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一般的には「激務」「ブラック」と言われているゼネコンの施工管理業務ですが、実態はどうなのでしょうか?
この記事では、ゼネコンで土木の現場の施工管理として7年間働いた私の実体験から、実際の勤務状況について解説します。
ゼネコンマンの現場でのある1日のスケジュール
ゼネコンマンの業務内容
ゼネコンについて解説
執筆者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』著者
『つちとき』管理人|元準大手ゼネコン勤務|土木の現場監督7年|1級土木施工管理技士|【経験工種類】道路土工事、トンネル、PC上工、橋梁下部工|書籍『仕組み図解 土木工事が一番わかる』出版
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なお、現場監督が偉そう」とか「見てるだけじゃん」とか、「クズだ」と言われる理由については、[ゼネコンの現場監督ってなんで見てるだけで偉そうなの?クズと言われる3つの理由]で詳しく解説しています。
✅現場監督がクズと言われる3つの理由を解説
工事現場監督として7年働いた経験から、 現場監督がやっていることやイメージを嘘偽りなく紹介
関連記事 ゼネコンの現場監督ってなんで見てるだけで偉そうなの?クズと言われる3つの理由
現場監督は忙しいって聞くけど実際どうなの?
建設業界で働きたいと思っているのなら、基本的には休みは日曜しかありません。
もちろんゼネコンで働く上で現場での施工管理だけでなく、営業や設計や事務など本店や支店での業務もあります。
ここでは現場での施工管理を中心に話をします。
忙しさは現場と担当している部署や工種によって異なります。
しかし、近年では働き方改革から隔週で土曜日を閉所にするなど、そこまで休みが取れないわけではありません。
では、私が実際の体験からある現場での1日のスケジュールを紹介します。
私が最初に配属された飯場で暮らして働いていたときのスケジュールです。
あくまで参考の一例として捉えて下さい。
現場監督時代の1日のスケジュール
6:30 起床
7:00 事務所へ出勤
7:05〜事務所で事務作業、作業の段取り
8:00 現場へ移動
8:30 朝礼開始
〜12:00 現場で施工管理業務
12:00〜12:40 休憩
12:45 昼の打合せ
13:00〜17:00 現場で施工管理業務
17:00〜 事務所で事務作業
21:00 退社
どー思いました?
思ったより朝が遅いですか!?
私が働いていたのは、中堅ゼネコンと言われるところの土木の技術職でした。建築の場合や、事務所の場合は異なるかもしれません。
スーパーゼネコンなどはまた異なるかもしれないので、あくまで一つの現場の例としてイメージして頂ければ幸いです。
現場に配属された若手職員の代表的な仕事は、以下のとおりです。
ゼネコンマンの仕事とは
安形法令を遵守し契約図書通りに協力業者の協力を得て工事目的物を完成させることです。
現場での施工管理業務は中間管理職としてマネジメントを行います。
つまり、業務の特性上板挟みに合います。
これらの、仕事を覚えて業務をこなしていくために、背景となる様々な知識が必要です。
・出来形、品質の管理基準
・安全に関する法律
これらの知識があり、さらに施工方法をしっかりと理解することで、 適切な管理を行うことができます。
また、現場では日々、想定していなかったアクシデントが発生するなど、逐一状況は変化していきます。
ドンドン変わっていく状況に対して、 無理や無駄な作業が発生しないように作業を進めるためには、様々な判断が求められます。
実際、判断を下していくには工学的な土木工学の知識は必要不可欠です。
・ある物を動かすのに、 何トンの力が必要なのか
・動かす際にどこを起点にすれば、安全に引っ張ることができるのか
といった判断をするのが、 現場監督です。
最初はもちろん、全然わかりません。
若手が現場で 「自分の知識不足」 という悲しい現実に直面します
ですが、現場監督というのは、工学的な知見に基づく知識がることで、安全かつ合理的に工事を進めていく方法を判断することが仕事です。
そのため、勉強しながら工事を進めていくということになるので、時間もかかってしまいます。
さらに、ゼネコンマンの仕事を深掘りすると、工学的な知見以外に法律関係の知識も必要です。
さらに、実際に工事を進めていくためには、様々な法律が関係しています。
関係法令
・建設業法
・公共工事の品質確保の促進に関する法律
・労働基準法
・労働安全衛生法
・道路交通法
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
実際は、これ以上に多くの法律が絡んできます
それらの法律を守りながら、契約した図面とおりの工事目的物を構築していきます。
法律は覚えること以上に、まず理解するのだけでも大変です。
また、法律を守り仕事をするというのは、作成する書類も数多くあります。
・法律や土木工学の知識を理解すること
・それに関する書類をつくること
この2つが業務を圧迫する要因となっています。
ゼネコンマンが過酷な仕事であることは、政府のまとめた資料でも明確に示されています。
政府がまとめた「過労死防止対策白書」によると、建設業界の現場監督が非常に危険な状態です。
建設業の現場監督で、6人に1人にあたる 16.2%の人が週60時間以上の労働時間で、月換算すると、 過労死ラインの残業80時間を超過します。
私がゼネコンで働いていた時も、月80時間は超えは全然ありました。
実際、記憶に新しいのが、新国立競技場で現場監督が過労死した事件です。
平成29年に新国立競技場の工事で現場監督をしていた23歳の社員が、過労により自殺するという痛ましい事件が起こりました。
労働基準監督署は、競技場の入退出記録や関係者の証言などから、 男性が失踪する直前の1カ月 (1月31日~3月1日) の時間外労働を190時間18分と認定し、業務を原因とした精神疾患に起因するとして、労災と判断した。なお、1月1日~1月30日の残業時間は160時間 05分でした。
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50426130R01C19A0CR0000/
時間外労働時間 190 時間は考えられませんよね・・
このような現場があるというのが、 リアルな実情です。
なぜ、ゼネコンの人は激務だと言われるんですか?
激務と言われる理由は5つです
ゼネコンが激務といわれる代表的な理由は、以下の5つです。
激務と言われる5つの理由
・残業に休日作業が当たり前
・関連企業や関わる人が多い
・短い工期によるプレッシャー
・責任が大きい
・転勤が多い
ちなみに、私は転職してしまいましたが、年収だけで言うならば同年代の方よりは貰っていたのは事実です
それぞれ詳しく解説します。
建設業界はいまだに週休1日が主流です。土曜休みだけでなく、祝日もありません。
近年は働き方改革の影響や、 週休2日の考え方が普及してはいますが、 まだまだ広がっているとは言えません。
実際、 日建協の調査によると、 約5割が4週4休以下といった状況です。
また、建設業界は残業も多いです。
ある転職情報サイトの残業時間に調査によると、「建設業界」は全95の職種の中で、残業時間が3番目に長いという結果でした。
ワークライフバランスが問われる現代で、拘束時間が長いのはイヤだとい埋める人も多いですよね・・
現場監督として現場で勤務をすると、関わる人の数が学生のころに比べると圧倒的に増えます。
・会社の同僚、先輩、上司、後輩
・発注者の方 (お客様)
・協力業者の方々
・資機材を作るメーカー
・資機材を注文する商社
・リース会社
.
関わる人が増えてくると、人間関係の悩みも増えていきます。
また、現場での業務は、自分自身で作業を行うのではなく、協力業者を指揮しながら現場を進めていきます。
現場監督の仕事というのは、中間管理職としてマネジメントをおこなう仕事です。
なので、 学校を卒業し就職して現場に配属されると、最初から中間管理職として現場を指揮する立場になります。
つまり、ゼネコンで現場監督として働くとすると立場上、協力業者と発注者の間に挟まれてます
以上の、2つの部分でゼネコンの仕事に対して激務であると感じるポイントです。
ゼネコンが激務という理由は、仕事の納期に間に合わせるため仕事が忙しくなってしまうという問題があります。
マンションやビル、 ダムや橋など工事目的物は一日で作れるものではなく、一つ一つの作業を積み重ねてつくり上げていくのです。
一つの工事目的物を作るのに、何ヶ月や何年いった多くの期間がかかります。基本的に公共工事は土日祝日を抜いて工期の算定をおこないます。
しかしながら、 土木の工事は自然を相手にする仕事であるため、「天候の不順が続く」といったような誰にも予知できない事態に陥ることもあり、
もちろん、不測の事態が発生した場合、設計変更をおこなうことで工期を変更することができますが、天候不順は工期変更の理由にはなりません。
また、仕事が忙しくなる理由として、納期に間に合わせるというもの以外に、受注した会社の都合というのもあります。
実際、工事を請け負う側とすると、早く仕事を終わらせた方が、工事に係る原価を抑えることができます。
施工にかかる日数が増えると、作業にかかった日数が増えると、ガードマンが必要になりますし、 機械のリース代も増えます。
施工スピードを上げると工事にかかる原価は下がる(※突貫工事になると逆に費用は高くなる)
さらに、施工スピードを早くするために、パーティー数を増やすと、管理する職員の人数も必要になります。
・受注者としても早く工事を終わらせた方が利益を出せる
・職人さんも仕事をして収入を増やしたい
という側面もあるため、どんどん仕事を進めるために仕事が忙しくなります。
建設業のモノ造りは規模が大きく多くの人が使用するモノを造ります。また工事目的物の規模が大きいため、やり直しがききません。
・公共性が高い
・やり直しがきかない
この2つの理由から社会的な責任が大きい仕事と言えます。
建設業に関わる一企業としても、間違ったものを作ってやり直しになってしまうと、莫大な費用が発生してしまうため、経済的にも影響が大きいです。
もちろん、働く従業員も大きなプレッシャーや責任を与えられます。
過労自殺した23歳の方も責任を感じていたからから 190時間の残業をしたのかもしれませんね・・
ゼネコンは転勤が多いことも、激務・きついといわれる理由です。
基本的には、配属された工事が終われば別の工事に従事します。
実際に、建設業で造る工事目的物というのは、巨大で重さもあるため、現地生産が基本です。
なので、ゼネコンと呼ばれる大手の建設会社では、全国各地で工事を行っています。
工事目的物は現地生産が基本
そのため、工事が終わって別の工事に従事するために、転勤するのが一般的です。引越しが必要な場合もあり、単身赴任や家族の転勤・転校など負担が発生します。
また、転勤は現場の変わるたび(1〜2年程度が多い)に引っ越しの手間や負担が生じるため、体力や精神的に疲れが生じます。
私も今までに7回引っ越しましたが、回数を重ねる毎に、体力的にも精神的にもしんどくなりました
ゼネコンで働くのは「やめとけ」とか「不祥事が多い」とかお言われますが、ゼネコンって正確には何のことなんですか?
ゼネラル コントラクター(General Contractor)は総合建設会社と日本では訳されます
建設業の方はおなじみかもしれませんがゼネコンについて改めて解説します。
ゼネコンとは”ゼネラルコントラクター”の略で”総合建設会社”と日本では認識されています。
ゼネラル コントラクター(General Contractor):総合建設会社
コントラクターは建設分野での請負人という意味です。
日本の建設業では、5つの会社が規模、売上とともに突出しています。
発注者から工事を請負、工事目的物の完成のために工事の全体の取りまとめを行う会社です。
私は準大手ゼネコンの土木の分野で現場監督をしてました。
一般社団法人日本建設業界連合会の資料によると、2022年では建設業界の就業人数は全産業のうち7.1%の479万人という結果になっています。
特に、大手ゼネコンというのは新卒で大学を卒業しての採用が一般的であり、転職による求人はあまり出回っていません。
給料はそれなりの金額で平均年収よりもらうことはできますが、働くことがきついので、「労働環境がいい」とはいえない業界ではあります。
スーパーゼネコンは転勤も多いですが、就活生にも人気です
なお、[【ゼネコンで働く】現場監督の仕事とは!?元ゼネコンマンが解説します。]の記事では、建設業界の中でも大手の建設会社であるゼネラルコンストラクターで働くことについて解説しました。
建設業界に興味がある方は、参考にしていただけると嬉しいです。
✅現場監督のリアルな仕事を解説
関連記事 【ゼネコンで働く】現場監督の仕事とは!?元ゼネコンマンが解説します。
ゼネコンマンの業務について紹介しました。
実際に現場で施工管理業務を行っていた経験を踏まえて解説したので、少しは参考になると嬉しいです。
以上、実際の勤務状況について解説しました。
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