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床掘りの余裕幅ってどこのことですか?
開削で掘削した場合、法尻から工事目的物までの空間のことです。
余裕幅ってどれくらい設計で見込むんですか?
国交省の資料によると、 足場を組み立てない場合は50cmが一般的 です
・余裕幅って何?
・床掘りの際には、余裕幅ってどれくらい見込むの?
・床掘りの勾配はどれくらいみればいいの?
こんな悩みを解決します。
・床掘りの余裕幅
・床掘りの勾配
・床掘りと掘削の違い
この記事では、 床掘りを行う際の余裕幅や安定勾配について解説しています。
これを読み終えれば、構造物を構築するために安全な床掘りを行うことができます。
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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余裕幅ってなぜ必要なんですか?
工事目的物を構築するために、 作業を行う際に必要なスペースです
床掘りを行うには、 作業を行うためのスペースや足場や型枠を組み立てるために、余裕幅が必要です。
この図のように構造物の掘削は、工事目的物の大きさだけでなく、 作業に必要な余裕幅を見込んで掘削します。
掘削の前に法面の勾配や余裕幅によって切り出しの位置が異なるので、「余裕幅をどれだけ見込むのか」というのは構造物掘削を行う上で、 大切な一つの要素です。
掘削の切り出しは以下の2つの要素できまります。
余裕幅→工事の種別と作業内容
床掘りの勾配→土質
どのように決まっているのか詳しく解説します。
まずは、余裕幅をどれだけ見込めばいいの解説します。
国土交通省の「数量算出要領(案)」では、以下のとおり余裕幅を見込むと決められています。
種別 | 足場工の有無 | 余裕幅 |
---|---|---|
オープン掘削 | 足場工なし | 50cm |
足場工あり (フーチング高さ2m未満でフーチング上に足場を設置する場合) | 170cm (50cm) | |
土留め掘削 | 足場工なし (プレキャスト構造物で自立型土留めの場合) | 100cm (70cm) |
足場工あり (フーチング高さ2m未満でフーチング上に足場を設置する場合) | 220cm |
オープン掘削の場合、 足場の組立がなくても50cm の余裕幅を見込みます。
※U型側溝など排水構造物の床掘り余裕幅は、30cmが標準とするところもあります
出典資料 国土交通省 北海道開発局
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/jg/gijyutu/u23dsn0000000e8k-att/u23dsn0000000ebl.pdf
余裕幅として見込む50cm というのが「資材を置く場所にする」「人が型枠を組み立てる」といった作業に必要な空間です。
ちなみに、足場を組み立てる場合は、 さらに足場分のスペースを確保します。
なお、オープン掘削の場合、 掘削する前に現場で法丁張をかける必要があります。
法丁張のかけ方は[法面には法丁張!切土、盛土の丁張りのかけ方や高さの計算方法を元ゼネコンマンが解説!]で詳しく解説しています。
︎︎︎︎︎︎✅法丁張のかけ方を解説してます
丁張をかける準備や手順、 計算方法を解説してます
関連記事 法面には法丁張!切土、盛土の丁張りのかけ方や高さの計算方法を元ゼネコンマンが解説!
また、掘削する土質によって、形成する法面の勾配は異なります。
余裕幅と同じように、国土交通省の 「数量算出要領(案)」では、以下のとおり勾配が決まっています。
土質区分 | 掘削面の高さ | 床掘り勾配 | 小段の幅 |
---|---|---|---|
中硬岩・硬岩 | 5m未満 | 直 | ー |
全掘削高5m以上 | 1:0.3 | 下からH=5m事に1m | |
軟岩Ⅰ・軟岩Ⅱ | 1m未満 | 直 | ー |
1m以上5m未満 | 1:0.3 | ー | |
全掘削高5m以上 | 1:0.3 | 下からH=5m事に1m | |
レキ質土・砂質土・ 粘性土・岩塊玉石 | 1m未満 | 直 | ー |
1m以上5m未満 | 1:0.5 | ー | |
前掘削高5m以上 | 1:0.6 | 下からH=5m事に1m | |
砂 | 5m未満 | 1:1.5 | ー |
前掘削高5m以上 | 1:1.5 | 下からH=5m事に2m | |
発破などによって 破壊しやすい状態に なっている地山 | 2m未満 | 1:1.5 | 下からH=2m事に2m |
この勾配に合わせて切り出しの位置を決めましょう。
基本的には、硬い地盤だと勾配がきつくてもOKで、緩い地盤だと法面の崩壊の危険性が高くなるため、勾配が緩くなります。
硬い地盤→法面勾配を立つ
緩い地盤→法面勾配は緩い
砂の地盤だと勾配がかなり緩やかになり、 掘削の影響範囲が大きくなります。
勾配が緩くなることで影響範囲が大きくなる場合には、シートパイルなど土留めを行うことも検討し視野にいれましょう
ちなみに、法面の安定勾配については[法面の安定勾配とは!?5秒で解決!]で詳しく解説しています。
︎︎︎︎︎︎✅様々な土質の安定勾配について解説してます
関連記事 法面の安定勾配とは!?5秒で解決!
ちなみに、余裕幅が"どこ"のことを示すのか図で解説します。
オープン掘削の場合
余裕幅は、法尻から工事目的物の面(つら)までをいいます。
余裕幅=法尻〜工事目的物の面(つら)
鋼矢板の場合
余裕幅は、 鋼矢板のCLから工事目的物の面までです。
余裕幅=鋼矢板のCL〜工事目的物の面(つら)
H鋼杭の場合
余裕幅は、H鋼の前面から工事目的物の面までです。
余裕幅=H鋼の前面(まえづら)〜工事目的物の面(つら)
床掘りと掘削は、現場ではそれほど区別をすることなく使ってしまう言葉だと思いますが、積算上では2つの言葉に明確な違いがあります。
掘削
この図のように、施工基面より上を掘削する作業が掘削です。
床掘り
この図のように、施工基面より下の作業が床掘りで、さらにもう一つポイントがあります。
床掘りと掘削の違いについて、さらに詳しい説明は [床掘りと掘削の違いとは?元ゼネコンマンが徹底解説!]で解説しています。
︎︎︎︎︎︎✅床掘りと掘削の違い
現場では何気なく同じ意味の言葉で使いがちですが、積算上は明確な違いがある2つの言葉。掘削と床掘りの意味の違いを即答できないなら、「お、できるやつ」と思われるためにも記事を読んでサクッと学んでみてはいかがでしょうか?(5分程度で読めます)
関連記事 床掘りと掘削の違いとは?元ゼネコンマンが徹底解説!
床掘りの際の余裕幅について解説しました。
余裕幅を見込んで床掘りを行いましょう。
工事目的物を構築するために、 作業を行う際に必要なスペースです
基本的には50cmの余裕幅を見込む
余裕幅というのは、オープン掘削の場合は工事目的物の前面で、鋼矢板の場合は鋼矢板の芯
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コメント一覧 (2件)
排水構造物の床掘り余裕幅は、30cmが標準とありますが、こちらの出典根拠はどこだかわかりますか?わかれば教えてください。
コメントありがとうございます。
30cmの根拠は、国土交通省の北海道開発局の資料になります。
URLはコチラです。
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/jg/gijyutu/u23dsn0000000e8k-att/u23dsn0000000ebl.pdf
そのほかにも根拠を改めて調べたところ、国交省でも他の地方整備局では30cmとなる根拠は見られませんでした。
そのため、条件付きであることと出典根拠を記載いたします。
ご指導いただきありがとうございます。