元ゼネコンマンのぜねた(@GenetaCivil)です。
一般的には「激務だ」「ブラックだ」と言われているゼネコンの施工管理業務ですが、実態はどーなのでしょうか?
この記事では、ゼネコンで土木の現場の施工管理として働いた経験から、実際の勤務状況について解説します。
ゼネコンマンの現場でのある1日のスケジュール
ゼネコンマンの業務内容
ゼネコンについて解説
執筆者
なお、現場監督が偉そう」とか「見てるだけじゃん」とか、「クズだ」と言われる理由については、[ゼネコンの現場監督ってなんで見てるだけで偉そうなの?クズと言われる3つの理由]で詳しく解説しています。
✅現場監督がクズと言われる3つの理由を解説
工事現場監督として7年働いた経験から、 現場監督がやっていることやイメージを嘘偽りなく紹介
関連記事 ゼネコンの現場監督ってなんで見てるだけで偉そうなの?クズと言われる3つの理由
ゼネコンって激務なの?施工管理は忙しい
現場監督は忙しいって聞くけど実際どうなの?
建設業界で働きたいと思っているのなら、基本的には休みは日曜しかありません。
もちろんゼネコンで働く上で現場での施工管理だけでなく、営業や設計や事務など本店や支店での業務もあります。
忙しさは現場と担当している部署や工種によって異なります。
しかし、近年では働き方改革から隔週で土曜日を閉所にしていたりと、そこまで休みが取れないわけではありません。
では、私が実際の体験からある現場での1日のスケジュールを紹介します。
ゼネコンマンの現場での施工管理!一日のスケジュール
私が最初に配属された飯場で暮らして働いていたときのスケジュールです。
あくまで参考の一例として捉えて下さい。
6:30 起床
7:00 事務所へ出勤
7:05〜事務所で事務作業、作業の段取り
8:00 現場へ移動
8:30 朝礼開始
〜12:00 現場で施工管理業務
12:00〜12:40 休憩
12:45 昼の打合せ
13:00〜17:00 現場で施工管理業務
17:00〜 事務所で事務作業
21:00 退社
どー思いました?
思ったより朝が遅いですか!?
私が働いていたのは、中堅ゼネコンと言われるところの土木の技術職としてでした。
建築の場合や、事務所の場合はもちろん異なります。
スーパーゼネコンなどはまた異なるかもしれないので、あくまで一つの現場の例としてイメージして頂ければ幸いです。
ゼネコンが激務な理由とは!?実際の業務とは!?
現場に配属された若手職員の代表的な仕事は、以下のとおりです。
- 出来形を管理するための墨出し
- 品質管理として写真撮影
- 事故の内容に作業を進める安全管理
ゼネコンマンの仕事とは
安形法令を遵守し契約図書通りに協力業者の協力を得て工事目的物を完成させることです。
現場での施工管理業務は中間管理職としてマネジメントを行います。
つまり、業務の特性上板挟みに合います。
- 一度作ってしまうとやり直しがきかないので責任が大きい
- 関連企業や関わる人が多く調整が大変
これらの、仕事を覚えて業務をこなしていくために、背景となる様々な知識が必要です。
・出来形、品質の管理基準
・安全に関する法律
これらの知識があり、さらに施工方法をしっかりと理解することで、 適切な管理を行うことができます。
また、現場では日々、想定していなかったアクシデントが発生するなど、逐一状況は変化していきます。
逐一変わっていく状況に対応し、 無理や無駄な作業が発生しないように、様々な判断が求められます。
実際、判断を下していくには工学的な土木工学の知識は必要不可欠です。
ある物を動かすのに、 何トンの力が必要なのか
動かすのにどこを起点にすれば、安全に引っ張ることができるのか
といった判断をするのが、 現場監督です。
最初はもちろん、全然わかりません。
若手が現場で 「自分の知識不足」 という悲しい現実に直面します
ゼネコンマンの仕事
工事に関係する法令を尊守し、 契約図書とおりの工事目的物を完成させること
工事を進めていくためには、様々な法律が関係しています。
関係法令
・建設業法
・公共工事の品質確保の促進に関する法律
・労働基準法
・労働安全衛生法
・道路交通法
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
実際は、これ以上に多くの法律が絡んできます
それらの法律を守りながら、契約した図面とおりの工事目的物を構築していきます。
法律は覚えること以上に、まず理解するのだけでも大変です。
また、法律を守り仕事をするというのは、作成する書類も数多くあります。
まず法律を理解すること、 それに関する書類をつくること
この2つが業務を圧迫する要因となっています。
現場での業務は激務!?ゼネコンマンの休みは日曜だけ!
ゼネコンマンが過酷な仕事であることは、政府のまとめた資料でも明確に示されています。
政府がまとめた「過労死防止対策白書」によると、建設業界の現場監督が非常に危険な状態であることがわかっています。
建設業の現場監督で、6人に1人にあたる 16.2%の人が週60時間以上の労働時間で、月換算すると、 過労死ラインの残業80時間を超過します。
私がゼネコンで働いていた時も、月80時間は超えは全然ありました。
実際、記憶に新しいのが、新国立競技場で現場監督が過労死した事件です。
平成29年に新国立競技場の工事で現場監督をしていた23歳の社員が、過労により自殺するという痛ましい事件が起こりました。
労働基準監督署は、競技場の入退出記録や関係者の証言などから、 男性が失踪する直前の1カ月 (1月31日~3月1日) の時間外労働を190時間18分と認定し、業務を原因とした精神疾患に起因するとして、労災と判断した。なお、1月1日~1月30日の残業時間は160時間 05分でした。
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50426130R01C19A0CR0000/
時間外労働時間 190 時間は考えられませんよね・・
このような現場があるというのが、 リアルな実情です。
ゼネコンが激務と言われる5つの理由
なぜ、ゼネコンの人は激務だと言われるんですか?
激務と言われる理由は5つです
ゼネコンが激務といわれる代表的な理由は、以下の5つです。
激務と言われる5つの理由
・残業に休日作業が当たり前
・関連企業や関わる人が多い
・短い工期によるプレッシャー
・責任が大きい
・勤務地が現場事務所
ちなみに、私は転職してしまいましたが、年収だけで言うならば同年代の方よりは貰っていたのは事実です
それぞれ詳しく解説します。
激務の理由① 残業に休日作業が当たり前
建設業界はいまだに週休1日が主流です。土曜休みだけでなく、祝日もありません。
近年は働き方改革の影響や、 週休2日の考え方が普及してはいますが、 まだまだ広がっているとは言えません。
実際、 日建協の調査によると、 約5割が4週4休以下といった状況です。
また、建設業界は残業も多いです。
ある転職情報サイトの残業時間に調査によると、「建設業界」は全95の職種の中で、残業時間が3番目に長いという結果でした。
ワークライフバランスが問われる現代で、拘束時間が長いのはイヤだとい埋める人も多いですよね・・
激務の理由 ② 関連企業や関わる人が多い
現場監督として現場で勤務をすると、関わる人の数が学生のころに比べると圧倒的に増えます。
・会社の同僚、先輩、上司、後輩
・発注者の方 (お客様)
・協力業者の方々
・資機材を作るメーカー
・資機材を注文する商社
・リース会社
.
関わる人が増えてくると、人間関係の悩みも増えていきます。
また、現場での業務は、自分自身で作業を行うのではなく、協力業者を指揮しながら現場を進めていきます。
現場監督の仕事というのは、中間管理職としてマネジメントをおこなうこと。
なので、 学校を卒業し就職して現場に配属されると、最初から中間管理職として現場を指揮する立場になります。
つまり、ゼネコンで現場監督として働くとすると立場上、協力業者と発注者の間に挟まれてます
以上の、2つの部分でゼネコンの仕事に対して激務であると感じるポイントです。
激務の理由 ③短い工期によるプレッシャー
ゼネコンが激務という理由は、仕事の納期に間に合わせるため仕事が忙しくなってしまうという問題があります。
マンションやビル、 ダムや橋など工事目的物は一日で作れるものではなく、一つ一つの作業を積み重ねてつくり上げていくのです。
一つの工事目的物を作るのに、何ヶ月や何年いった多くの期間がかかります。基本的に公共工事は土日祝日を抜いて工期の算定をおこないます。
しかしながら、 土木の工事は自然を相手にする仕事であるため、天候の不順が続くといった気象条件はわかりません。
もちろん、不測の事態が発生した場合、設計変更をおこなうことで工期を変更することができます。
また、仕事が忙しくなる理由として、納期に間に合わせるというもの以外に、 受注した会社の都合というのもあります。
実際受注者としても早く仕事を終わらせた方が、工事に係る原価を抑えることができます。
さらに管理する職員の人数も必要になります。
受注者としても早く工事を終わらせた方が利益を出せる
職人さんも仕事をして収入を増やしたい
という側面もあるため、一概に工期が短いから忙しいともいえません。
激務の理由 ④ 責任が大きい
建設業のモノ造りは規模が大きく多くの人が使用するモノを造ります。また工事目的物の規模が大きいため、やり直しがききません。
公共性が高い
やり直しがきかない
この2つの理由から社会的な責任が大きい仕事と言えます。
建設業に関わる一企業としても、間違ったものを作ってやり直しになってしまうと、莫大な費用が発生してしまうため、経済的にも影響が大きいです。
もちろん、働く従業員も大きなプレッシャーや責任を与えられます。
過労自殺した23歳の方も責任を感じていたからから 190時間の残業をしたのかもしれませんね・・
激務の理由 ⑤ 勤務地が現場事務所
建設工事の特徴として、現地で工事目的物をつくることです。
目的物を作る場所で働く必要があるため、生活する場所も現場近くになります。
特に土木の工事の場合、 人里離れた場所で工事をするのが普通です。
もちろん、都市で構造物をつくるという工事もあります。
私がゼネコンで働いていた現場は山奥でした
僻地の工事の場合、工事のために仮設のプレハブ小屋を建てそこに住み込みで働くという事もあります。
その一つのプレハブ小屋で、勤務する職員が集団生活するという現場もありました
また、現場で働く関係会社の人用にプレハブ小屋を建てて、生活する現場もあります。
ゼネコンってそもそも何のこと?
建設業の方はおなじみかもしれませんがゼネコンについて改めて解説します。
ゼネコンとは”ゼネラルコントラクター”の略で”総合建設会社”と日本では認識されています。
コントラクターは建設分野での請負人という意味です。
日本の建設業では、5つの会社が規模、売上とともに突出しています。
- 鹿島建設株式会社
- 清水建設株式会社
- 大成建設株式会社
- 株式会社大林組
- 株式会社竹中工務店
発注者から工事を請負、工事目的物の完成のために工事の全体の取りまとめを行う会社です。
私は準大手ゼネコンの土木の分野で現場監督をしてました。
ゼネコンに向いているかな!?ゼネコンで働くとは!?
ゼネコンで働くことは、建設業界で働くということです。
他の業界とは違った面も多くあります。
ゼネコンマンとして働くことについて解説しましたので、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
【まとめ】ゼネコンマンは激務なの!?
ゼネコンマンの業務について紹介しました。
実際に現場で施工管理業務を行っていた経験を踏まえて解説したので、少しは参考になると嬉しいです。
- 昼間に現場に出ずっぱりになると、現場終了後に事務作業を行うことになる
- 工事を進めるうえで、関連企業や関係する人が多く調整が大変で忙しい
- 近年は働き方改革により休みは増えている
以上、実際の勤務状況について解説しました。
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