盛土とは!?元ゼネコンマンの1級土木施工管理技士が解説
先輩達の会話によく出てくる「モリド」って何ですか?
モリドとは盛土のことです。
なるほど、土を盛るから盛土ですね。どのような意味ですか?
盛土とは、低い地盤や斜面に土を盛って地盤面を高くする作業です。
盛土って何!?
盛土ってどんな作業
盛土をする時の注意点は!?
こんな悩みを解決します。
盛土について解説
盛土に使う材料について
盛土の施工について
これの記事では、盛土について解説しています。
読み終えれば、土工事では必須の盛土について、盛土に適した材料や管理の方法を理解できます。
執筆者
1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンが盛土について解説します。
なお、土工事ででてくる土量の変化率について知りたい方は、コチラの記事で詳しく解説しています。
盛土って何?
モリドって何のことですか!?
盛土は人工的に土を持って造った土地のことです。
盛土とは、低い地盤や斜面に土を盛って地盤面を高くすることをいいます。
地山とは異なり人工的な地盤になります。
道路土工要綱では、盛土は以下のように定義されています。
路床面を現地盤より高くするために原地盤上に土を盛り立てて築造して道路の部分を盛土部といい、原地盤から路床まで盛り立てた土の部分を盛土という。
『道路土工要綱(平成21年度版)』社団法人日本道路協会(P4)
一般的に地山に比べて強度がない地盤となります。
地山について知りたい方は、地山とは?元ゼネコンマンの1級土木施工管理技士が徹底解説で詳しく解説しています。
盛土で使う土の性質
学生のころに勉強しましたが、土質力学は苦手でした。
建設業に従事する限り土とは長く付き合うので基本から見直しましょう。
基本的に、土は「土粒子」と「水」と「空気」による3相構造でできています。
土は「土粒子」が骨格となり、それを取り囲む隙間は主に「水」と「空気」で構成されています。
盛土の材料である土の性質
土は建設材料の中でも、安価で材料の性質が安定したものです。
さらに土は天然の素材であることから、あらゆる地域に存在します。
しかし、天然素材ゆえ品質のばらつきもあります。
盛土に用いる材料に要求される性能は以下の通りです。
- トラフィカビリティ(走行性)がよいこと
- せん断強さがあり、圧縮性が小さく、浸食に対して強いこと
- 木の根や、草など有機物を含まないこと
- 膨張性の大きいベントナイトや、有機土などを用いないこと
盛土の材料には、施工が容易で、盛土の安定性を保ち、かつ有害な変形が生じ無いような材料を用いる必要があります。
盛土の造り方
盛土についてなんとなく理解できました。
では次に盛土の作業手順を見ていきましょう。
盛土材料を搬入するまたh、場内の発生土を受け入れます。
締固め厚さが30cm以下になるように均一に敷均します。
※路床の場合は20cm以下です。
排水を考慮するために、縦横断勾配に留意して水が盛土内に侵入しないように締固めます。
盛土の締固め作業は土に含まれる空気を少なくし、土の強度を確保する作業です。
十分に締固められた土は、雨による影響で軟化しにくく強度や支持力が大きくなります。
盛土の品質は、締固め度で管理します。
盛土の品質管理
盛土の品質管理では、締固め度で管理するのが一般的です。
締固め後の盛土の密度に対し、原位置試験や室内試験による測定値に対する比で表します。
締固め度(Dc)=現場密度/室内試験での最大乾燥密度×100%
国土交通省の道路工事で対象土が砂質土の場合の締固め度は以下の通りです。
工種 | 締固め度(Dc) |
---|---|
路体 | 90%以上 |
路床 | 95%以上 |
盛土の施工上の注意点
盛土の施工の注意点は以下の2点です。
- 雨等の排水処理
- 地山と盛土の切盛境
高品質な盛土を作るためには、水の処理と切盛境での段切りでの施工になります。
盛土の施工に関して詳しくは、法面の安定勾配とは!?5秒で解決!で解説しています。
盛土について【まとめ】
盛土について、材料から施工方法や施工上の注意点や管理の方法について解説しました。
土工事の基本なのでしっかり理解しましょう。
盛土(もりど)は土を持って地盤を高くする作業
土は建設材料の中でも、安価で材料の物理的な性質が安定したもの
盛土の施工は雨水が入らないように注意しましょう
以上、盛土について解説しました。
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