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材料検収ってなに?
どうやって材料検収を行うの?
本記事ではこんな悩みを解決します。
建設工事に携わっている人には、なじみが深い材料検収。
忙しい現場監督にとっては、どうしてもなぁなぁになりがちですが、工事の管理上、重要な工程です。
使用材料に不備があると、大きな手戻りが発生する可能性があります。
ここでは「材料検収とはなにか?」 から、「材料検収をおこなう理由」や「材料検収を行う具体的な方法」を解説しますね。
最後まで読んで技術者として1段階レベルアップしてください。
・材料検収とは何か
・材料検収をやるべき理由
・材料検収の具体的な手順
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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材料検収って何ですか?
現場で使用する材料が基準を満たしているか確認することです。
工事に携わっていると、よく耳にする言葉である材料検収。
意外とフワッとした言葉のため、本ブログでは以下のように定義します。
現場に搬入した材料が注文通りの数量、規格、品質であるか否か検査したうえで引き取ること
材料検収を行う理由は、設計図書で定めた規格を満たした仕様の材料であるのか確認する必要があるから。
間違った材料で工事目的物を構築してしまうと致命的です
では、どうやって設計図書の規格を満たしているのか、確認するのか解説しますね。
具体的な方法は発注者によって異なりますので、あくまで一般的な方法を解説します。
工事の受注者は、工事に使用する材料の品質を証明する資料を保管し、監督員に提出をします。
材料の品質を証明する資料
・試験成績表
・ミルシート等の品質規格証明書
ミルシート: 鋼材証明書
その中で、 設計図書において監督員の検査が必要とされている材料については、事前に提出した資料と同じ材料かどうかの検査を受ける必要があります。
資料で提出した材料が仕様をみたいしているかもしれませんが、実際に搬入した材料が書類と異なる材料であっては大問題です。
また、 JIS規格に適合した材料は、基本的にはJISマークの確認でOKです。
品質証明の資料の提出は不要となります
いずれも、発注者によって異なりますので、必ず発注者の仕様を確認してくださいね。
発注者ごとに検査の基準が異なるので注意
さらに具体的な材料検収の方法は、「材料検収の具体的な手順」で詳しく解説しています。
材料検収をおこなう理由より先に、”具体的な材料検収の方法”を知りたい方は読み飛ばしてください。
材料検収って書類も多いですし、検査も大変です…
その気持ちめちゃめちゃわかります。 でも、大事な工程なんです
材料検収を行う理由は、 現場に搬入する材料が仕様にあった材料であるかどうかを確認する重要な機会であるから。
発注者はそれぞれ設計基準書があり、設計の基準に従って工事で使用する材料を、仕様書等で規格を定めています。
その品質規格を満たした材料を使用することで、設計通りの機能を発揮することができるのです。
なので、必要な書類を整えたり、検査に手間や時間がかかったり、といったことを感じるかもしれませんが、重要な工程なので仕方がありません。
さらに、建設工事において、材料検収を行う理由について具体的に深掘りしていきます。
材料検収を行う理由は、大きく2つです。
・不可視部分の確認ができなくなるから
・将来的な品質補償のため記録に残す必要があるから
この2つの部分をそれぞれ詳しく解説します。
建設工事の特徴として、 品質を確保するためには工事のプロセス上、 完成時には不可視(ふかし)となる部分が多いというものがあります。
代表的なわかりやすい例が、鉄筋です。
鉄筋コンクリートはコンクリートを打設したら鉄筋が確認できなくなる
鉄筋コンクリート構造物は、鉄筋を組み、コンクリートを打設します。
コンクリートを打設してしまったら、 鉄筋は見えなく (不可視に)なってしまい、目視で品質規格を満たした材料なのかどうかを確認するのが困難です。
埋め込まれた状態では、鉄筋の太さやロールマークを確認することができないですよね
なので、 事前に材料を確認し、監督員による立会い確認や写真を撮って記録を残すことが必要です。
建設工事の目的物は、長期間にわたる使用を前提としています。
しかし、長期の使用に伴い、不具合が発生する可能性は避けられません。
特に、地震多発国である日本では、構造物は様々な外力に晒され、劣化が促進されるリスクが高まります。
このような背景がある中で、将来的な品質保証として、万が一不具合が発生した場合の原因究明のため、工事過程の記録は非常に重要です。
具体的には、工事中の写真、報告書、材料の確認記録などが挙げられます。
特に、材料の規格適合性と実際に搬入された材料の一致を確認する材料検収の写真は、重要な証拠となります。
これらの記録は、将来発生するかもしれない問題の解決に役立ち、建物の安全性と寿命を確保するために不可欠です。
材料検収の大切さはわかりました
最後に具体的な手順を解説しますね
材料検収の具体的な手順について解説します。
発注者によって異なりますが、参考にしてくだされば幸いです。
公共工事の場合
・材料承諾を提出
・工事監督員が、仕様に則った材料であるか確認
・現場に搬入
・承諾と同じものか元請けが確認
・監督員立会いの下写真をとる
となります。
詳しく解説しますね。
まずは、 材料承諾願いという書類を提出し、 発注者に書面で使用する材料を届け出ます。
材料承諾願い
設計図書に記された材料について受注者が使用する材料を届け出ること
発注者によっては、「使用届け」 という場合もあります
試験成績表や性能試験結果など使用する材料の仕様が分かる書類に鑑をつけて、提出します。
鑑は各発注者の書式にあったものを使用して提出してください。
発注者が使用材料が仕様書に定めた品質を満たす材料であることを確認します。
もし、規格を満たしていない材料の場合は、受注者に確認を行い、別の材料を使用させます。
また、検査が必要な場合は、受注者と発注者で調整を行い検査日を決めて検査を行います。
材料承諾の許可が下りたら、現場に材料を搬入しましょう。
搬入状況の写真も併せて撮っておくと、管理をしていることを証明する証になるので写真も取っておきます。
搬入状況の写真も撮っておければ⭕️
忙しい合間を縫って写真を撮るのは、手間かもしれませんが 「もし何かあった時」の自己防衛になります
受注者は、搬入した材料が品質を満たすものかどうか、現場で現物を見て確認します。
わかりやすい例が、鉄筋のロールマークです。
鉄筋のロールマーク
鉄筋の表面に表記されている突起のこと
現場で判断できるように、鉄筋の材質に応じて印がついています。
SD295 | マークなし |
SD345 | 突起1個 |
SD390 | 突起2個 |
SD490 | 突起3個 |
鉄筋の材質が間違っていたら大問題です
忙しい現場監督からすると、どうしても作業を優先して写真を撮ることを目的としてしまいがちですが、間違った材料を搬入して手戻りとなっていまうことが一番のロスなので、自分の目で確認しましょう。
現場に搬入した材料が品質を満たすものと確認ができたら、監督員立会いの下、材料承諾にあった材料かどうかを確認してもらいます。
黒板に以下のように記載しましょう。
タイトル: 材料検収
使用場所:○○大橋P1橋脚
搬入資材名:異形鉄筋
入荷数量 仕様 : D19L=3500mm×◯本
D19L=5000mm×◯本
こんな風に、どんな材料が、どこで何個搬入するのか、
注意: 発注者によって、 立会いが必要な材料や頻度が異なる
発注者によって検査が必要な材料や、検査の頻度が異なるのでしっかりと確認しましょう。
材料を使用するまで、その材質に変質が生じないようにすることが大事です。
高品質な構造物を構築するために、保管にも気をつけましょう
ちなみに、公共工事では材料検収を終えた材料を使用するにあたって、注意点があります。
それは、材料を他の現場に流用すること
材料の流用は禁止
多く仕入れても余ったら他の現場で使えばいいや。 は原則禁止されています。
正確には発注者によって異なると思いますが、 仕様書で定められているので、チェックしましょう。
えー、そんなの当たり前にやっているよ。
なんて方は、自己責任でお願いします。
材料検収時に”よくある間違い”について、解説します。
・立会い時の材料の保管方法
・材料承諾の提出が遅れる
実際、JISマークの確認不足や、数量の確認不足もごく稀に起きますが、それほどの頻度ではありません。
準大手ゼネコンにおいて土木の現場監督として7年間働いてきた中で、発注者から指摘された内容や、会社の中で共有されていた指摘事項について紹介します。
基本的に材料の直置きは避けましょう。
なぜなら、材料に泥や土といった異物が付着することで、工事目的物の品質低下につながるから。
とはいえ、国土交通省の土木工事共通仕様書では、鋼材以外の材料について、直置きがダメかどうかの記載はありません。
受注者は、工事材料を使用するまでにその材質に変化が生じないよう、これを保管しなければならない。
国土交通省『土木工事標準仕様書』 第2章材料編 第1章 一般事項
しかし、材料を床に直置きすると、泥や土が付着し、品質低下につながる可能性があります。
本来付着するはずのない異物が混入することで、製品の品質が損なわれるだけでなく、材料検収時に発注者に悪い印象を与えてしまう可能性もあるので要注意です。
逆の立場で考えてみましょう。
あなたが、発注者の立場だった時に、
①地面に直接材料を置いている
②ブルーシートを設置し、その上にバタ角を敷いて材料を置いている
どちらの受注業者の方が管理をしていると感じますか?
ほとんどの方が後者ですよね?
発注者に対して、管理をできる業者であるとアピールすることも大事なことです。
これもよくある例ですが、材料検修の後に材料承諾を提出することは、大きな間違いです。
材料承諾は現場に搬入した材料が提出した書類と合っているかどうかを確認する行為であるため、材料承諾を出すのが先なので、順序が異なります。
そのため、現場で材料の確認を行ってから書類を後に提出していては、現場に搬入した材料を何と照合すればいいのか、発注者も困ってしまいます。
材料検収を行っているときは、発注者の方が何も言ってこないかもしれませんが、本来の手順から逸脱した行為です。
現場が忙しいと工事書類関係は後回しにしがちですが、発注者の印象は悪くなるので注意してください
材料検収について、 まとめました。
・材料検収とは、 現場に搬入した材料が注文通りの数量、 規格、品質であるか否か検査したうえで引き取ること
・材料検収は建設工事の特徴から、品質を満たした材料を使用しているかを確認するために必ず必要な行為
・具体的には、「材料承諾を提出」 「工事監督員が、 仕様に則った材料であるか確認」「現場に搬入」 「承諾と同じものか元請けが確認」「監督員立会いの下写真をとる」
以上、 現場管理の参考になれば幸いです。
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