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鉄筋の接手ってなんですか?
「接手」とは2つの鉄筋を一つに接合することです。
鉄筋同士をくっつけることですか?
接手の方法は重ね接手、圧接接手、機械式接手など、いくつか種類があります。
こんな疑問を解決します。
継手が必要な理由を解説
継手の種類
継手の位置や長さについて
この記事では、鉄筋の継手の種類や、必要な長さ、接手の位置など詳しく解説します。
これを読み終えれば、鉄筋の接手の基本的な考え方が理解できます。
執筆者
1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンが鉄筋の接手について解説します。
なお、鉄筋のかぶりについては、[鉄筋のかぶりを1級土木施工管理技士が解説]で詳しく解説しています。
なぜ鉄筋に接手が必要なんですか?
製品の都合上、12m以上の鉄筋は作成できないからです。
土木構造物は単品生産のため、場所によって大きさや寸法が異なります。
なので、構造物に必要な鉄筋の長さは異なりますが、作成可能な鉄筋の長さには決まりがあるので鉄筋を接合する必要があります。
鉄筋はJISで定められており、正式には「鉄筋コンクリート用棒鋼」という名称です。
その中で、鉄筋の最大長さが12mと決まっています。
さらに作成した鉄筋は現場に搬入する必要があるので、運搬可能な長さである必要があります。
しかし、建設工事で造られる工事目的物の大きさは12mを超える鉄筋の長さが必要な場合があります。
例えば全長が30mの構造物の場合では、3m+12m +12m +3mのように分割して鉄筋を作成します。
また施工の都合上、12m以下の長さであって分割する場合も多くあります。
その際に、分割した鉄筋を突き合わせただけではコンクリートの付着力が弱いため、一本の鉄筋と同等の性能が発揮できないため、構造上の弱点になる可能性があります。
そこで、分割した鉄筋でも1本の鉄筋と同等以上の強度を発揮させる必要があります。
鉄筋の接手の種類が知りたいです。
重ね接手、圧接接手、機械式接手の主に3種類が使われます。
鉄筋の接手の選定に関する参考資料として、独立行政法人土木研究所が論文を出しています。
~D16 | D19~D25 | D29~D35 | D38~D51 | |
---|---|---|---|---|
重ね継手 | ◎ | ◎ | ||
ガス圧接 | 〇 | ◎ | 〇 | |
機械式継手 | 〇 | ◎ | ◎ |
◎は比較的多用されている継手で、〇は用いられている継手です。
基本的には、D29以上の鉄筋では、施工性などの理由から重ね接手は用いらないです。
また、D38以上の鉄筋では、施工の品質確保と施工性などの理由により機械式接手が採用されます。
現場ではガス圧接より機械式接手の方が管理はラクなんですよね。
契約図書でガス圧接になっている場合でも、発注者と協議の上で「承諾」として機械式接手で施工する場合もあります。
1番施工が容易な継手の方法で、2本の鉄筋を一定の長さ重ねて結束線で結ぶ方法です。
コンクリートとの付着を介して一方の鉄筋に作用する力を伝達します。
重ね継手の応力の伝達としては、鉄筋の定着部と似ているため重ね合わせ長さは基本定着長に基づきます。
定着長さは、コンクリートの設計基準強度に基づく付着強度、鉄筋の強度、鉄筋径の3つの要素で決定されます。
重ね継手については、[重ね継手とは?重ね継手の必要長さや計算方法について元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。
鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合する方法です。
一般的にはガス圧接が用いられます。
接合する2本の鉄筋を研磨して、切り口をあわせ、両者を互いに押さえつけながら、ガスの炎でその部分を溶かして結合する方法です。
天候に左右されるのがデメリットです。
雨が降ると圧接作業ができません。
また、強風の場合にも風が当たらないように遮蔽を施して作業を行う必要があります。
カップラーやスリーブなどの金属を介して2本の鉄筋を結合する方法です。
デメリットとしてはガス圧接に比べてコストがかかりますが、メリットは天候に左右されないことです。
圧接屋さんを段取りしなくてもいいので、鉄筋屋さんの手間待ちがなくなります。
接手の位置は何か決まりがあるんですか?
鉄筋の接手は、部材の弱点にならないようにする必要があります。
鉄筋の接手は構造物の弱点とならないようにするために、
とされています。
基本的には継手同士は互いに鉄筋径の25倍をズラすとなってます。
接手が一断面に集中すると、その部材の強度が低下するおそれがあります。
また、さらに重ね接手が一断面に集中することで、この部分のコンクリートの行きわたりが悪くなりコンクリートが充填されずらくなります。
鉄筋の継手が一か所に集中するいも継手について、[『いも継手』とは!?鉄筋の重ね継手の基準について元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。
鉄筋の継手について解説しました。
コンクリート構造物をつくるうえで、鉄筋の継手は必要不可欠です。
しっかり覚えることで実務に直結し、現場を管理するうえで役に立ちます。
鉄筋の長さや施工性を考えると鉄筋には継手が必要
継手は大きく分けて、重ね継手、圧接継手、機械式継手の3種類
継手の位置は一か所に集めない
以上、鉄筋の接手について解説しました。
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