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FWD調査(試験)って何ですか?
フォーリング・ウェイト・デフレクトメータの頭文字をとった試験で、舗装の強度や路床の支持力を測定します
どんな試験なんですか?
路面に錘を落として舗装のたわみを測定するものです
・FWD調査って何?
・FWD調査ってどんな風に調査するの?
・FWD調査ってどれくらいの費用がかかるの?
こんな悩みを解決します。
FWD調査の概要
FWD調査でわかること
FWD調査にかかる費用
この記事では、FWD調査がどのようなもので、 何がわかるのか、 何のためにやるのか解説します。
これを読み終えれば、FWD調査について他の人に説明できるくらいの知識がつきます。
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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FWD って何のことですか?
フォーリング・ウェイトデフレクトメータ (Falling Weight Deflectometer) で文字通り錘を落としてたわみを測定という意味です。
FWD調査とは、おもりを落下させて路面に衝撃を加えて発生するたわみを複数のセンサで測定するものです。
複数点のたわみを測定することで、 舗装がどのような形状にどれだけ“たわんだ”かがわかります。
その結果から、たわみの伝わり方やたわみ量から舗装内部の状態(健全度)がわかります
FWD調査は以下の特徴があります
FWD調査の特徴
・非破壊試験のため、舗装を傷つけない
・従来のたわみ量の測定に比べて、短時間
・開削を伴う試験に比べて、低コスト
FWD調査について、それぞれ詳しく解説していきます。
FWD調査を行うことで、非破壊で舗装の健全度を調査することができます
測定できるのはたわみ量ですが、以下の2つを推定することができます。
FWD調査でわかること
①舗装の強度と路床の支持力
②アスファルト舗装の残存Ta
①舗装の強度と路床の支持力
舗装のたわみ曲線の形状から、おおよそ舗装の強度と路床の支持力が推定できます。
例えば、
・舗装の強度が高いおよび路床の支持力が大きい場合(1)
・路床の支持力が高く舗装の強度が低い場合 (2)
・舗装および路床の支持力も低い場合 (3)
(1) たわみ量は小さく、たわむ範囲も小さい
(2) 載荷地点のたわみ量は大きいが、たわむ範囲は狭い
(3) 全体的に大きくたわみ、たわむ範囲は狭い
② アスファルトの残存Ta
既設舗装の補修を行うには、 現在の舗装にどれだけの強度が残っているのかを測定することで、効果的な補修を行うことができます。
そのときに、活用できるのか FWD調査です
FWD調査を行うことで、非破壊による調査で既設舗装にどれくらいの強度が残っているのか (残存Ta) を求めることができます。
FWD調査により測定するたわみ量から、弾性係数を推定することができます。
説明すると複雑になるので、 簡単に説明します。
多層弾性理論から測定したたわみ量から、逆解析を行うことで弾性係数が推定できます。
逆解析に必要な要素
・ポアソン比
・各層の厚み
推定した弾性係数から等値換算系数を求めることができます。
関係は以下の式です。
a=0.0404×E0.371
a : 残存等値換算係数
E: 弾性係数 (MPa)
※ 「FWD を用いた構造評価と舗装補修設計への適用』 北陸道路舗装会議技術論文集 2009
この関係から既設舗装の各層の残存等値換算係数が推定できます。
FWD調査は以下の装置を使用して測定を行います。
・載荷装置
・たわみ測定装置
・記録装置
載荷装置はおもりを落下させて、衝撃荷重を路面発生させるものです。
落下させる高さを変えることで、25kN、49kN、98kN など発生させる衝撃荷重を変えることできます。
アスファルト舗装の場合は、設計に用いる輪荷重は49kNの荷重です。
しかし、コンクリート舗装の場合は、たわみ舗装と呼ばれるアスファルト舗装に比べて剛性が高いため、輪荷重は98kNを用いるのが一般的になります。
たわみ測定装置は、たわみの形状を測定するセンサーです
一般的には、載荷位置の中心から0cm、 20cm、 30cm、45cm、60m、90cm、150cm として計測を行います。
測定間隔は通常 20m でおこない、広域の範囲で調査を行う場合は50m~100m 間隔で調査
測定時間は非常に簡易的で、測定間隔 20m とすると1日100個の測点を図ることが可能です。
測定をしている道路会社も以下のとおり、記載しています。
測定は一箇所毎に2~3分と短時間で、 非破壊で舗装を傷つけることなく調査を行うことができます
東亜道路工業株式会社(https://www.toadoro.co.jp/business/product/up_files/3_product_pdf.pdf)
私の経験では平均すると、 1点当たり4分程度でした
FWD調査は従来の調査に比べて短時間で多くの測点を測ることができるだけでなく、コストも安くすみます。
実際にかかる費用
・調査時
・解析時
実際に費用が発生するのは調査のときと、そのあと解析を行うときと2つの工程です。
測定したデータをまとめて解析する段階で作業が発生します。
また、調査時の費用については、異動距離が長い、1日の測定箇所数が少ない、と割高になっていくので、測定条件によって単価が異なるので注意が必要です。
FWD調査を行うことで、路床の設計CBRを推定することができます。
設計 CBR を推定するまでの流れは以下のとおりです。
D150 のたわみ量→路床の弾性係数→路床のCBR→路床の設計CBR
載荷点から150cmの位置のたわみ量 (D150) を計測することで、路床の弾性係数がわかり、最終的には路床の支持力を求めることができます。
D150 のたわみ量は舗装耐以下の支持力と相関があるんです
D150 と路床の弾性係数には相関があり、以下の式で示すことができます。
路床の弾性係数E (Mpa) = 1/D150(mm)
この式より、 D150 の値から路床の弾性係数が求まります。
さらに、路床の弾性係数から路床のCBR を求めることができます。
E=10CBR
※社団法人 日本道路協会 丸善株式会社 『舗装設計便覧』 P114
路床のCBR から、 各地点の設計CBR を求めることができます。
以下の表のとおり。
路床の弾性特性 (MPa) | 路床土のCBR (%) | 則点のCBR |
---|---|---|
12以下 | 1.2以下 | 特1 |
13以上20以下 | 1.3 ~ 2.0 | 特2 |
21以上27以下 | 2.1 ~ 2.7 | 2 |
28以上37以下 | 1.3 ~ 3.7 | 3 |
38以上47以下 | 1.3 ~ 4.7 | 4 |
48以上57以下 | 1.3 ~ 5.7 | 5 |
58以上67以下 | 1.3 ~ 7.7 | 6 |
68以上77以下 | 1.3 ~ 11.7 | 8 |
118以上197以下 | 1.3 ~ 19.7 | 12 |
198以上 | 19.8以上 | 20 |
ちなみに、CBRについては[CBRとは!?現場CBRと設計CBRと修正CBRの違いを1級土木施工管理技士が徹底解説]で詳しく解説しています。
✅CBRとは何かを基本から解説してます。
設計CBRとは何かや求め方、また修正CBRについても解説しているので、CBRについてボヤッと覚えている方は記事を確認しておくことをおすすめします。(5分程度で理解できます)
関連記事 CBRとは!?現場CBRと設計CBRと修正CBRの違いを1級土木施工管理技士が徹底解説
FWD調査を行い、逆解析で弾性係数を推定する場合、 適切な補正が必要になります。
アスファルト混合物は温度により弾性係数は変化します。
なので、 舗装の評価や設計に用いるときは、 標準温度 (20℃) や任意の温度などの値に補正する必要があります。
補正値は以下のとおりです。
Eas(20)=Eas(z)×10-0.0184 (20-Tave(z))
East(20) : 標準温度のアスファルト混合物層の弾性係数 (MPa)
Eas(z) : Tave(z) ℃のアスファルト混合物層の弾性係数 (MPa)
Tave(z): FWD 測定時のアスファルト混合物層の平均温度(℃)
このような式を用いて補正を行うことで、 実際に使用できる値になります。
測定結果の値がどのような値なのか、推定した弾性係数はどんな条件で活用できるものなのか確認して使用しましょう。
ちなみに、道路については[道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説してます。
✅道路の構造や分類について解説してます
道路に関する法令についても解説しているので、一度詳しく勉強したい方にはおすすめの記事です。
関連記事 道路とは!?【身近にあるインフラ】道路に関する基礎知識を元ゼネコンマンが徹底解説!
FWD調査について解説しました。
FWD調査の流れや試験概要、 どのように活用するのか理解できたと思います。
FWD調査とは錘を落としてたわみを測定する舗装の非破壊検査
従来のたわみ量の測定に比べて短時間で、開削を伴う試験に比べて低コスト
路床の設計CBRを推定できる
以上、 FWD調査について解説しました。
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