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ぜねた
元ゼネコンマン/1級土木施工管理技士
元準大手ゼネコン勤務の土木技術者。
一級土木施工管理技士。
ゼネコン時代は安全を第一に
現場を走り回ってました。
現場で学んだ知識や土木に関する知識を
発信しています。
技術士の資格取得を目指して現在勉強中。
【携わった工種】
道路土工、トンネル、PC上部工、橋梁下部工事
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N値とは? 換算N値の違いや求め方、地耐力との関係を1級土木施工管理技士が解説

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若手技術者

N値って何ですか?

ぜねた

N値は地盤の強さを示す指標です。

若手技術者

どうやって求めるんですか?

ぜねた

標準貫入試験をおこないN値を求めるのが一般的です。

・N値ってどうやって求めるんですか?
・N値と地耐力の関係は?
・N値と換算N値の違いってなに?

こんな悩みを解決します。

本記事の内容

・N値の概要と求め方
・N値と換算N値の関係
・N値と地耐力の関係

この記事では、N値について解説しています。

これを読み終えれば、N値とはどんなものかや、求め方だけでなく、地耐力との関係や換算N値との関係など体系的に理解できるので、N値について一度覚えたら忘れにくくなります。

執筆者

「つちとき」管理人
元準大手ゼネコン7年勤務
『しくみ図解 土木工事が一番わかる』著者
一級土木施工管理技士
ぜねた(@GenetaCivil)

当サイトの運営者ぜねたの詳しいプロフィールは、コチラです。

また、 CBRについては[CBRとは!?現場CBRと設計CBRと修正CBRの違いを1級土木施工管理技士が徹底解説]で詳しく解説しています。

当サイトでは、現場監督の抱える悩みを解消するコンテンツを用意しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

目次

N値の概要!地耐力の要

若手技術者

N値って地盤の強度を表す値ですよね?

ぜねた

土質を調べる際には必須の値で、標準貫入に試験により求めます

N値とは、地盤の強さの指標となる数字です。

基礎や地盤反力等の設計する際に、必要な土質定数を推定するのに利用します。

建築でも土木でも、構造物を構築する地盤は硬固である必要があります。

ぜねた

基本的に土質の調査と言うのは、目に見える表面だけでは判断できません

そこで地盤の調査を行い、”N値”という数値化された指標を用いることで、客観的に判断できるようになります。

ぜねた

ちなみに、N値は無次元の値であり単位はありません

N値の求め方

N値標準貫入試験SWS試験 (スウェーデン式サウンディング試験)などの地盤調査によって算出します。

標準貫入試験
測定したい地層や地盤に 63.5kgのおもりをつけた鉄の棒を76cm の高さから自由落下させる試験

標準貫入試験


30cm 貫入するまでに必要だった打撃の回数N値です。

50回を上限としてその時の貫入量を測定します。

標準貫入試験は、JIS により試験方法が決められています。
JIS A 1219 土の標準貫入試験方法

ちなみに、N値「N」とは叩いた回数を意味する 「Number」からきています。

供試体が固いほど叩く回数が多くなり、N値が多くなるので、固い地盤や地層であるといえます。

ぜねた

76cm は股下の高さから落とすと考えると覚えやすいです

N値と換算N値

地盤調査の方法はN値から求める場合と換算N値から求める場合の2種類あります。

換算N値とは
換算式により、N値と同等として扱う値です。

換算N 値は、標準貫入試験以外の試験(スウェーデン式サウンディング試験)によりN値を推定します。

ぜねた

2020年にJISが改定され現在は、スクリューウエイト貫入試験に名称が変更しています

土質によって異なる換算式を用いて、地盤の強度であるN値を算出します。

スウェーデン式サウンディング試験からN値への換算式
砂質土: 換算N 値=2Wsw+0.067Nsw
粘性土換算N 値=3Wsw+0.050Nsw

稲田式(「地盤調査の方法と解説」 : 地盤工学会)

Wsw: 載荷荷重(kN)
Nsw: SWS 試験における 1.00mあたりの半回転数 (回)

スウェーデン式サウンディング試験は、標準貫入試験に比べて安価で短時間で行うことができます。

試験器具も小さく、こじんまりとした場所で行うことができます。

そのため、 一戸建ての住宅などは換算N値を用いることが多いです。

N値と地耐力

若手技術者

N値と地耐力はどのような関係があるんですか?

ぜねた

N値を10倍すると、 概算的な地耐力を推定できます。

N値と地耐力は相関関係にあります。

地耐力の単位は kN/㎡で、1㎡当たり何kN まで耐えることができるのかを示したものです。

N値40の地盤と言うのは、
40×10=400kN/㎡

つまり、1平方メートルに40tの重さがかかっても大丈夫ということ。

ぜねた

かなり丈夫な地盤であることがよくわかります。

地耐力の求め方

実際に地耐力があるかどうかは、平板載荷試験により確認します。

平板載荷試験
地盤に設置した載荷版に反力を介して下向きの荷重をかけることで、載荷盤の沈下量を測定する試験
JGS1521 平板載荷試験

平板載荷試験
アースダイブ株式会社様より引用

直径30cm の円盤 (載荷盤) を設置して、荷重をかけて沈下量を測定し安全な地盤を判定する試験です。

時間の経過とともに荷重を増やし、強度を測定します。

平板以下試験を行うことで以下の値を求めることができます。

極限支持力 [kN/m2]、地盤反力係数 [Kv]
地耐力(長期許容応力度、 短期許容応力度) [kN/m2]

地耐力の目安

地耐力の目安は、以下の通りです。

・N値0~3 ≒地耐力 : 0~30kN/㎡
N値が3以下の同室は、非常に柔らかい地盤で、軟弱地盤として評価されます。
対策としては、良質土への置き換えや地盤改良を行うのが一般的です。

・N値3~10≒地耐力:30~10kN/㎡
地盤としては安定していますが、沈下の懸念が生じる地盤です。
工学的な知見に基づき、技術的判断に基づいて地盤改良やなどの対策が必要になります。
地盤沈下や液状化が発生する可能性があるので、注意が必要です。

・N値10~30≒地耐力:100~300kN/m²
基礎地盤としては、概ね良好な地盤といえます。
しかし、20 以下の地盤では土木構造物の基礎地盤としては不安な場合が多く、一般的にはN値が20以上ある土質か、岩盤だと基礎地盤としては望ましい値となります。

・N値30~50≒地耐力:300~500kN/㎡
N値が30~50の土質では、土木・建築構造物の基礎地盤として適した地盤であるといえます。

・N値50以上≒地耐力:500kN/㎡以上
N値が50以上ある土質であれば、非常に件粉地盤であると判断できます。
超高層マンションなど、大型の構造物でも耐えることができる良好な支持地盤です。

N値と地耐力の関係【まとめ】

N値について解説しました。

N値とは何かや換算N値、求め方、地耐力との関係や目安が理解できたと思います。

まとめ

・N値とは標準貫入試験により求めることができる値で、地盤の強度を示す指標
・換算N値は安易的なSWS 試験により求めることができる値
・地耐力は、N値×10kN/㎡

以上、N値とは?換算N値の違いや求め方、地耐力との関係を解説しました。

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