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瀝青材とアスファルトって何が違うの?
瀝青材って何?
瀝青材料ってどんなものがあるの?
本記事ではこんな悩みに答えます。
日本の道路はアスファルト舗装がほとんどで、 土木の工事でもなじみがある日本でもメジャーな建設材料です。
特に道路工事に関わっている方なら、 「瀝青材」という言葉は誰しも聞いたことがあると思います。
結論から言ってしまうと、瀝青材料とは、原油を精製する際に生じ残る物質で、アスファルトは瀝青材料の一つです。
この記事では、瀝青材料についてだけでなく、その他の瀝青材料や瀝青材料の成り立ちなどを解説していきます。
・瀝青材料について
・アスファルトの種類や作り方
・アスファルト以外の瀝青材料
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瀝青って何ですか?
二硫化炭素 (CS2) に溶ける特性天然または人工の炭化水素からなる化合物のことを言います。代表的な瀝青材料はアスファルトです
瀝青とは、二硫化炭素 (CS2) に溶ける炭化水素の混合物で、天然または石油の残留物で 得られる材料です。
色は黒や暗褐色で、常温では固体か半固体で、加熱すると徐々に液体になり粘り気があります。
この瀝青を主成分とする材料を瀝青材料といい、一般的には道路の舗装に用いられるアス ファルト系の材料 (アスファルトやコールタール、ピッチなど)をいいます。
まずは、瀝青材料について解説していきます。
瀝青材料の中で、最も有名で一般的な材料はアスファルトです。
代表的な瀝青材料を一覧にしました。
石油アスファルト
石油アスファルト
改質アスファルト
天然アスファルト
石油アスファルト乳剤
また、このような瀝青材料を使用した材料は以下のようなものがあります。
加熱アスファルト化合物
タックコート
プライムコート
瀝青目地材
といったものがあります。
アスファルトは古くから使われている建設材料で、 紀元前3800 年頃の古代メソポタミアで天然アスファルトが接着剤として用いられていたといわれています。
日本やアメリカではアスファルトと呼びますが、ヨーロッパでは石油アスファルトのことをビチューメン (Bitumen=歴青/瀝青)と呼びます。
アスファルトという言葉が一般的になったのは、 原油の利用が一般的になり始めた18 世紀からで、ギリシア語のaadairos (asphaltos) からの外来語です。
a(しない)とsphalt (落とす)という意味があります。
つまり、「落ちない」とか「ダレない」という意味から来ているそうです。
道路の舗装に使われているのも納得の理由ですよね
次に代表的な瀝青材料であるアスファルトについて解説します。
アスファルトって何ですか?
暗褐色や黒色で、 常温時は半固体か粘性の高い液体状態で、 加熱するとすぐに融解する性質がある物質です
日本の道路の9割以上は“アスファルト”を材料に構築される一般的な建設材料です。
一般的に“アスファルト”というは、アスファルト混合物のことです。
骨材やフィラーにアスファルトを混ぜた『アスファルト混合物』が正確な名称
アスファルトは原油に含まれる最も重い炭化水素類のことで、色は暗褐色や黒色で、常温時は半固体か粘性の高い液体状態の物質です。
加熱するとすぐに融解する性質があり、温度が下がって常温になるとアスファルトが固まり強度のある物質になるため、道路などで広く活用されています。
アスファルトは、天然の原油が変化することによってできる天然アスファルトと、石油の精製過程にできる石油アスファルトの大きく2種類に分類できます。
石油アスファルトはさらに分類できて、 蒸留法によりつくられるストレートアスファルトと、これを空気酸化してつくられるブロークンアスファルトの2種類です。
ストレートアスファルトは原油の精製中に製造されるもので、 主に道路で使用するアスファルト化合物として活用し、ブロークンアスファルトは目地材や防水用として用いられます。
2つのアスファルトの違いは以下のとおりです。
ストレートアスファルト | ブロークンアスファルト |
---|---|
伸度が大きく、軟化点が低く、粘着度が強い | 針入度が低く、感温性が小さく、衝撃に対する抵抗力が強い |
舗装用石油アスファルトの品質はアスファルトの硬さを調べる針入度試験によってさらに 規定されています。
✅針入度 (しんにゅうど)
アスファルトなどの硬さを表わす数値。
標準条件(温度25℃、 荷重100g、 貫入時間5秒) で針が材料中に垂直に貫入したときの探さを1/10mm単位で表わしたもの 針入度が高いほど、硬いアスファルトであると言えます。
なお、アスファルトの使用用途によって針入度が変わり、「アスファルト舗装要綱」 では舗装用石油アスファルトの品質規程として以下のとおり記述があります。
一般地域では主として60~80を、積雪霊感地域では主として80~100 を用いる。
(社)日本道路協会 『アスファルト舗装要綱』 P48
また、40~60 は一般地域で交通量が多い場合に、 100~120 は極端に低温になる地域 ( 温度応力ひび割れ対策等) に、 それぞれ用いることがある。
そのため、 アスファルトの種類に応じて適切な材料を使用する必要があります。
天然アスファルトは、 自然に算出される瀝青材料で代表的なものは以下の3種類です。
ロックアスファルト: 石灰岩のような岩石にしみ込んだアスファルト
レイクアスファルト: 地下から湧き出して湖になっているアスファルト
オイルサンド:砂にしみ込んだアスファルト
日本でも天然アスファルトのトリニダッドレイクアスファルトは使用されていて、 グース アスファルト化合物やロールドアスファルト混合物の改質材として使用されます。
✅トリニダッドレイクアスファルト
中米カリブ海のトリニダッド島のアスファルト湖に産する天然アスファルトを精製したもの
なお、 トリニダード·トバゴでは純度の高いアスファルトが天然で噴出し、 湖を形成していてピッチ湖よばれている世界的にも珍しい例です。
次に、アスファルトの作り方について解説します。
アスファルトは、原油を精製する過程で生まれる残留物です。
日本でも石油を大量に輸入していて、 石油からLPガス、ガソリン、灯油、軽油、重油など、さまざまな石油製品がつくられています。
石油アスファルトは原油の成分中高沸点の留分であり、石油の精製を経て原油を石油ガス、ガソリン、灯油、軽油、重油などに分留した結果、 残るものです。
アスファルトは言ってしまえば石油の“残り物”ですね
ちなみに、日本でアスファルトといった場合は、一般的に石油アスファルトのことをいいます。
石油を輸入して国内で石油製品をつくる過程で、アスファルトを大量に製造できます。
それを有効的に活用して、 舗装の材料としてアスファルト化合物を使用しています。
また、 天然アスファルトは、 自然に存在する原油の軽質分が蒸発してアスファルト分が残ったものと考えられていますが、日本では天然アスファルトはほとんど活用されていません。
アスファルト混合物とは、 細骨材 粗骨材、 フィラーおよびアスファルトを混合した建設材料です。
現在の道路舗装などはアスファルトコンクリートの発生材を破砕し分類した再生骨材を利 用した再生アスファルト混合物の利用が一般的です。
なお、 アスファルトコンクリート塊の再資源率は98%以上に達しています。
道路の舗装工事については、[道路の舗装工事について現場経験7年の元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。
✅舗装工事に使用する機械や施工手順、作業方法を徹底解説
アスファルトについては理解できました
最後にアスファルト以外の瀝青材についてみていきましょう
最初に解説しましたが、 瀝青材料の代表的な材料はアスファルトです。
ここでは、アスファルト以外の瀝青材料について解説します。
アスファルト乳剤というのは、アスファルトを水 乳化剤・安定剤に溶かした液の中に粒子 として分散させた液体です。
アスファルトが水と分離して固まると、 アスファルト自身が持っている強度が発現し、 粘性が高まります。
アスファルト乳剤の性質は乳化剤の性状に大きく依存し、 使用する乳化剤に応じてアスフ ァルト乳剤は大きく3種類に分類されます。
カチオン系乳剤
アニオン系乳剤
ノニオン系乳剤
現在、 道路の工事で散布する乳剤はほとんどがカチオン系の乳剤です。
安定性に優れていてなおかつ分解しやすく、速やかに骨材の表面にアスファルトの被膜を形成します。
カチオンとは、陽イオン (プラスイオン)のこと
アニオン系乳剤とは、分解が遅く付着性に劣るため現在は道路工事ではあまり使用されていません。
長時間の保存に耐えられるといった特徴があるため、防水用アスファルト乳剤等で使用されます。
アニオンとは陰イオン (マイナスイオン) を意味する言葉です
ノニオン系乳剤は、電荷をもたないため科学的に安定していて、 セメントやフィラーとの混合も容易です。
そのため、路上再生路盤工法などに使用されます。
なお、 アスファルト乳剤は一般的に道路工事においてタックスコート、プラムコートの施工に用いられます。
なお、タックコート、プライムコートについては[プライムコートとタックコートの違いとは?]で詳しく解説しています。
✅プライムコートとタックコートの施工方法や施工手順、規格値を徹底解説!
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瀝青系目地材はコンクリートのひび割れを防止するために入れるアスファルト系の伸縮目地です。
アスファルトを含有させることで、 目地材に防水性と防腐性を与えることができます。
コンクリートの膨張・収縮挙動に追従するためにコンクリート構造物の目地として使用するのが一般的です。
コンクリートが給水、吸湿による膨張収縮するのに加えて、気温の変化あるいは効果反応などによる膨張、収縮する場合に発生する応力を緩和する役割を担います。
コンクリートの目地材として近年使用されるのが、「エラスタイト」と呼ばれる目地材です。
材料の70%以上がアスファルトでできていて、 防水性がよく長期的な耐久性にも優れています。
なお、エラスタイトについては[エラスタイトとケンタイトの違いとは!?現場監督7年の元ゼネコンマンが解説]で詳しく解説しています。
✅瀝青目地材で代表的な「エラスタイト」と「ケンタイト」の違いについて解説
関連記事 エラスタイトとケンタイトの違いとは!?現場監督7年の元ゼネコンマンが解説
以上、瀝青とアスファルトについて解説しました。
・瀝青は二硫化炭素 (CS2) に溶ける炭化水素の混合物
・代表的な瀝青材料はアスファルト化合物
・アスファルトは暗褐色や黒色で、常温時は半固体か粘性の高い液体状で、温度上がると溶解する性質がある
・日本の道路の9割はアスファルト化合物で作られている
瀝青材料とはどんなもので、アスファルトとはどんなものか、そして瀝青とアスファルトの違いについて理解できたと思います。
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