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土工事ってどんな工事ですか?
その名の通り土を動かす工事で、土木特有の土を相手にする工事です。
具体的にはどんな工種の工事ですか?
高速道路を作る際の『道路土工』や、家や施設を建てる前に行う『造成工事』、地下構造物を作る際の『掘削工事』などがあります。
こんな疑問を解決します。
・土工事の細かい工種の解説
・土工事で一般的に使われる重機について
・土工事で必要な管理項目について
この記事では、土工事がどんな工事でどんな重機を使ってどんな管理が必要か解説しています。
これを読み終えれば、土工事がどんな工事で、どんな重機を使ってどんな管理が必要か理解できます。
執筆者
1級土木施工管理技士が土木工事の基本である土工事について解説します。
なお、現場監督の仕事については[現場監督の仕事!現場経験7年の元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。
土工事ってなんの工事ですか?
土を相手にする土木の工事の基本となる工事です。
土工事は建設工事において、土木の工事の基本となる『土を使う仕事』で、具体的には以下の工種を行う工事です。
その他にも具体的な工種は沢山ありますが、基本的には『土を掘って、運んで、盛る』工事です。
大きな建設機械を使って土を動かす工事なので、ダイナミックで土木らしい工事です。
一般的によく土工事でおこなわれる細かい工種について詳しく解説していきます。
盛土工とは文字通り低い地盤や斜面に土を盛って地盤面を高くする工事です。
盛土した地盤は地山とは異なり人工的な地盤になります。
道路土工要綱では、盛土は以下のように定義されています。
路床面を現地盤より高くするために原地盤上に土を盛り立てて築造して道路の部分を盛土部といい、原地盤から路床まで盛り立てた土の部分を盛土という。
『道路土工要綱(平成21年度版)』社団法人日本道路協会(P4)
盛土の施工の注意点として①雨等の排水処理②地山と盛土の切盛境の2点は注意が必要です。
盛土については[盛土とは!?元ゼネコンマンの1級土木施工管理技士が解説]では詳しく解説しています。
また、盛土の施工手順については[盛土の施工手順!現場経験7年の元ゼネコンマンが徹底解説]で詳しく解説しています。
掘削工とは、「土砂などを掘り下げ、別の場所に搬出する工事」です。
一般的に土木工事では、盛土と掘削がセットで行われ、切土と盛土のボリュームを考慮して過不足のないように調整されます。
また、一般的に施工基面より上の施工のことで、現地地盤線から施工基面まで掘り下げる作業のことです。
なお、床掘と掘削の違いについては、[床掘りと掘削の違いとは?元ゼネコンマンが徹底解説!]で詳しく解説しています。
また、地山については[地山とは?元ゼネコンマンの1級土木施工管理技士が徹底解説]で詳しく解説しています。
土工事において、土砂の流出や法面の崩壊の原因となる排水を目的とした排水施設を設置する工事です。
用排水工は工事中の仮排水を目的とする仮排水とは別に、用排水工は完成した工事目的物の排水を目的として設置されます。
施工中の排水は仮設工の仮排水を設置します。
法面の風化・侵食の原因である地表水や浸透水を排除するためや、アスファルト舗装した道路表面の排水のために設置が必要です。
法面工は切土工や盛土工で生じた法面を保護するためにおこなう工事です。
法面の崩壊を防ぐ目的で行われる工事です。
切土や盛土により作られる人工的な斜面のこと
切土や盛土を行うと発生するのが法面で、法面が崩壊しないように安定する勾配が決まっています。
また法面の安定勾配については、[法面の安定勾配とは!?5秒で解決!]で詳しく解説しています。
土工事は効率的に多くの土を動かすために、大型の重機を多数使用します。
以下の重機を一般的に土工事で使用します。
上述の重機の詳細や使用目的などを詳しく解説します。
土を掘削して積み込むための機械がバックホウです。
油圧を動力として、バケットが運転席側を向いている建設機械で、機械の位置より低い場所の掘削に適しています。
ちなみにパワーショベルとは小松製作所の商品名です。
掘削した土砂などを運ぶのがダンプトラックで、大型(10t)、中型(4t)、小型(2t)に分けられます。
荷台を傾けて積み荷を降ろすことができる機械装置を備えたトラックです。
リアゲートの上側が固定されて下側が開く『土砂ダンプ』と、逆にリアゲートの下側が固定されて上側が開く『Lゲートダンプ』がよくつかわれます。
ちなみに、ダンプとは「ドサッと下す」という意味の英語なんです。
トンネルの工事では、重ダンプと呼ばれる最大積載量がはるかに多い一般の道路を走れない大きなダンプが使われます。
土砂などをかきおこして押土して、盛土や整地する重機がブルドーザーです。
排土板で進行方向に土を押し出し、キャタピラで転圧します。
ちなみにブルドーザーは米国の”キャタピラー社”と日本の”小松製作所”が世界の2強です。
タイヤを装着して土砂などを積み込み込んだり、短距離の運搬ができるのがホイールローダーです。
ゴムタイヤで走行するためキャタピラのトラクタやブルドーザーより推進力は弱いが、油圧ショベルより一度に多量の土砂を積み込むことができる建設機械です。
ちなみに、運転は特殊車両の運転免許で、バケットの上げ下げには車両系建設機械の特別教育の受講か技能講習の資格が必要です。
排土板のようなブレードを吊って引きずることで整地をおこなうものが「グレーダー」です。
グレーダーを自走できるようにして、前後車輪の間に吊り下げたものがモーターグレーダーです。
締固め用の建設機械で接地面の大きな車輪を装着し重量が重いため、その重量で押し固める機械がローラです。
車輪の大きさや種類など多くの型式があります。
どれも、自重により転圧することで、盛土した土を締固める役割があります。
土工事では、どんな管理が必要ですか?
出来形の管理として丁張をかけて、土量を計算する。また盛土の品質管理が必要です。
土工事の管理として、工事の出来形を確保するために丁張は必要不可欠です。
土工事では全体の土量を計算して過不足のないよう施工を行う必要があり、また盛土の施工は品質の管理が必要です。
詳しく解説していきます。
丁張とは現場で”位置、高さ”を示す仮設の工作物です。
土工事の出来形を確保するために土工事では必要不可欠なのが丁張です。
法面の位置・勾配や、盛土の敷き均しの厚み、用排水の位置などを管理するために設置します。
私も土工事のときは、毎日毎日何十本も丁張をかけました。
土木の工事で必須の丁張については、[土木工事における丁張のかけ方!丁張について元ゼネコンマンが徹底解説【若手技術者向け】]で詳しく解説しています。
また法面丁張については[法面には法丁張!丁張りを元ゼネコンマンが解説!]で詳しく解説しています。
土工事で扱う建設材料である土は状態によって体積が変わります。
土の状態は大きく3つに分けられます。
それぞれ変化する際の計算には、『ほぐし率』と『締固め率』を用いて計算します。
なので切土量=盛土量にはなりません。
土工事で必須の土量の変化率については、[土量の変化率とは?元ゼネコンマンの1級土木施工管理技士が徹底解説]で解説しています。
盛土工では締固め作業おこなうことで、水の侵入で軟化しにくく、強度や支持力が大きく圧縮性が小さくなので、締固め作業は大切な工程です。
盛土の品質管理は①密度比規定方式、②空気間隙率、飽和度規定方式、③強度特性方式に分けられます。
その中でも一般的には、砂置換法やRI法によるよる密度の管理が一般的です。
締固め度(Dc)=現場密度/室内試験での最大乾燥密度×100%
締固め後の盛土の密度に対して原位置試験や室内試験による測定値に対する比で表します。
現場では締固めた盛土の密度が出ているか確認します。
土工事の概要から必要な重機や管理項目を解説しました。
土工事の主な工種は盛土工、掘削工、用排水工など
土工事で使われる重機は、バックホウ、ダンプ、ブルドーザーなど多くの機械が使われる
土工事で必要な管理は丁張、土量、盛土の品質管理
以上、土木の工事の基本である土工事について解説しました。
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