トラックアジテータって何ですか?
ミキサー車と呼ばれるコンクリートを運搬するトラックのことです。
アジテータってどういう意味なんですか?
“agitate” とは、攪拌(かくはん) という意味です。
・ミキサー車と何が違うの?
・なんでクルクル回っているの?
・アジテータ車ってどんな設備があるの?
こんな疑問を解決します。
・ミキサー車との違い
・アジテータ車の設備
この記事では、一般的にミキサー車、生コン車と呼ばれるトラックアジテータについて解説しています。
これを読み終えればなぜトラックアジテータと呼ばれるのか、やトラックアジテータの設備について詳しくになれます。
執筆者
当サイトの運営者ぜねたの詳しいプロフィールは、コチラです。
また、コンクリートの運搬については、[コンクリートの運搬とは?運搬時間やバケットによる打設やポンプ車の選定方法を徹底解説]で詳しく解説しています。
トラックアジテータとミキサー車と違い
なぜアジテータって呼ぶんですか?
生コンを車で練り混ぜるのではなく、練り混ぜた生コンを攪拌(かくはん) する車だからです。
生コンを運ぶ車はミキサー車や生コン車と呼ばれますが、正式名称を”トラックアジテータ”と呼びます。
生コン工場で製造された生コンを工事現場まで運ぶ車両です。
アジテータというのは、agitate=攪拌という意味になります。
ミキサー (mixer) とは、文字通りかき混ぜること。
コンクリートの材料となる、セメント、砂利、砂、水を直接入れて練り混ぜるという事です。
しかし、トラックアジテータの役割は「練り混ぜる」ことではなく、生コンを「運搬する」こと。
練り混ぜることではなく、生コンが硬化しないように攪拌しながら運搬することが、トラックアジテータの目的になります。
※トラックアジテーターとも呼ばれたりしますが、当記事では一律トラックアジテータと表記します
トラックアジテータの設備
トラックアジテータって大きな車ですがどんな設備があるんですか?
大きな筒状の設備はドラムと呼ばれ、他にも3つ設備がついています。
トラックアジテータが運搬する生コンは、工業製品であり JISで規格がしっかりと定められています。
レディーミクストコンクリートの運搬車は、次による。
JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
a) トラックアジテータは、次の性能をもつものを使用する。
1) トラックアジテータは、練り混ぜたコンクリートを十分均一に保持し、材料の分離を起こさずに、容易に完全に排出できるものでなければならない。
ちょっと難しく書いていますが、生コンの品質を確保するために”それなりの設備”を有した車両であることが求められているということです。
高品質の生コンを現場に運搬するために、トラックアジテータについている設備を解説していきます。
大きさと種類
トラックアジテータの大きさは 4t~10前後まで様々でいろいろな大きさの車があります。
現場の状況や規模に応じて、大きな車を使ったり、小回りの利く小さな車を使ったりと使い分けます。
トラックアジテータの設備一式
トラックアジテータには、生コンの品質を保ちながら工事現場まで運ぶための設備がそろっています。
設備を4つ解説します。
・ドラム
生コンクリートを積載し攪拌するための円筒状の設備です。
硬化や材料の分離を防ぎ、コンクリートの品質を保つため、走行中もドラムを回転させる機能があります。
・ホッパ
ドラムに生コンクリートを投入する入り口です。 車両の後ろ上側についていています。
・シュート
生コンクリートを荷下ろしする際に利用する設備です。 上下左右に動かすことができます。
・水タンク
生コンクリートの荷下ろしが完了した後、 トラックアジテータを清掃するための水が入ったタンクです。 生コンクリートが付着していると、硬化してします。そのため、 シュートやホッパ、ドラムを速やかに現場で洗うことで、性能を保つことができます。 回転方向と回転スピードは車の横についているレバーで操作します。
ちなみに運搬しているときドラムは時計回りに回転しています。
生コンクリートを現場で下す時は反時計回りに回転します。
コンクリート運搬の規格
トラックアジテータについて理解が深まりました
実は他にも高品質の生コンを運搬するための工夫がされているんです
トラックアジテータが運搬するコンクリートはJIS製品であり、規格が厳しく決まっています。
「コンクリートを現場に持っていく機械」とはいえ、大きなドラムに入れて運搬するだけではありません。
ドラムの中の細かい部分でも、コンクリートの洗浄を忘れてしまうと付着したまま取れなくなってしまいます。
そのため、一度生コンを運んだアジテータ車は綺麗に洗浄する必要があります。
なお、コンクリートは配合(水やセメントの分量など)によって種類が異なるので、洗い残しや水が残らないように注意する必要があります。
また、コンクリートは温度の管理も重要です。
特に夏場は気温が高いため、コンクリートの水和反応が進み速く固まってしまいます。
そのため、運搬中に生コンの気温が上がりすぎないように、ドラムの中の温度を調整する必要があります。
車によってはドラムの中が熱くならないように、直射日光から守る塗料でドラムの外面を塗るなどの工夫を施します。
品質の高い生コンを運搬するためさまざまな工夫がされてます
トラックアジテータの値段
アジテータ車っていくらくらいするんですか?
10t車で1,500万円以上と非常に高価です
さて、ここまで読んでくださった方の中には、お値段が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろんメーカーやいろんな条件で前後しますが、おおよその目安として、3tくらいの小型車で500万円程度。
10tの大型車だと1,500万円以上になるそうです。
ちなみに、中古車だと10tで300万円〜550万円程度で販売されてました
また、ある会社の資料によるとリースにすると費用は月25万〜35万円程度のようです。
10t車 | 4t車 | 備考 |
---|---|---|
352,000円 | 286,000円 | 回送は別費用 |
購入の場合でもリースの場合でも、高価な車両になるため、日々のメンテナンスが必要不可欠ですね。
トラックアジテータ【まとめ】
・アジテータとは、攪拌という意味の言葉
・生コン工場で練り混ぜた生コンの品質を保つために撹拌して運搬している
・トラックアジテータには付いている設備は、ホッパ、 ドラム、シュート水タンク
以上、トラックアジテータについて解説しました。
『つちとき』にコメントする
コメント一覧 (2件)
おはようございます。いつも貴サイトで土木のイロハを勉強させていただいています。
私は昔、港湾土木の施工管理経験がありますが、現在の発注者支援業務では
土木工事の経験が無いため、日々勉強しながら業務に取り組んでいるところです。
知っているつもりで使っていた言葉の意味が今頃分かったり、え?そんな事だったのか!とか
本当に助かっています。
今朝もアジテータとミキサーの違いを勉強させていただいたところでした。
そのなかのまとめに変換ミスが1箇所ありましたのでお知らせいたします。
「生コンの品質を保つために拡販して運搬している」 アジテータ(攪拌)が(拡販)になっています。修正よろしくお願いいたします。
貴サイトの益々のご発展と、ゼネタ様のご健勝をお祈り申し上げます。
瀬戸淳幸様
コメントありがとうございます!
いつも読んでくださって大変嬉しい限りです。
ご丁寧なコメントに加えて、ご指導までいただきありがたい限りです。
執筆をして良かったなと思いました。
今回のように、至らない点もあるかもしれません。
ですが、今後もお役に立てるように精進してまいりますので、よろしくお願い致します。