N値って何ですか?
N値は地盤の強さを示す指標です。
どうやって求めるんですか?
標準貫入試験をおこないN値を求めるのが一般的です。
・N値ってどうやって求めるんですか?
・N値と地耐力の関係は?
・N値と換算N値の違いってなに?
こんな悩みを解決します。
・N値の概要と求め方
・N値と換算N値の関係
・N値と地耐力の関係
この記事では、N値について解説しています。
これを読み終えれば、N値とはどんなものかや、求め方だけでなく、地耐力との関係や換算N値との関係など体系的に理解できるので、N値について一度覚えたら忘れにくくなります。
執筆者
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また、 CBRについては[CBRとは!?現場CBRと設計CBRと修正CBRの違いを1級土木施工管理技士が徹底解説]で詳しく解説しています。
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N値の概要!地耐力の要
N値って地盤の強度を表す値ですよね?
土質を調べる際には必須の値で、標準貫入に試験により求めます
N値とは、地盤の強さの指標となる数字です。
基礎や地盤反力等の設計する際に、必要な土質定数を推定するのに利用します。
建築でも土木でも、構造物を構築する地盤は硬固である必要があります。
基本的に土質の調査と言うのは、目に見える表面だけでは判断できません
そこで地盤の調査を行い、”N値”という数値化された指標を用いることで、客観的に判断できるようになります。
ちなみに、N値は無次元の値であり単位はありません
N値の求め方
N値は標準貫入試験やSWS試験 (スウェーデン式サウンディング試験)などの地盤調査によって算出します。
30cm 貫入するまでに必要だった打撃の回数がN値です。
50回を上限としてその時の貫入量を測定します。
標準貫入試験は、JIS により試験方法が決められています。
JIS A 1219 土の標準貫入試験方法
ちなみに、N値の「N」とは叩いた回数を意味する 「Number」からきています。
供試体が固いほど叩く回数が多くなり、N値が多くなるので、固い地盤や地層であるといえます。
76cm は股下の高さから落とすと考えると覚えやすいです
N値と換算N値
地盤調査の方法はN値から求める場合と換算N値から求める場合の2種類あります。
換算N 値は、標準貫入試験以外の試験(スウェーデン式サウンディング試験)によりN値を推定します。
2020年にJISが改定され現在は、スクリューウエイト貫入試験に名称が変更しています
土質によって異なる換算式を用いて、地盤の強度であるN値を算出します。
スウェーデン式サウンディング試験からN値への換算式
稲田式(「地盤調査の方法と解説」 : 地盤工学会)
砂質土: 換算N 値=2Wsw+0.067Nsw
粘性土換算N 値=3Wsw+0.050Nsw
スウェーデン式サウンディング試験は、標準貫入試験に比べて安価で短時間で行うことができます。
試験器具も小さく、こじんまりとした場所で行うことができます。
そのため、 一戸建ての住宅などは換算N値を用いることが多いです。
N値と地耐力
N値と地耐力はどのような関係があるんですか?
N値を10倍すると、 概算的な地耐力を推定できます。
N値と地耐力は相関関係にあります。
地耐力の単位は kN/㎡で、1㎡当たり何kN まで耐えることができるのかを示したものです。
N値40の地盤と言うのは、
40×10=400kN/㎡
つまり、1平方メートルに40tの重さがかかっても大丈夫ということ。
かなり丈夫な地盤であることがよくわかります。
地耐力の求め方
実際に地耐力があるかどうかは、平板載荷試験により確認します。
直径30cm の円盤 (載荷盤) を設置して、荷重をかけて沈下量を測定し安全な地盤を判定する試験です。
時間の経過とともに荷重を増やし、強度を測定します。
平板以下試験を行うことで以下の値を求めることができます。
極限支持力 [kN/m2]、地盤反力係数 [Kv]
地耐力(長期許容応力度、 短期許容応力度) [kN/m2]
地耐力の目安
地耐力の目安は、以下の通りです。
・N値0~3 ≒地耐力 : 0~30kN/㎡
N値が3以下の同室は、非常に柔らかい地盤で、軟弱地盤として評価されます。
対策としては、良質土への置き換えや地盤改良を行うのが一般的です。
・N値3~10≒地耐力:30~10kN/㎡
地盤としては安定していますが、沈下の懸念が生じる地盤です。
工学的な知見に基づき、技術的判断に基づいて地盤改良やなどの対策が必要になります。
地盤沈下や液状化が発生する可能性があるので、注意が必要です。
・N値10~30≒地耐力:100~300kN/m²
基礎地盤としては、概ね良好な地盤といえます。
しかし、20 以下の地盤では土木構造物の基礎地盤としては不安な場合が多く、一般的にはN値が20以上ある土質か、岩盤だと基礎地盤としては望ましい値となります。
・N値30~50≒地耐力:300~500kN/㎡
N値が30~50の土質では、土木・建築構造物の基礎地盤として適した地盤であるといえます。
・N値50以上≒地耐力:500kN/㎡以上
N値が50以上ある土質であれば、非常に件粉地盤であると判断できます。
超高層マンションなど、大型の構造物でも耐えることができる良好な支持地盤です。
N値と地耐力の関係【まとめ】
N値について解説しました。
N値とは何かや換算N値、求め方、地耐力との関係や目安が理解できたと思います。
・N値とは標準貫入試験により求めることができる値で、地盤の強度を示す指標
・換算N値は安易的なSWS 試験により求めることができる値
・地耐力は、N値×10kN/㎡
以上、N値とは?換算N値の違いや求め方、地耐力との関係を解説しました。
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