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ぜねた
元ゼネコンマン/1級土木施工管理技士
元準大手ゼネコン勤務の土木技術者。
一級土木施工管理技士。
ゼネコン時代は安全を第一に
現場を走り回ってました。
現場で学んだ知識や土木に関する知識を
発信しています。
技術士の資格取得を目指して現在勉強中。
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事
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3分で分かる鉄筋の継手!一級土木施工管理技士が徹底解説!

記事内には商品のプロモーションを含む場合があります。
若手技術者

鉄筋の接手ってなんですか?

ぜねた

「接手」とは2つの鉄筋を一つに接合することです。

若手技術者

鉄筋同士をくっつけることですか?

ぜねた

接手の方法は重ね接手、圧接接手、機械式接手など、いくつか種類があります。

  • 鉄筋の接手って何?
  • 鉄筋の接手の種類って何があるの?
  • 接手を設置していい位置は?

こんな疑問を解決します。

本記事の内容

継手が必要な理由を解説

継手の種類

継手の位置や長さについて

この記事では、鉄筋の継手の種類や、必要な長さ、接手の位置など詳しく解説します。

これを読み終えれば、鉄筋の接手の基本的な考え方が理解できます。

執筆者

「つちとき」管理人 元準大手ゼネコン7年勤務 『しくみ図解 土木工事が一番わかる』著者
ぜねた(@GenetaCivil)

1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンが鉄筋の接手について解説します。

なお、鉄筋のかぶりについては、[鉄筋のかぶりを1級土木施工管理技士が解説]で詳しく解説しています。

目次

鉄筋の接手とは!?

鉄筋の接手とは!?
若手技術者

なぜ鉄筋に接手が必要なんですか?

ぜねた

製品の都合上、12m以上の鉄筋は作成できないからです。

土木構造物は単品生産のため、場所によって大きさや寸法が異なります。

なので、構造物に必要な鉄筋の長さは異なりますが、作成可能な鉄筋の長さには決まりがあるので鉄筋を接合する必要があります。

鉄筋の接手の前に、そもそも鉄筋とは?

鉄筋の接手の前に、そもそも鉄筋とは?

鉄筋はJISで定められており、正式には「鉄筋コンクリート用棒鋼」という名称です。

JIS G 3112『鉄筋コンクリート用棒鋼』

その中で、鉄筋の最大長さが12mと決まっています。

さらに作成した鉄筋は現場に搬入する必要があるので、運搬可能な長さである必要があります。

しかし、建設工事で造られる工事目的物の大きさは12mを超える鉄筋の長さが必要な場合があります。

例えば全長が30mの構造物の場合では、3m+12m +12m +3mのように分割して鉄筋を作成します。

ぜねた

また施工の都合上、12m以下の長さであって分割する場合も多くあります。

その際に、分割した鉄筋を突き合わせただけではコンクリートの付着力が弱いため、一本の鉄筋と同等の性能が発揮できないため、構造上の弱点になる可能性があります。

そこで、分割した鉄筋でも1本の鉄筋と同等以上の強度を発揮させる必要があります。

鉄筋の接手の種類とは

鉄筋の接手の種類とは
若手技術者

鉄筋の接手の種類が知りたいです。

ぜねた

重ね接手、圧接接手、機械式接手の主に3種類が使われます。

  • 重ね接手
  • 圧接接手
  • 機械式接手

鉄筋の接手の選定に関する参考資料として、独立行政法人土木研究所が論文を出しています。

~D16D19~D25D29~D35D38~D51
重ね継手
ガス圧接
機械式継手
一般的な施工条件における鉄筋の継手

◎は比較的多用されている継手で、〇は用いられている継手です。

基本的には、D29以上の鉄筋では、施工性などの理由から重ね接手は用いらないです。

また、D38以上の鉄筋では、施工の品質確保と施工性などの理由により機械式接手が採用されます。

ぜねた

現場ではガス圧接より機械式接手の方が管理はラクなんですよね。

契約図書でガス圧接になっている場合でも、発注者と協議の上で「承諾」として機械式接手で施工する場合もあります。

鉄筋の接手①重ね接手

鉄筋の接手①重ね接手

1番施工が容易な継手の方法で、2本の鉄筋を一定の長さ重ねて結束線で結ぶ方法です。

ぜねた

コンクリートとの付着を介して一方の鉄筋に作用する力を伝達します。

重ね継手の応力の伝達としては、鉄筋の定着部と似ているため重ね合わせ長さは基本定着長に基づきます。

定着長さは、コンクリートの設計基準強度に基づく付着強度、鉄筋の強度、鉄筋径の3つの要素で決定されます。

重ね継手については、[重ね継手とは?重ね継手の必要長さや計算方法について元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。

鉄筋の接手②圧接接手

鉄筋の接手②圧接接手

鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合する方法です。

ぜねた

一般的にはガス圧接が用いられます。

ガス圧接

接合する2本の鉄筋を研磨して、切り口をあわせ、両者を互いに押さえつけながら、ガスの炎でその部分を溶かして結合する方法です。

ガス圧接(接合状況)
ガス圧接(接合状況)

天候に左右されるのがデメリットです。

雨が降ると圧接作業ができません。

また、強風の場合にも風が当たらないように遮蔽を施して作業を行う必要があります。

鉄筋の接手③機械式接手

鉄筋の接手③機械式接手

カップラーやスリーブなどの金属を介して2本の鉄筋を結合する方法です。

デメリットとしてはガス圧接に比べてコストがかかりますが、メリットは天候に左右されないことです。

ぜねた

圧接屋さんを段取りしなくてもいいので、鉄筋屋さんの手間待ちがなくなります。

鉄筋の接手を配置する位置

鉄筋の接手を配置する位置
若手技術者

接手の位置は何か決まりがあるんですか?

ぜねた

鉄筋の接手は、部材の弱点にならないようにする必要があります。

鉄筋の接手は構造物の弱点とならないようにするために、

  • 一断面に集中させない
  • 応力が大きい位置では鉄筋の接手を設けないことが望ましい

とされています。

ぜねた

基本的には継手同士は互いに鉄筋径の25倍をズラすとなってます。

接手が一断面に集中すると、その部材の強度が低下するおそれがあります。

また、さらに重ね接手が一断面に集中することで、この部分のコンクリートの行きわたりが悪くなりコンクリートが充填されずらくなります。

鉄筋の継手が一か所に集中するいも継手について、[『いも継手』とは!?鉄筋の重ね継手の基準について元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。

鉄筋の継手【まとめ】

鉄筋の継手について解説しました。

コンクリート構造物をつくるうえで、鉄筋の継手は必要不可欠です。

しっかり覚えることで実務に直結し、現場を管理するうえで役に立ちます。

鉄筋の継手

鉄筋の長さや施工性を考えると鉄筋には継手が必要

継手は大きく分けて、重ね継手、圧接継手、機械式継手の3種類

継手の位置は一か所に集めない

以上、鉄筋の接手について解説しました。

ぜねた
管理人
元準大手ゼネコン勤務の土木技術者。一級土木施工管理技士
ゼネコン時代は安全を第一に現場を走り回ってました。
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事

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