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セミフラット形式の構造がよくわかりません。
現在主流になっている歩道の構造です。
他にも形式があるんですか?
マウントアップとフラットの計3種類です。
・マウントアップ型って何?
・セミフラット型って何?
・フラット型って何?
こんな悩みを解決します。
・マウントアップ、セミフラット、 フラット形式の違い
・歩道の構造について
・歩道の勾配、幅員等の決まりについて
この記事では、歩道の形式について解説しています。
これを読み終えればマウントアップ、セミフラット、 フラット形式の違いが明確になります。
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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また、ラウンドアバウト(環状交差点) については[ラウンドアバウト(環状交差点)について1級土木施工管理技士の元ゼネコンマンが徹底解説!?]で詳しく解説しています。
マウントアップ、セミフラット、フラット型の違いがわかりません。
車道と歩道の高さに違いがあります。
歩道の形式の違いを一覧にしてまとめました。
項目 | マウントアップ | セミフラット | フラット |
---|---|---|---|
形式 | |||
構造 | 歩道が車道より高い構造。 歩道は縁石と同じ高さ。 | 歩道が車道より 5cm 高い構造。 | 歩道と車道が同じ高さの構造。歩道と車道の境は縁石で仕切られている。 |
メリット | 車道より歩道が高いため、車の 侵入を防げることに加えて、 沿道の敷地に車道の水が 侵入するのを防ぐことができる。 | 車道と歩道の高低差が5cmと小さいため、乗り入れ部などでも勾配は緩く平坦性を確保しやすい。 | 車道と歩道が同じ高さのため、乗り入れ部や横断歩道部など平坦性を確保できる。 |
デメリット | 車道との高低差が15cm~20cmと大きいため、乗り入れ部など急な勾配となる。 | 歩道部と車道部に段差が生じるため、 車いすやベビーカーの乗り入れの際に支障となる。 | 車道と歩道の高さの差がないため、視覚障がい者が歩道と車道を区別しにくい。 |
それぞれメリット・デメリットがありますが、歩行者の円滑な移動の観点から、現在はセミフラット形式が一般的な構造になっています。
歩車道を縁石により分離する場合の歩道の形式は、 歩道面を車道面より高く、かつ縁石天端高さより低くする構造(セミフラット形式)とすることを基本とする。
出典元 「歩道の一般的構造に関する基準」国土交通省平成17年2月
マウントアップ形式について詳しく知りたいです
安全性は高いですが、歩道の起伏が激しく平坦性が確保しにくい構造のため現在は、数を減らしている構造です
マウントアップ形式は、歩道面の高さが歩車道境界ブロックの縁石天端と同じ高さとなる構造です。
車道面より歩道面が高くなります。
現在は新設の道路では、一般的にマウントアップ形式よりセミフラット形式が採用されます。
マウントアップ形式における最大のメリットは、安全性が高いこと。
歩道面の高さが縁石天端であるため、車道と歩道において 15cm以上の段差がある構造です。
その結果、歩道に車が載り上げにくい構造となり安全性が高い構造と言えます。
そのため、車通りが多い幹線道路に適した構造です。
マウントアップ形式のデメリットは、歩道の平坦性の悪さです。
歩道と車道部の境 (歩車道境界部) における段差は2cm が標準となるため、以下のような構造だとすりつけ区間が必要になります。
そのため、すりつけ区間の勾配は緩く、すりつけ区間も短くできます。
・車道の乗り入れ部
・横断歩道、交差点
歩車道境界における 2cm の段差に対して、 標準の歩道面の高さ (車道から 15cm)に対して、すりつけ区間が必要になります。
すりつけ区間
横断歩道部におけるすりつけ勾配は5% (やむをえない場合は8%)以下
出典元 『道路移動円滑化基準』
横断歩道部や交差点部においては、標準的な縁石の高さが15cm~20cm 程度のマウントアップ形式の歩道面から、 歩車道境界の段差2cm まですりつける必要があります。
その結果、横断歩道や交差点があるごとに、5%勾配のすりつけ区間が必要になるので、 歩道や歩道部における平坦性が悪くなります。
セミフラット形式について詳しく知りたいです
マウントアップ形式とフラット形式の間の構造で、すりつけ勾配が滑らかなので、現在は主流の構造です
セミフラット形式は、 歩車道の境界を境界ブロックで仕切り、歩道の高さが車道の高さより歩道面の高さが歩車道境界ブロックの縁石天端と同じ高さとなる構造です。
車道と歩道の位置関係としては、車道面より歩道面が高くなります。
現在、新設の道路では一般的にマウントアップ形式よりセミフラット形式が採用されます。
セミフラット形式のメリットは、歩車道の分離ができることに加えて、歩道の平坦性を確保できることです。
歩車道の境界となる歩車道境界ブロックとして段差が15cm以上あるので、車が歩道に侵入することを防ぎます。
それに加えて、歩道と車道の段差が5cm であるため、歩車道境界の段差2cm にくらべて高低差が小さい構造です。
そのため、すりつけ区間の勾配は緩く、すりつけ区間も短くできます。
セミフラット形式のデメリットは、 排水性の悪さです。
車道面と歩道面の高さが5cmしかないことから、 車道の排水が滞ると歩道にも水が溜まる可能性があります。
そして、最悪の状態では沿道の地先にも排水できなかった水が流れて行ってしまう可能性も否めません。
そのため、
・沿道の地先に対して車道側を低くし横断勾配を確保する
・透水性舗装とする
といった対策をとります。
フラット形式について詳しく知りたいです
車道と歩道の高さを同じにしながら、歩車道を縁石により分離する方式です
フラット形式は、歩道面と車道面の高さを同一としながら、歩車道の境を縁石で分離する構造です。
歩道と車道に高さの差がないことから、平坦性を確保するのが容易ですが、現在では一般的には採用されない構造といえます。
新設の道路で歩道を設ける際に、地先との調整によりセミフラットより適している場合に用いられます。
フラット形式のメリットは、歩道の平坦性を確保できることです。
歩道の高さが車道と変わらないため、セミフラットやマウントアップに比べて、すりつけ区間の設置が必要なく、歩道を一定勾配とすることができます。
さらに、外側線により歩行者の通路とする場合に比べて、縁石を設置することで歩車道を分離することができるため、安全性は向上します。
フラット形式のデメリットは、「視覚障がい者にとって不便」 「排水性が劣る」 であることです。
視覚障がい者に配慮するため、歩道と車道の境には、2cm の段差をつけることが望ましいとされています。
2) 横断歩道箇所における分離帯の構造
横断歩道箇所における分離帯は、車道と同一の高さとする。ただし、歩行者及び自転車の横断の安全を確保するために分離帯で滞留させる必要がある場合には、その段差は2cm を標準とする
国土交通省 『歩道の一般的構造に関する基準』
”段差がない”ことで、視覚障がい者が歩車道の境を認識できないといったデメリットがあります。
白杖などを利用する人にとっては、段差があることで「段差より先は車道である」と認識しますが、段差がないと車道と歩道の境がわかりません。
場合によっては、誤って車道に飛び出してしまうという可能性があります。
また、排水性が劣る部分に関しては、セミフラット形式とほとんど同じ特徴です。
ですが、フラット形式はセミフラット形式に比べてさらに歩道面が低いため、セミフラット形式以上に、排水に関しては配慮が必要です。
現在、日本ではバリアフリー法に基づく「移動等円滑化のために必要な道路の構造及び旅客特定車両停留施設を使用した役務の提供の方法に関する基準を定める省令」(平成18年)が制定されていて、『道路の移動円滑化に関するガイドライン」 が公表されています。
形式の違いについてはわかりました。
次は歩道の一般的な形式について解説します。
歩道とは、歩行者が安全に通行するために設けられた部分です。
道路構造令では以下のように定められています。
専ら歩行者の通行の用に供するために、縁石せん又はさくその他のこれに類する講座区物により区画して設けられる道路の部分をいう。
道路構造令第2条1項
縁せきや柵等によって分離されたものになるので、 区画線のみによって分離されたものは歩道とはいいませんので、ご注意ください。
区画線で区切った場合は 「路側帯」 「路肩」 になります。
歩道は車やダンプなどが走行することを想定していないため、車道と舗装構造が異なります。
歩道の勾配は「歩道の一般的構造に関する基準』 で定められています。
排水性を確保しながら、歩行者や車いすの通行に配慮した勾配とする必要があります。
イ) 歩道の縦断勾配は、5%以下とする。 ただし、沿道の状況等によりやむをえない場合には、 8%以下とすることができる。
ロ) 歩道の横断勾配は、雨水などの適切な排水を勘案して、 2%を標準とする。
また、 透水性舗装等を行った場合は1%以下とする。
すりつけ部については、特例がみとめられていますが原則はこの勾配におさまるように道路を構築します。
歩道は歩行者が通行するだけでなく、 バス待ちや横断歩道での信号待ちなど滞留機能が必要になるのが歩道です。
歩道の幅員についても、道路構造令で定められています。
歩道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあっては3.5メートル以上、 その他の道路にあっては2.0メートル以上とするものとする。
道路構造令第11条3項
なお、路上施設を設ける場合は、路上施設を設ける分歩道を拡幅する必要があります。
とはいえ都心部だと用地の関係から、歩道の幅員がどうしても狭い部分がありますよね。
歩道の形式について解説しました。
マウントアップ、セミフラット、フラット形式の違いが理解できたと思います。
・フラット形式は、歩車道境界ブロックを挟み車道面と歩道面の高さが同じ構造
・セミフラット形式は、歩車道境界ブロックの縁石を挟み歩道面が車道面より5cm高くなる構造
・マウントアップ形式は、歩道面の高さが歩車道境界ブロックの縁石天端と同じ高さの構造
以上、マウントアップ、セミフラット、フラット形式の違いについて解説しました。
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