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半たわみ舗装って聞いたことはあるけど、実際どんな舗装なのかよくわからない…
施工方法も複雑そうで、どんな管理をすればいいかわからない…
このように感じている方のためにこの記事を書きました。
半たわみ舗装は、コンクリート舗装とアスファルト舗装の中間に位置する舗装で、加熱アスファルト化合物を補説した後に、セメントミルクを浸透するという施工方法です。
アスファルト舗装とは少し異なる工程となるので、材料の選定や施工上の注意点する点など、高品質の舗装を構築するためには、気をつけるポイントがいくつかあります。
そこで、本記事では準大手ゼネコンで7年間土木の現場監督として働いてきた著者が、現場経験に基づいて初心者にもわかりやすいように、半たわみ舗装の施工方法を解説します。
建設業界関連で11年間働いた私が解説します
本記事では、それぞれの仕事内容や必要な資格について詳しく解説していきます。
・半たわみ舗装の概要と特徴
・半たわみ舗装の施工手順
・セメントミルクの試験と施工方法
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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半たわみ舗装は昭和39年に日本に導入された舗装で長い歴史をほこる工法です。
半たわみ舗装の施工は、適切な手順とポイントを押さえることで、高品質な舗装を実現できます。
この記事では、7年間現場監督として培ってきた筆者の経験に基づき、半たわみ舗装の施工方法を、初心者の方にも分かりやすいように丁寧に解説していきます。
以下では、半たわみ舗装の概要と特徴、使用場所、そして他の舗装工法との比較について詳しく解説していきます。
半たわみ舗装とは、アスファルト舗装とコンクリート舗装の中間に位置する舗装工法です。
空隙率が20〜25%のポーラスアスファルト合材(開粒度アスファルト化合物)にセメントミルクを浸透させた舗装となります。
アスファルトの柔軟性とコンクリートの強度、両方のメリットを併せ持っているのが特徴です。
半たわみ舗装は、空げき率の大きな開粒度タイプの半たわみ性舗装用アスファルト混合物に、浸透用セメントミルクを浸透させたものである。
社団法人 日本道路協会『アスファルト舗装要項』 P192
「アスファルト舗装はひび割れしやすい」「コンクリート舗装はコストが高い」と考えている方が多いと思います。
半たわみ舗装はアスファルト舗装とコンクリート舗装の中間に位置する舗装になります。
半たわみ性舗装は以下の特徴と利点を持ちます
・塑性変形抵抗性に優れ、わだち掘れの発生を抑制できます
・耐油性と難燃性に優れています
・明色効果があり、顔料の添加で着色することもできます
・摩耗抵抗性が高く、路面温度の低減効果があります
・コンクリートと舗装に比べて養生期間が短い
主な特徴をそれぞれ詳しく解説します。
耐久性と変形抵抗性
半たわみ性舗装は、塑性変形抵抗性に優れており、わだち掘れの発生を効果的に抑制します。
これは、アスファルトのたわみ性とコンクリートの剛性を兼ね備えているためです。
耐久性と変形抵抗性により、重交通道路や頻繁に車両が停止・発進する場所での使用に適しています。
耐油性と難燃性
この舗装は優れた耐油性と難燃性を持っています。
これらの特性は、ガソリンスタンドや工場など、油類の漏洩や火災のリスクがある場所での使用に適しています。
明色性と着色可能性
半たわみ性舗装は明色効果があり、顔料を添加することで様々な色に着色することができます。
この特性は、視認性の向上や景観の改善が求められる場所で特に有用です。
例えば、トンネル内での視認性向上や、公園、商店街などでの景観向上に活用できます。
摩耗抵抗性と温度低減効果
高い摩耗抵抗性を持ち、路面の温度低減効果もあります。
これにより、舗装の寿命が延び、都市部のヒートアイランド現象の緩和にも貢献する可能性があります。
施工と養生
半たわみ性舗装の施工は比較的迅速で、養生期間も短いのが特徴です。
コンクリート舗装とは異なり、養生期間も短い期間で交通開放を行うことができます。
セメントミルクの種類によって養生時間が異なりますが、早強タイプで1日、超速硬タイプで3時間程度となっています。
これにより、工事による交通への影響を最小限に抑えることができます。
半たわみ性舗装は、アスファルト舗装の柔軟性とコンクリート舗装の剛性を組み合わせた舗装方法であり、適切な材料選択と施工管理により、高い耐久性と機能性を発揮します。
半たわみ舗装は、その特性から様々な場所で活用されていて、以下のような場所に特に適しています。
半たわみ舗装が活用されている場所
1. 交差点付近
2. バスターミナルやバス停
3. 料金所
4. トンネル内
5. パーキングエリア
6. 工場構内
7. 倉庫内床
8. エプロン(空港の航空機駐機場)
特に大型バスなどの大型車両が通行し、交差点付近といった一時的に大型車両がとまる一時的に止まるような場所で広く活用されています。
これらの場所では、耐流動性、耐油性、明色性、視認性などが要求されるため、半たわみ性舗装の特性が効果的に活用されます。
このように、半たわみ舗装は様々な用途に適した、汎用性の高い舗装工法です。
半たわみ舗装以外にも、様々な舗装工法が存在します。
それぞれの工法にはメリット・デメリットがあり、用途や予算に合わせて最適な工法を選択することが重要です。
代表的な舗装工法には、以下のようなものがあります。
アスファルト舗装:比較的安価で施工しやすい工法ですが、耐久性が低く、ひび割れしやすいというデメリットがあります。「費用を抑えたいけれど、耐久性も確保したい」という方には、半たわみ舗装が適しているでしょう。
コンクリート舗装:耐久性が高く、長寿命ですが、施工費用が高額になりがちです。予算に余裕があり、補修が困難な場所(トンネル、立体駐車場)といった場合に適しています。
それぞれの舗装工法の特徴を理解し、用途や目的に合わせて最適な工法を選択することが大切です。
半たわみ舗装は、耐久性、柔軟性、経済性のバランスに優れているため、多くの場面で有効な選択肢となるでしょう。
半たわみ性舗装の現場施工は、以下の手順で行われます
1. 開粒度アスファルト混合物の舗設
2. セメントミルクの浸透作業
3. 余剰セメントミルクの除去
4. 養生
それぞれ詳しく解説します。
開粒度アスファルト混合物の舗設は、アスファルトフィニッシャーを用いて敷均しを行います。
一般的な密粒や粗粒の施工と同じように、温度管理が重要です。
敷均し時の混合物の温度は120℃以上とし、初期転圧は110℃以上で行います。
敷均し温度:120℃以上
初期転圧温度:110℃以上
なお、使用する配合は『アスファルト舗装要項』で、以下の配合が標準的な配合とされています。
ふるい寸法 | 混合物の種類 | ||
---|---|---|---|
Ⅰ型 | Ⅱ型 | ||
通過質量百分率(%) | 26.2mm | 100 | |
19mm | 100 | 95〜100 | |
13.2mm | 95〜100 | 35〜70 | |
4.75mm | 10〜35 | 7〜30 | |
2.36mm | 5〜22 | 5〜20 | |
600μm | 4〜15 | ||
300μm | 3〜12 | ||
75μm | 1〜6 | ||
アスファルト量(%) | 3.0〜4.0 | ||
セメントミルクの最大浸透厚佐野標準 | 5cm前後 | 10cm前後 |
グラウトミキサを用いてセメントミルクを練り混ぜ、ポンプなどで圧送して、施工面に流し込みます。
しかし、セメントミルクの自重だけではアスファルト中にうまく浸透していきません。
そのため、ゴムレーキを用いて敷均し、振動ローラー等で十分に転圧を行い、浸透させます。
路盤の施工や舗装の作業と同じように、転圧作業が重要です。
空隙の大きな開粒度アスファルト混合物を使用するため、振動ローラーなどを用いて転圧を行うことで、アスファルト中にセメントミルクが浸透していきます。
なお、セメントミルクの浸透作業は、合材の温度が50℃以下になってから行います。
浸透作業は合材の温度50℃以下
また、セメントミルクの施工前に周囲の保護と清掃を必ず行います。
舗装面を十分に清掃し、必要に応じてマスキングテープやマスカーテープなどを用いて、用排水構造物などにセメントミルクがつかないように保護をします。
コンクリート舗装の施工や、コンクリート構造物の打設作業と同じように、清掃作業も重要な工程です。
施工が完了した後には、余剰なセメントミルクを除去を行います。
転圧後、全浸透を確認し、余剰のセメントミルクをゴムレーキ等で削りとることで、所定の強度を確保することが、高品質な半たわみ舗装に重要なことです。
半たわみ舗装のセメントミルクの施工においては、コンクリート舗装と同じように、強度が確保できるまで養生が必要です。
セメントミルクの種類に応じた養生時間を確保します。
セメントミルクの種類 | 養生時間 |
---|---|
普通セメントタイプ | 約3日 |
早強タイプ | 約1日 |
超速硬タイプ | 約3時間 |
これらの注意点を踏まえ、丁寧に作業を進めることで、均一で高品質な舗装を構築することができます。
半たわみ舗装の要と言える作業がセメントミルクの浸透作業です。
ここでは、セメントミルクの種類や現場で行う品質管理試験の方法や、詳しい施工方法について解説します。
半たわみ性舗装に使用するセメントミルクには、主に以下の3種類があります。
1. 普通タイプ: 養生時間が約3日
2. 早強タイプ: 養生時間が約1日
3. 超速硬タイプ: 養生時間が約3時間
一般的に、交通開放を早く行う必要がある場合は超速硬タイプが使用されます。
即日解放が必要な道路の補修工事などでは、超速硬タイプがマストです。
セメントミルクの品質管理試験には、以下の項目の試験を行います。
1. フロー値試験: Pロートを使用し、流下時間が10〜14秒の範囲内であることを確認する
2. 圧縮強度試験: JIS R 5201に基づき、7日養生後の圧縮強度が9.8〜29.4 MPaであることを確認する
3. 曲げ強度試験: 舗装試験法便覧5-3-8に基づき、7日養生後の曲げ強度が2.0 MPa以上であることを確認する
フロー試験は、セメントミルクの流動性を調べる試験です。
このような試験器具を用いて試験を行います。
(Pロートカエレバ)
フロー値試験の試験方法
・セメントミルクをPロートの垂直部と円錐部の境目まで注ぎます
・Pロートの下部の穴を指で塞ぎ、セメントミルクが漏れないようにします
・指を離すと同時にストップウォッチをスタートさせます。
・セメントミルクが全て流出し、Pロートの穴が見えた瞬間にストップウォッチを止めます
同じミキサーで作られたセメントミルクで2回測定し、その平均値を記録します。
社団法人日本道路協会の『アスファルト舗装要項』では、標準的性状の場合、セメントミルクの流下時間は10〜14秒とされています。
基準値: 10〜14秒の範囲内
基準値を満たすために大事なのは所定の配合を守ることです。
基本的には、カタログなどに標準的な配合が記載されているので、確認しましょう。
例:ホソエース
また、実施の頻度としては、打設日の午前と午後の2回行います。
セメントミルクの圧縮強度が5 N/mm²以上となるまでの時間を交通開放に必要な養生時間とし、現場打設時にテストピースを採取して強度の確認を行います。
今回は、半たわみ舗装の施工方法を学びたい方に向けて、
・半たわみ舗装の概要と特徴
・半たわみ舗装の施工手順
・セメントミルクの試験と施工方法
上記について、準大手ゼネコンで7年間現場監督として培ってきた筆者の経験を交えながらお話してきました。
この記事で紹介した施工方法を参考に、ぜひ実践してみてください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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