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鉄筋ってどんな種類があるんですか?
鉄筋は「丸鋼」と「異形鉄筋」の2種類に分けられます。
異形鉄筋って現場でよく見る凸凹のついた鉄筋ですよね?どんな特徴があるんですか?
表面に凹凸があるため、コンクリートとの付着性が良くなっています。
・鉄筋にはどんな種類があるの?
・鉄筋ってなに?
・鉄筋にはどんな役割があるの?
こんな悩みを解決します。
・鉄筋の種類とその特徴について
・鉄筋の基本
・鉄筋コンクリート構造物における鉄筋の役割とは
この記事では、鉄筋の種類とその特徴について解説しています。
これを読み終えれば、鉄筋の物性や種類をはじめ、構造体の中でどんな役割があるのかについても理解できます。
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
当サイトの運営者ぜねたの詳しいプロフィール。
また関連記事として、鉄筋のスペーサーについて[鉄筋のスペーサーとは!?現場監督7年の元ゼネコンマンが詳しく解説!]で詳しく解説しています。
当サイトでは、現場監督の抱える悩みを解消するコンテンツを用意しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
現場でよく見る鉄筋には、表面に凹凸があります。
異形鉄筋は表面に凹凸があり、丸鋼にはありません。
鉄筋に使われる鋼材というのは棒状の形をしているため、棒鋼というのが正式な名前です。異形棒鋼と丸鋼という2種類に分類できます。
丸棒鋼
異形棒鋼
それぞれ、詳しく解説していきます。
丸鋼は円形断面の鋼棒で、ツルツルとした表面の鉄筋です。
記号はSR
JISには強度の違いにより2種類の記載があります。
SR235、SR295
表面がツルツルでコンクリートとの付着性が悪いため、現在は特殊な場合を除き、コンクリート構造物には使われません。
建設業とは違う業種、例えば機械加工の分野で使われる場合が多いです。
表面に凹凸(節とリブ)をつけてコンクリートへの付着性を高めたものが異形鉄筋です。
記号はSD:Steel Deformed
JISには5種類の記載があります。
SD295A、SD295B、SD345、SD390、SD490
建設現場では主にSD295、SD345、SD390を使うことが多いです。
SDのあとの数値は、降伏点または耐力を表しています。
径によってD4〜D51までの呼び径があり、一般的に呼び径が大きくなるほど高強度の鉄筋を使うことになります。
また、節をねじ状にした、ねじ節異形鉄筋というものもあります。
機械式継手を容易にできることが特長になっています。
鉄筋ってどうやって作るかイメージできません。
鉄原料を使って、電気炉や高炉にて圧延・成形されて製造されます。
鉄筋は製造メーカーの電気炉または高炉で作られる棒状の鋼材のことで、コンクリート構造物にとって要となる補強材になります。
鋼を圧延して、リブや節と呼ばれる凸凹の突起をつけてつくる建設材料です。
JISで形状や規定が決まっている材料で、広く活用されています。
ここでは、製造方法や性質、サイズ、呼び名などを詳しく解説します。
鉄筋は電炉または高炉の2種類で作られます。
鉄筋の製造方法
電炉
高炉
電炉では鉄スクラップ、高炉では鉄鉱石が主な主原料です。
高炉で作られる鉄筋は、鉄鉱石と石炭(コークス)を原料として高炉に銑鉄をつくり、転炉で成分を調整して圧延して製造される鉄筋です。
また、電炉とは、鉄スクラップを原料として電気によって鉄を溶かし、成分を調整して製造される鉄筋になります。
大規模な設備にて加熱・鋳造・圧延・成形などの工程を経て鉄筋が作られます。
近年では、電炉で作られるのが主流です。
また、よく似た言葉に「鉄骨」があります。
製造工程はほとんど同じですが、鉄骨と鉄筋との大きな違いは断面積と化学成分です。
一般に鉄骨はH断面や箱断面で、外力に対してかなりの強度を発揮します。
そして、鉄に炭素を添加した「鋼」という材料から作られているのが鋼の特徴です。
建設現場で使用する鉄筋は、「鉄筋コンクリート用棒鋼」のことを差し、JIS G 3112に機械的性質や化学成分が規格されています。
機械的性質の項目は「降伏点」または「耐力」「引張強さ」「伸び率」「曲げ性能」です。
機械的性質
降伏点
耐力
引張強さ
伸び率
曲げ性能
降伏点とは鉄筋が降伏(塑性)し始めるときの応力で、基本的にはこれが構造設計で使われます。
単位はN/mm2です。
化学成分は、炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄の上限比率が定められています。
特に炭素は材料の延性や粘り強さに大きく影響する重要な元素です。
コンクリートと鉄筋、それぞれどのような働きがあるのでしょうか。
圧縮力に強いコンクリートと引張力に強い鉄筋を組み合わせることで、お互いの弱点を補完した強い構造になります。
鉄筋コンクリート構造物は、鉄筋とコンクリートで形成される複合建設材料です。
圧縮に強く引張に弱いコンクリートと、引張に強い鉄筋がお互いの弱点を補う事ができます。
鉄筋について、さらに詳しく解説します。
コンクリートは水、セメントおよび骨材から作られています。
コンクリートの特徴は、圧縮力に強い一方で引張力に弱く、重量も大きくなることです。
鉄筋は引張力に強く粘り強さがある一方で圧縮力に弱く座屈しやすい、「錆びやすい」という特徴があります。
鉄筋とコンクリートを組み合わせて鉄筋コンクリートにすることで、両者の弱点を補ったより強固な構造体となります。
鉄筋とコンクリートはお互いの弱点を補うことができます
圧縮力、引張力どちらに対しても強くなり、スリムな断面にすることが可能です。
鉄筋がコンクリートに覆われるため、さびにくくなるということで耐久性も向上します。
道路橋の橋脚や基礎の多くは、鉄筋コンクリートで構築されています。
構造計算により「所定の荷重」に耐えられるように設計され、鉄筋の本数や径が決められています。
特に、日本は地震大国です
なので、地震による水平荷重などがしっかりと考慮されています。
あわせて配筋要領や市場性を考慮することも必要です。
鉄筋のあき、ピッチ(間隔)、かぶりを確保できなければ、コンクリートがうまく充填されないなどの施工不良につながり、設計値通りの耐力が得られず耐久性も低下してしまいます。
また、強度をあげるため単純に径を大きくしても、市場性がないためにコストが上がったり、施工性が悪くなってしまったりするので注意が必要です。
鉄筋のあき、ピッチについては、[鉄筋のピッチ(間隔)、あきとは!?一級土木施工管理技士が徹底解説!]で詳しく解説位しています。配筋の基本を押さえて、鉄筋の組み直しという事態を避けましょう。
鉄筋のかぶりについては、[鉄筋のかぶりについて、 1級土木施工管理技士が徹底解説!]で詳しく解説しています。かぶり不足で検査に合格できないということが無くなります。
本記事では、鉄筋の物性や種類をはじめ、鉄筋コンクリートの役割について解説しました。
・鉄筋の種類には、丸鋼と異形鉄筋があり、建設現場ではほとんど異形鉄筋を使っている
・異形鉄筋は表面に凹凸をつけることで、コンクリートとの付着性を高めている
・鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートそれぞれの弱点を補った耐久性の高い構造体となっている
以上、鉄筋の種類について解説しました。
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