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建設業は週休2日が義務化といわれたけどいつから?
週休2日は嬉しいけど給料が減るのか困る・・
2024年問題って聞いたことあるけど、どういうこと
本記事では、こんな悩みを解決します。
「週休2日が義務化される」と言う話をきいたことがあるかもしれません。
結論から先に述べると、建設業で週休二日制は現在義務化されておらず、また義務化される予定もありあません。なので、週休2日制を導入しなくても違反ではないです。
しかし、国土交通省や日本建設業連合会が建設業をより魅力のある業界にするために、 週休2日制の導入を進めています。今後の建設業界の流れを見ていても、今後はこの流れが加速していくので、一緒に理解を深めていきましょう。
この記事では、週休2日制の導入が必要とされる背景や、週休2日制のメリット・デメリット、さらに週休2日制を実現するために必要なことについても解説します。
また、週休2日制を導入するために活用できる助成金についても紹介しますので、最後まで読んでもらえると理解が深まると思います。
・週休2日が導入できない理由と建設業の実情
・週休2日制のメリット・デメリット
・週休2日制を導入するために必要な3つのこと
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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建設業って週休2日制が義務化されるんですか?
現在の法律では、 週休2日が義務になるという法律はありません
建設業における週休2日制は義務化されていません。2024年1月の時点においても、日本ではまだまだ週休2日制の導入を推進しているといった段階です。
なので、「週休2日制を導入していないから法律違反だ」 といったことにはなりません。
とはいえ、国土交通省や日本建設業連合会(日建連) といった日本の建設業界のトップたちが、建設業の週休2日制の実現に向けて取り組みを進めています。
週休2日制の導入に向けて、業界ではどんな状態なのかを詳しく解説していきます。
国土交通省では魅力ある業界の実現のために、 令和5年6月に 「建設業の働き方改革の推進」 という資料を発表しました。
その中には、 建設業界における時間外労働時間規制の見直しとして、2024年間4月から施行される残業上限規制を踏まえて週休2日制の導入も推進されています。
具体的な施策として、公共工事と民間工事に分けて記述されています。
公共工事 | 民間工事 |
---|---|
直轄工事で週休2日や、週休2日交代制モデル工事の導入 | 適正な後期設定及び週休2日制の確保について働きかける |
実際のところ、「建設業の働き方改革の推進」資料によると、令和3年の週休2日達成率は全国平均で30.79%と約3工事に1つは週休2日を実現しています。
※週休2日達成率 = 4週8休達成件数/令和3年度工事完了件数
2024年4月1日から建設業では、 労働基準法の改正案が施行されます。
残業時間の上限
改正前 | 改正後(2024年4月以降) |
---|---|
36協定を結んでいれば、上限なし | 36協定を結んでいれば、上限が適用される |
「36協定を結ばずに時間外労働をさせる」 というのは論外ですが、 「36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせる」 といった行為は残業の上限規制に違反します。
違反した場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」 が課せられるので2024年4月以降は特に注意が必要になります。
このように、 建設業界でも働き方改革の推進が進み、 実際に罰則規定までありますので注意してください。
では、次になぜ建設業界で週休2日制が導入できないのか、詳しく解説します。
なぜ? 建設業では週休2日の導入が進まないんですか?
「工事の特性上、計画通りに進まない」 「人材が不足している」といった2つの理由が大きいです
国土交通省の調査によると、 建設業の現状として建設工事全体では、技術者の約4割が4週4休以下という状況で働いています。
実際に、令和3年に国土交通省から発表された 「最近の建設業をめぐる状況について【報告】』の資料によると、年間出勤日数の推移では建設業は平成9年度の 253 日から令和2年度は年間 244 日に減少してはいますが、 他の産業に比べて 32 日間も少ない結果となっています。
なぜ建設業界では、 週休2日制が進まないのでしょうか?
その理由は、以下のとおりです。
・工事の特性上、計画通りに進まない
・人材が不足している
それぞれ詳しく解説します。
屋外による現地の生産が基本の工事現場は、天候による影響が大きく、工事の進捗が天候に大きく左右されます。
工期の算定上は雨による休みも考慮した工期になっているため、 雨が降ったから工期をのばすといったことはできません。
そうなると結果的に、 土日祝日に作業をおこない休日の穴埋めをします
実際、日建協の「2020 時短アンケート」の結果によると、現場勤務の残業理由1位は「仕事の性格上、早出、残業する必要がある」となっています。
工事目的物を作るという目的を達成するためには、自分のペースで働くのではなく仕事のペースは外的要因に大きく影響するのが現場作業です。
建設業の就業者は1997年のピーク時で685万人。しかし、2018年には503万人と減少傾向にあります。
建設現場では60歳以上の高齢者が多く、日建連の『建設業のいま』という資料によると、55歳以上の高齢者が建設業界では36.0%という結果になっています。
そして、今後10年でほとんどが離職すると予想されているから、今後も減少傾向は続く見込みです。
その中でも、10~20代の就業者が全体の約1割程度と、かつ若年層の入職者は増えていない状況にあります。
高齢化と人材不足が進むなかで、「工期を守りながら、休日をとろう」というのはなかなか難しいことですよね
実際に、人手不足といった状況から 1人あたりの仕事量が増えるため、長時間労働や休日を少なくすることで対応せざるえない状況になっているのが現状です。
ここまで、週休2日制について解説してきましたが、週休2日制と完全週休2日制の違いはご存知でしょうか?
まず、完全週休2日制について解説します。
完全週休2日制
1年を通して週に休日が2日あること
1週でも休日が2日間なければ、 完全週休2日とは言えません
週休2日制
月に1回でも2日休みの週があること
たとえば、第1週と第3週の土曜日は出勤で、そのほかは基本的に土日休みの場合は 「週休2日制」になります。
理解が深まったところで、次に建設業界で週休2日制を導入するメリットについて解説します。
週休2日制が導入されると実際に、どうなるんですか?
労働時間や給与、そして建設業界における魅力が向上など、さまざまな影響があります
建設業に週休2日制が導入されると、現場の働き方はどのように変わるのでしょうか?
労働時間や給与への影響、そして建設業の魅力の変化など、気になる点を詳しく解説していきます。
これを読めば、週休2日制の導入がもたらす変化を具体的にイメージできるはずです。
結論から言うと、週休2日制が導入されれば、建設現場の労働時間は確実に短縮されます。
週に2日の休日が確保されることで、1週間の労働時間は単純計算で17%減少することになります。
しかし、中には「本当に労働時間は減るの?」「工期が遅れて残業が増えるのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。
建設現場では、天候や突発的なトラブルなど、予期せぬ事態が発生することもあります。
そのため、週休2日制を導入しても、必ずしも計画通りに休日を取得できるとは限りません。
しかし、時間外労働の上限規制が強化されることで、企業は労働時間管理を徹底せざるを得なくなります。
結果として、残業が減り、労働時間の短縮につながることが期待できるでしょう。
週休2日制の導入によ理、給与が減る可能性はあります。
建設業界では、日給制や日給月給制で働く人が多く、休んだ日数に応じて給与が変動するからです。
実際に、「週休が増えたら収入が減ってしまう…」と、不安に感じている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、週休2日制の導入は、必ずしも収入減を意味するわけではありません。
例えば、企業によっては、週休2日制の導入に合わせて基本給を引き上げるなどの対策を取っているところもあります。
また、週休2日制によって労働時間が短縮されれば、心身の負担が軽減され、より効率的に働けるようになるかもしれません。
私が現場監督だった時に、2日休めた時は気持ちがリフレッシュできました
結果として、生産性が向上し、収入アップにつながる可能性も考えられます。
週休2日制の導入は、建設業の魅力向上に大きく貢献すると考えられます。
建設業は、これまで「きつい、汚い、危険」の3K職場というイメージが根強く、若者を中心に敬遠されがちでした。
しかし、週休2日制の導入によって、ワークライフバランスが改善されれば、建設業のイメージアップにつながリます。
地元ゼネコンで働いている友人は、「有給や育休が取れるから、この会社はいいよ」と周りの人に語っていました
後ほど具体的に解説しますが、「週休2日制なら、家族との時間や趣味の時間も大切にできる」と、建設業に興味を持つ人が増えるかもしれません。
週休2日制ってメリットは多いと思うのですが、 実際どうですか?
メリットは大きく2つで、「企業のイメージ向上」 「従業員のモチベーション向上」に繋がります
他の業界では当たり前に導入されている週休2日制ですが、 建設業界でも導入するメリットはもちろんあります。
週休2日制を導入するメリットは以下の2つ。
週休2日のメリット
.・企業のイメージが向上する
・従業員のモチベーションが向上する
といったメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
日建協の実施した『2020 時短アンケート』の結果では、建設業界に魅力を感じない理由、第1位は「労働時間が長い」で、 第2位は「前近代的体質が残っている」 を挙げています。
実際に建設会社で働いてきたときの後輩も、長時間労働が嫌で辞めていきました
後ほど解説するデメリットにも関連しますが、収入が今と同じであれば、休みが多い方が嬉しいですよね。
転職を考えている人や、新卒で入社を考えている人が会社を選ぶ際にも、 福利厚生や休日がしっかりとれるというのは、選考のポイントになります。
企業のアピールポイントとして、 週休2日制を導入しているというのは十分魅力を感じるポイントです。
日建連の 「建設業のいま」という資料によると、 建設業の労働時間は全産業と比較しても「年間340時間も長い」です。
さらに、日建協の『2020 時短アンケート』によると健康に対する不安を抱えた人は、外勤の人は47.3%の人が精神的又は身体的に不安を抱えています。
その原因として、29歳以下は「長時間労働のため」と回答した人が40%を越える結果になりました。
週休2日制を導入することで、 休暇が増えることで時間外労働時間を削減することができます。休暇の充実による労働者の心身のリフレッシュをはかることができるので、プライベートが充実し疲労回復やストレスの解消といった効果が期待できます。
あと〇日で休みだと思うと、気持ちも頑張れますよね
その結果、労働者のストレス緩和やメンタルの安定により、モチベーションの向上することで、業務の効率化や、質の高い仕事に繋がります。
実際、日建協の『2020 時短アンケート』でも、法定外労働時間が100時間以上だと「仕事も生活も充実している」と答えた人の割合は30.3%ですが、0~30時間未満だと66.0%まで上昇しています。
ワークライフバランスが叫ばれる令和の時代では、公私の充実は大事ですよね。
週休2日制を導入するメリットはわかりました
次にデメリットもあるので紹介します
建設業が週休2日制を導入するデメリットは以下のとおりです。
週休2日制のデメリット
・日給制の場合は給料が減る
・工期がタイトになると激務になる
・コストがかかる
それぞれ詳しく解説します。
建設業界では古くから日給制及び日給月給制が導入されていました。
日給制とは、働いた日数によって給与が決まる給与形態です。何日勤務しようが、固定額の月給制とは異なります。
国土交通省の発表する「建設業の働き方として目指していくべき方向性」という資料によると、日給制が63.6%と建設業従事者の大半は日給制です。
そのため、週休2日制の導入が進むと働く日数が少なくなることから、労働者の側からすると収入が減ってしまいます。
「収入が減ると困るから、 それなら働きたい」と考える方も多いです
後ほど解説しますが、 月給制では工期が延長した場合などはコストの増加に繋がり、経営の圧迫につながります。
会社側としては日給制の方が現実に即するため、ありがたいなとは思っているかもしれません。
基本的に公共工事の工期算定は、休日は休工日として扱うことから工期に含めずに算定します。 しかしながら、祝日、土曜日は基本的に工事を行い4週4休以下で工事を進めて工期に間に合わせているのが現状です。
そのため、同じ工期設定のまま以前に比べて休日を増やして週休2日制に移行すると、工期がタイトになってしまいます。
建設会社で働いていた時には 「暇なときは休め」 と言われました
とはいっても、忙しくないときでも、今後忙しくなることを考えると「忙しくなって仕事に追われて、精神的にキツくなるのが嫌」 でした。 なので、平均的な勤務時間とするため休みはとらなかったですね。
週休2日制を導入し、 作業日数を減らした状態でも今と同じ出来高を達成し、工期を守ろうとすると以下の方法が考えられます。
・1人当たりの作業量を増やす
・労務の数を増やす
・作業日数を増やす
まずは、 一人当たりの作業量を増やすというのは、ただ 「頑張れ」 といって出来高が上がるわけではありません。
作業を補助する道具や設備を整えるといった方法が必要です。
次が労務の数を増やすということ。
これは、「 1パーティー当たりの人数を増やす orパーティー数を増やす」といった2つの方法があります。
最後が、作業日数を増やす方法。
4週4休の現場で、今まで実働10日で終わっていた作業も、4週8休の現場では工期はおしてしまいます。
工事全体に工期の”ゆとり”がある場合は、 作業日数を増やすことでも対応できます
しかし、見て分かるとおり、この3つの方法をとるためには、どれも費用がかかります。
設備を整えたり、労務の数を増やしたりすると、費用が掛かるのは簡単に理解できますよね。
また、最後の「作業日数を増やす」というのも全体の工事期間が長くなると、 仮設材や機械のリース品といった費用がかかります。
これらの理由により、 週休2日制を導入することにはハードルがあります。
では、そのハードルをどうやって乗り越えれば良いのでしょうか?
週休2日制を導入するためにやるべきことを具体的に紹介していきます。
週休2日の実現にはなかなかハードルが高いことがわかりました
とはいえ、 これから週休2日制の導入は必須です。 どうすべきかを解説しますね
・給与形態の見直し
・IT ツールの活用
・発注者の理解を得る
といった内容が挙げられます。
それぞれ詳しく解説します。
働いた日数によって給与が変化する日給制のまま週休2日制に移行すると、 従業員の給与が減少してしまいます。
「月給制への移行」 といった、 給与形態の見直しが必要です。
月給制への導入が進んでいるとはいえ、 国土交通省の資料 「建設業の働き方として目指していくべき方向性』でも紹介したとおり、半数以下の会社では日給制です。
なので、月給制で安定した収入が得られるという点をアピールすることにより、 他社との差別化をはかることができます。
現場で働いて嬉しかったのは、会社が iPad を買ってくれたことでした
今までは重いキングファイルを印刷して持って歩いていましたが、 iPad が導入されてから電子データで持ち運べるようになったのは、業務効率の向上に繋がりました。
変更があった場合に再度印刷したり、
紙の書類だと雨で濡れてダメになってしまったり、
持ち歩くのが大変なので必要な時に車に再度取りに行ったり、
といった物理的な手間がかかっていました。
ですが、 iPadにDocuworks で図面をダウンロードすると手軽に持ち運びできて、図面の更新も簡単なので、 業務効率が爆上がり。
かなりの時短につながったので、ぜひとも導入を推奨するツールです。
週休2日制を導入する上では、自社以外の協力も必要不可欠です。
ビジネスは決して、一人で回すことはできないですし、工事現場の運営も同じです
多くの人が協力して現場を進めていく必要があります。
実際、私が現場監督をしていた時には、「元請けが現場を運営するのに、私達協力会社は休めないよ」と協力会社の方から言われました。
そして、発注者の方から理解を得ることも大切です。
発注者の監督員が 「休工してる余裕なんてあるの?」 なんて、態度だと厳しいですよね
発注者だから偉いというわけでなく、発注者側も適切な対応をとることが求められる時代になってきています。
・建設業界では週休2日制の義務化はされていない
・週休2日制を導入するメリットは「企業のイメージが向上」 「従業員のモチベーション向上」
・週休2日制を導入するデメリットは 「日給制の場合は給料が減る」 「工期がタイトになると激務になる」 「工期が長くなるとコストがかかる」
・週休2日制を導入するには 「給与形態の見直し」 「IT ツールの活用」 「発注者の理解と現場の完全閉所」 が必要
以上、 建設業で週休2日制が義務化になると聞いたけど、 いつからなるの? といった内容について解説しました。
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