します。
✅床付けについて徹底的に解説
関連記事 床付け(とこづけ)とは!?意味や手順、注意点を一級土木施工管理技士が徹底解説!
床付けが完了したら、砕石敷きや均しコンを施工します。
床付けを低めに作っておくことで、砕石や均しコンの厚みを確保し、出来形を確保しましょう。
設計値
・床付けのEL:10.000m
・砕石厚み:100mm
規格値
・床付けの出来形:±50
・砕石厚み:±30
この場合、床付けのELを10mm下げて、9.990mとした場合、砕石厚みが10mm確保できます。
設計値
・床付けのEL:9.990m
・砕石厚み:110mm
この例のように、床付けを下げ目に施行することで、その上に構築する目的物の出来形を確保することができます。
掘削の目的となる構造物を構築します。
・U字溝
・L形擁壁
・重力式擁壁
・橋脚など
場合によっては、足場などを組み作業を行います。
最後の工程が埋め戻しです。
材料の敷き均し→転圧→繰り返し
埋め戻し材料を敷き均し、ローラーなどで転圧を行います。
発注者ごとに埋め戻しにおける1層当たりの層厚が異なるので、しっかりと確認しましょう。
例
1層
200cm
工事目的物に埋め戻しの基準となる高さを明示して、 1層ごとに写真を撮ります。
〇層目
敷き均し状況→敷き均し完了→転圧状況→転圧完了
埋め戻しの写真をきれいに撮るポイントは、 構造物へのマーキング
埋め戻しにおいて施工のポイントは、1層当たりの敷き均し厚さを守っているかどうか。
敷き均し厚みを確認する方法として、 構築した工事目的物にマーキングすることが効果的です。
構築した工事目的物は動かないので、高さの目安として活用できます。
きれいな工事写真を撮ることで「きちんと管理をしているな」という印象を与えることができます
1層当たりの幅で赤と白で交互にマーキングをすることで、誰が見てもわかりやすい写真になります。
とはいえ、「自と赤のスプレーを使ったマーキングは手間がかかるんだよね」 って方にはこんな風に赤白のテープも販売されているので活用してみてはいかがでしょうか?
貼るだけで簡単なのでおすすめの商品です。
床掘りに関して、よくある質問をまとめました
床掘りの作業に関して、 特に必要な資格はありません。
しかし、作業によっては以下の資格などが必要です。
重機による掘削
車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)運転技能講習
2.0m以上の高さを掘削する場合
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習 (地山の作業主任者の選任)
1.5m以上の高さを掘削する場合には、 土留めの施工が必要です。
掘削の深さが1.5mを超える場合には、原則として、土留め工を施すものとする
国土交通省 『建設工事公衆災害防止対策要綱』より
足場の組み立てなどがない場合は、工事目的物から50cmを確保するのが一般的です。
足場の設置する場合には、オープン掘削では工事目的物の設置位置から 1.7m。
土留めを施工する場合には、工事目的物から2.2mの余裕幅を設けましょう。
以上、床掘について解説しました。
・床掘は施工機面より下を掘り下げる作業で、埋め戻しを伴う
・掘削深さ1.5m以上の場合には、土留めが必要
・床掘作業の流れは「丁張をかける」「掘り下げる」「床付け」「砕石敷きや均しコン」「構造物の構築」「埋め戻し」
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